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強襲③

あらかた回収し終わったので工場区画を出て教城に乗り込んだ。

既に工場区画で派手に燃え上がる火の手は確認されており、城内も大騒ぎだ。


俺たちはそこらのヒトと大差ない見た目をしているので…工場で出会った不幸な兵に衣服を頂くことになった。

俺の緑色の髪の毛は夜でもやや目立つので、ジジイが『俺色に染めてやるぜ』を使って目立たない茶色の髪に変えている。あのクソみたいな魔法が役に立つ日が来るとは…

なお、アカの上で毛染めをしたわけだが、その時アカは戦々恐々としていた。やらねーよ。


燃え上がる炎とは反対側から高度を下げる。

派手な火事を見ているのか、反対側には人の気配が少ない。

そう思って油断していたが…一人こちらを見る女性がいた。

美しい女性だ。まあ、俺の奥さんには負けるけど。


あちらもこちらに気づいたようだが、特に兵を呼ぶとかではない。

ぼんやりとアカの姿を見ている。


「何だ…?」

「どうかなさいましたかな?」

「いや、あそこの女が、あ…居なくなった。ふうむ…」

「なんだ?もう浮気か?まあ止めはせん。どんどん増やせ」

「ちげーよ」



小声でどうでもいいことを話しながら屋上に着地。おかげで少し気分が紛れた。

城の屋上には当然何人か上がってきていたが、彼らは残念ながら犠牲になってもらった。


…もう何人殺したか分からない。

暗殺の実行部隊になるという事がどういう事か、アタマでは分かっていたが覚悟はもう一つ決まり切っていなかったようで気分は悪い。最悪の気分だ。


「えーっと…ここは西塔のほうかな。正門がアッチで…うん、合ってるな」


事前に用意した教城内部の地図を見ながら3人で確認。

合ってそうだが、不安はある。こんな潜入破壊活動なんて俺は初めてだし。

聞いてみたらマークスもない。

ジジイは昔、女のところに忍んだことがあるくらいで…聞くんじゃなかったわ。


「…こ奴らに聞けばよかったかもしれんな」

「変に叫ばれて兵を集められても困りますから」

「それもそうか」


屋根を伝って移動する。

本来なら上空に居るはずの教会ご自慢の天空騎士団は発見されたアカを追いかけて出払っている。

居残り組はジジイがさっくり仕留めて俺が樹でからめとって屋上に放置した。スマンな…


見張りは居ない。いや居なくなった。

チャンスだ。と言うかここまでは計画通り。


工場区画はアカが上空を飛び、時折ブレスを吐く。

突然の空襲のように見えるだろう。

おかげで迎撃や消火に忙しそうだ。


俺たちは屋根の上を、炎の上がっている側から走る。

反対側から炎を見てバタバタしている連中は屋根の三角でみえないし、足の下に居る連中は炎に夢中で自分の頭の上なぞ見ない。


そして着いた。教皇の執務室。

残念ながら教皇はいない…じゃあ寝室か?それとも消火の陣頭指揮でもとるのか?

そう考えると火をつけたのは失敗だったかな。居場所が特定できない。

上空から濃厚に感じていた気配はさすがにこの距離に来るとどこからかはっきりしないのだ。

でもおかげで騎士団が出払っているから…±ゼロってことにしたい。


と言う訳で寝室へ急いで移動する…事も無いか。

執務室の中にある書類を色々かっぱらっていくことを忘れてはいけない。ぐへへ。




散々に資料や貴重品と思しきものをかっぱらい、ジジイ二人に呆れ顔をされながら移動。

地図にある寝室たどり着いたが、ここにも教皇は居なかった。

そりゃあこれだけ大騒ぎなのにノンビリ寝てる訳ねえか。


そこにあったのは女性の魔族の遺体だけだ。

どうやらお楽しみだったようで顔も分からんほどグチャグチャになっている。胸糞悪い。

つまり、これが負けた後の俺たちの未来なわけだ。


女の魔族は性奴隷にはされるが何とか生き残れるか、なんて思っていたんだけどな。

教皇様御自らこうやって遊んでくれちゃう訳で…ますます戦いを挑まないわけにいかなくなった。

クソが。


チャンスだ!(ほぼ外れ 

というパチンカス脳

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