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酒盛り

「ところでいつ産まれるのだ?」

「えーっと…来年の弐の月か参の月くらい?だと思うんだけどな」

「誠におめでとうございます」

「まあ、無事産まれて欲しいもんだ」


アシュレイは妊娠している。

逆算すると、俺が生き返ったあたりとか側室をとれとあちこちから迫られたあの辺だ。

あの時期、やけに積極的で色々たまらんかった。

まあ溜まる暇もなかったわけなんですけどね(ゲス顔


「問題なかろう。エルフも魔族も子供が産まれることは少ないが、流れることも少ない。母体が頑強なのだろうかな。二人目、三人目とバンバン仕込め。ワッハッハ」

「誠に。めでたいことこの上ないですな。ハハハ」

「…ナハハ」


ジジイ共はめでたいめでたいって感じでパカパカ酒を空けている。

マークスもジジイに酌をしながらグイグイっといってるし、小屋の主である忍者部隊の二人はさすがに遠慮しながらだけどおこぼれにホイホイあずかっている。


アカ?アカはパカパカ呑んで、バクバク食ってんで寝てるよ。

アイツはいつまでも良い子で寝るのが早い。早寝早起き朝ごはんだ。

小学生みたいなやつだ。その割にパカパカ呑んでいるが…

早寝早起きは健康的でいいと思うよ。うん。


ジジイは儂の若い頃は何人の女に手を出したとか、実は子供が何人くらいいて…認知してるだけでも20人以上…とか。

エルフの王族ってシャキッとした堅物のイメージかと思ったけど、まあ全然違う。


でも年齢を考えればしょうがないのかも。

歳幾つなのよ?って聞いてみたら400超えてるって言ってるし、その間に色んな恋愛遍歴があってもおかしくはない。ジジイはまだ枯れてなさそうだし…俺と同じくらいの成長速度だとすると、20~400歳くらいまで繁殖可能ということになる。


…どんなおかしい生物だよ。

幾ら子が出来辛いからって無理があるだろうが。


一般的な地球の人間の男子だと第二次性徴が始まる10代前半~60台くらいまでが繁殖可能年齢だ。

一部70や80で子供を作った例外もいるがそれは置いとくとして。


40を過ぎればドンドン生殖能力が落ち、精子の元気も無くなるとされている。

つまり…まあせいぜいが一生のうち50年くらいといったところか。

その点で言えば女性はもっと短いが。


翻ってこのジジイは300年以上なわけで。

子供は6倍、妻も6倍いてもまあおかしくはない。その点で言えば王族で子が20人なんてむしろ少ない方だ。なるほど、こういう事例があるから側室を持つことに皆何とも思わないのかも。


…いや、そりゃおかしいだろ。

じゃあ人間の王族や貴族が側室持つのは何でなんだ。

…はい、楽しくて気持ちいいいからですね。分かります。


などと如何でも良い思考を繰り返す。

何故かというと目の前のジジイ二人が酔っ払って同じこと何回も言ってるからだ。

カイト様武勇伝の次はアシュレイちゃん武勇伝に。

そしてまたカイトきゅん武勇伝に、アシュレイたん武勇伝に…以下同文。


ジジイにとってはどっちも孫。可愛いみたいだ。

マークスにとってもどちらも小さなときからよく知ってる二人な訳で。

孫のようにかわいいらしい。まあいいよ、そこは許す。


で、そのかわいい二人の愛の結晶なわけで…大変めでたいそうだ。

無限ループは朝を過ぎても続き俺とアカは途中で横になったが、ジジイ二人はほぼ徹夜…ならぬ徹昼で飲みまくり。夜になって動き出す頃には頭を押さえて苦しんでいた。

いい年こいて何やってんだよ…


「…ヒール!ヒール!まだ?ヒール!…ヒール!」

「あー、もうええ」

「カイト様、私ももう大丈夫です」

「だらしないな、良い大人…ジジイが二人そろってさ」

「「面目ない」」

「まだかー?俺眠くなってきたぞ…」


出発の時刻が近づいて来た。

旧帝国領からアカの翼で全力で飛ぶと、教皇のいるエラキス教国の教都まではおおよそ30分。

それだとアカに負担が大きいからまあノンビリペースで休憩を挟みつつ2時間程度。

ただしあんまりのんびり行くと寒くて俺らに負担が大きい。


耐寒装備に着替え、アカの上に。

当然だがジジイもマークスも中々良さそうな耐寒装備を持っている。

伊達に何年も冒険者やってないって事だ。

良い装備だな、俺にくれ…なんて言うとホントにポイポイくれそうだから言わない。



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