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進軍

タラモル国で待つこと2日、シュゲイムとウルグエアルが自由連合の兵を伴ってやってきた。

既にヴェルケーロを包囲していた軍は蹴散らし、タラモルに逃げてきていた者たちは或いは受け入れ、或いは射殺した。


教国の偉い奴っぽいのはサーチアンドデストロイである。悪即斬でもいい。

わるいけど、これ戦争なのよね。


なんて言いながらサクッと死んでもらった。

アイツが俺たちの味方になった可能性はある。

でも敵になって兵や将を殺す可能性もある。

そういうのをホイホイ見逃すほど魔族と人族は仲が良くない。

…と思うが、そういうのをホイホイ見逃すほどタラモル王国人とエラキス教国人も仲が良くないみたいだ。


先代国王が死んだのは教国が主導した出兵のせいだし、それなのに事実上の属国のように扱われていたしで色々と溜まっていたらしい。タラモル騎士団が是非にっていうから良いよって軽く返事をしたら全力で教国軍に突っ込んでいった。バーサーカーみたいに暴れたと思ったら降伏しても捕虜に取らずに殺しまわったり…怖えわマジで。


教国軍はヴェルケーロを超えてきたアシュレイにぼこぼこにされてすっかり戦意を喪失していた。

あのバーサーカーみたいだった奴らはどこに行ったんだと思うくらいヘロヘロの哀れな軍団に、元気いっぱい怒りゲージMAXのやつらが反対側から突っ込んでいったのだ。

そりゃあ現場は酷いことになっていたようだ。


俺は内政が忙しかったので行かなかったが、ギザルムが飛竜から見た感じではもう完全なワンサイドゲームで…逃げる方は必死に逃げ回っていたそうだ。

んで、逃げた先で落ち武者狩りに会うところまでが定番。


どこの国でもこういうのあるんだなと思った。

違ったのは届けられるのが生首じゃなくて生きた人間。

捕獲したら人質となって懸賞金がもらえるシステムらしい。ほーん?


「教国と交渉なんてできるのか?そんな窓口ある?」

「我が国からということでしたら…」

「そう?じゃあ任せるわ。どうでもいいし」

「我はズンケール枢機卿ぞ!何だこの扱いは!」

「知らねえよそんな小物。あ、いや…教国関係の偉い奴は皆殺しだけどそれでいい?」

「いや、私は元帝国の…」


しどろもどろに言い訳を始めた。

さっきまで偉そうにしてたのに…命が惜しいなら大人しくしておけばいいのに。


「ああ??もうめんどくせえから任せる。身代金タップリもらって領内立て直してね」

「有難うございます…よし、では次の者を」


なんちゃら枢機卿はギャンギャン喚いていたのがウソのようにクーンクーンと鳴きながら遠ざけられていった。

この人質の面通し、戦国時代の首実験のようなものだとは思うが、俺は相手の顔をサッパリ知らん。

グロードは俺の横でマリア監修の変装、髪を染めて付け牙に付け角、付け翼とゴテゴテに盛って見ている。

コイツは勇者としてあっちこっち行ってたから知り合いも多い。

そのグロードの合図によると本物っぽい。

あんな小物がねえ…

まあ、『こんなのにかまってらんねーな』…ってのが正直なところだ。

時間を与えるほど教国は武装を強化するだろう。


一体何年で銃器が、航空機が、戦車が、車が出来た?

じゃあ次は?

航空機の登場から核まで何年かかった?ってことを考えると時間がないのだ。

多分相手は最適解を知っている連中だ。

さすがに核はまだ難しいんじゃないかと思うが、BC兵器や毒ガスなんかをぶっ込んでくる可能性は全く否定できない。


「まあ、人質やらその辺は適当にやってくれ。俺らは進軍するから…」

「ご武運を」

「ああ…行くぞお前ら!今度は教国本体だ!」

「おおお!!!」


シュゲイムたち旧エルトリッヒ勢はタラモルに言いたいことは色々ありそうだ。

ノンビリさせると喧嘩も始まりそうだし、ささっと移動する。


アシュレイたちはこちらと合流せず、すぐに西大陸の真ん中にあるメラク山脈のあちら側をどんどんと進んでいる。

そろそろマーイョリスを攻略するのではないか。そんな破竹の勢いだ。


俺たちも帝国領に入り、そこからエラキスへと進んでいく。エラキス教国を前後から挟み撃ちにするのだ。

進軍、ってサブタイ今まで使ってなかったのが自分でも意外。攻められっぱなしだったからなあ…

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