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エピローグ

アーク歴1521年 


大魔王城



「そんなわけでいつまで経ってもカイトは私を生き返らせなかったからな。勝手に出てきたのだ」

「もうその話はいいじゃないですか。エリーに何回も聞かせる話でもないと思います」

「私の思いを伝えて何が悪い」

「母上の怒りはもっともです。父上はもっと順番というものを考えるべきだったと思います」

「エリーちゃん…そんなぁ」


あの戦いから10年後。

俺は今、大魔王城の食堂で師匠とその娘に怒られている。

大した切っ掛けではない。

話の流れで最後の戦いの話になり…流れでそのまま師匠の恨み言を聞く羽目になったというだけのことだ。


「もうその話はよいではありませんか」

「アシュレイ、貴女はそれまで存分に戦えたからいいでしょう。私はいつ出番が来るかと待っていたのにあの仕打ちです」

「良いではありませんか。私など手も付けられないまま情報係ですよ」

「マリア、お前まで…」

「今は幸せですけどね。こんなかわいい子供まで生まれましたし」

「パパ、わたしかわいい?」

「めっちゃかわいい!!!」


師匠を生き返らせ、第二王妃として迎えた。

すると当然マリアも第三王妃になった。

だって断る理由がないんだもん。というか断るとどんな目に合うかって話である。

そして先に師匠に、次いでマリアに娘が生まれた。

二人ともめちゃんこかわいい。


そうなると今度はアシュレイである。

『私も娘が欲しい!』と言って毎日の突撃を受けた結果…


「なんの。私のアルバートだってかわいいだろう」

「アシュレイ様似でとても凛々しいかと」

「やはりそう思うか、マークス」

「はい。アシェル様、アルバート様の代になられてもお仕えしとうございます」


あの戦いの後、ボロボロになった各国の内政を放り出して師匠を生き返らせた。

教国も帝国も支配地域になったと認識されたみたいで年明けには随分パワーアップした。

だいぶ余裕が出ただろうと思ったのでつい周回してマークスも生き返らせた。

ロッソも…と思ったけどロッソは親父と一緒に修行するからいいって。

向こうからは俺たちの様子も見れるし、その気になれば会いにも行けるしまあいいか。


何度か周回して分かったが、やはり自転車は優秀だ。

アシュレイを生き返らせるときは木材を多く使い、チェーンを辛うじて実装したところだった。

変速ギアもなくタイヤは良く分からん魔物の腸でできた自転車だったが、技術の発展はすごい。

ゴムタイヤと変速ギアを付け、チタンフレームで軽量化するとまるで別世界だった。

移動速度と快適さが全く違うのだ。


というわけで俺が激押しした効果もあり、地上もアスファルトで舗装して自転車天国になった。

蒸気機関車と最新鋭のロードバイクが行き交う、時代が良く分からない空間の出来上がりだ。

まあこの辺もそのうち進化するだろうという事でこれ以上は手を出さない。


食糧問題は割と簡単に解決した。

万能の樹魔法を使えばいくらでも増産できる。二期作、三期作どんとこいなのだ。

クソ魔法だと思っていたが、とんだチート魔法だったのだ。

だがそうなると今度は人口爆発が起こる、と思ったら魔族はそこまででもない。人族はもう…とんでもないね。いくらでも増えちゃうんだな。そうすりゃまた食糧問題が再燃しそうだが…どうすりゃいいんだろうな??


現代日本を見習ってエロ方面を充実させた方がいいのかもしれない。

マスコミを使って養育費がいっぱいかかるとか、子作りネガキャンをするべきなのかも。

或いは一人っ子政策を…なんて考えてしまう。

まあ、先進国になればたぶん子供の量は減るし…それにあと何世代かは問題なかろう(フラグ



そんなこんなで、死亡フラグ満載だと思っていた俺の異世界人生は気が付いたら最強魔王になっていた。

最強はまあ…うちの奥さんたちかもしれないけど。


このまま子供が大きくなれば王座を譲り渡して俺は念願のスローライフを送ることが出来そうだ。

アシュレイの脛を齧って生きようと思っていたが、子供の脛を齧るというのも乙なモノだ。


ここまでお読みいただきありがとうございました。何とか完走しました。

途中で㌧でもねえ鬱エンドにしてやろうかと思いましたが、無事誘惑を振り切ってハッピーエンド?になりました。

こまめに感想をくれた方ありがとうございました。


では次回作でお会いしましょう

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― 新着の感想 ―
[一言] 鬱エンドの誘惑に打ち勝てて何より 都市化を進めて娯楽を増やすと勝手に出生率は下がって エ○マンガのネタじゃないけど田舎は子づくりしか娯楽がない、というのは事実の模様
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