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仲間探し

アーク歴1509年 什の月


大魔王城



マリア達に調べてもらった姿絵を確認したが、やはり死ぬ前に見た人物は教皇だそうだ。

見せてもらった姿絵に違和感はない。

やはり、コイツでほぼ間違いなさそうだ。


だが、教皇だとすれば敵のボス、ああいや。

教国の国王ではないか?

他国の国王が何故単騎でユグドラシルに居たのだろう。


普通に考えて敵中深くに侵入して破壊工作や暗殺なんてのは国王のする仕事じゃない。

ヤクザ映画で言う鉄砲玉の仕事だ。

その理論で言うとRPGの勇者は鉄砲玉という事に…


と考えてわかった。

多分理由は『種』を奪うためだ。成程。

教皇は種を持っていてもおかしくない人材だし、俺は死んでたから分からなかったが種を入手したアナウンスもあったみたいだ。じゃあ辻褄は合う。



敵が分かった。

これからの形成はジリ貧だ。

という事はやることは一つしかない。

大将先頭に全軍で突撃するか…あるいは少数精鋭で討ち入りをするかだ。


やっぱりRPGの勇者だ。

少人数でパーティーを組んで、魔王城に討ち入りをするのだ。

魔王はなぜか玉座に座って勇者を待っているが、普通は危なかったら逃げるんじゃないか。

俺なら逃げる。


赤穂浪士だって50人近くで討ち入ったわけだが、吉良は逃げ道がなかったから隠れてた。

という事は隠れる時間はあったという事だし逃げ道があれば逃げたんじゃないかという事で…

ゲームの勇者は何を考えて4人やそこらで…魔王はなぜ逃げずに…


いや、それを言うなら王様か。

なんで端金を持たせて貴重な人材を…軍を動かした方が勝利の可能性が…

考え出したらキリがないな。まあ、ゲームなんだし。としか言いようがない。


まあ、そこはいい。

魔王城に討ち入るというプランは悪くない。

アカに乗れば空から急襲できる。

そのまま教皇を討ち取れればよし、やべーと思ったらその辺にブレスばら撒いて資料や研究中の兵器を頂いて、或いは燃やして空から逃げればいい。

ならば誰か、俺と一緒に戦ってくれるパーティーメンバーを探す必要がある。

さすがにアカとペアじゃな。



マリア達はどうか。

だが忍者部隊は諜報部隊だ。資料や兵器を探したり燃やしたりは上手そうだ。

でも戦闘要員としては少し心もとない。


創作の忍者じゃないから暗殺も正面からの戦いも何でもござれって程じゃない。

言うてドレーヌのオッサンや人族の騎士団員くらいなら楽々正面から殺せるような人材が沢山いるが…まあ十分強いか。


俺が求めるのはこの世界でもトップクラスに強い人材だ。

強くて頼りがいがあって、そしてアカに一緒に乗って空から奇襲、群がる敵をバッタバッタと薙ぎ倒してやばっと思ったらさくっとズラかるって感じの人材が。


…と言う訳でマークスを呼ぶことに。

ジジイはリヒタール陥落後、アークトゥルス城の防衛に当たっている。

あそこには叔母上がいるからな。

それに攻めてくる気配もないし…って事で手の空いているマークスを召喚。ターンエンドだ!


「護衛に選ばれたのは光栄ですが…私でよろしいので?」

「いやアシュレイはほれ、アレがコレだから」


お腹の大きなジェスチャーをする。


「おお!おめでとうござりまする!」

「へへ。ありがとな」

「なかなかその気配がないのでやきもきしておりました」

「いやだって、アシュレイもまだ若いじゃん?色々危ないかなって」

「…そうですな。生き返ったすぐはまだ聊か若すぎでしたかな?…若と背は変わりませんでしたがな。ワハハ」

「うっせ」

「ヴェルケーロ時代にもいろんな女性がいるのに手を出さないので心配しておりました」

「うっせえって…」


今だに時々コイツは俺を若とか坊ちゃんとか呼ぶのだ。

まー、俺の背は伸びない。

いや、伸びたんだけどまだまだこれから育つぜ感はある。

鏡で見ても子供のようなちびっ子が、成長期の若者になってきた感じで…


「いや、俺も早いか」


年を取った男親から生まれる子供は色んな障がいのリスクがあるんだっけ。

勿論母親の場合もだ。

じゃあ若すぎると?

母親の場合は幼過ぎると母体が危ない。

男親が若いと…?うーん?


「まあ、アシュレイの発育は問題なかろう」

「…わたくしはノーコメントです」


バインバインに育っているのだ。

運動量も多いから腹筋も引き締まって、出るところは出て…まあけしからんのだ。

何時でも母親になれまっせ感がある。

色んなあれやこれやもだいじょーぶ。10年近く寝てたんだから今は…27くらいか。


全く心配ないわ。

どこに出しても大丈夫な美人嫁だ!


「ってなわけでよろしく」

「畏まりました」


まーくす が なかまになった?


「これでパーティーが3人になった。あと一人揃えば…」

「ん?揃えばどうなさるので?」

「逆の立場だったとしよう。俺は魔族に侵攻されてジリ貧の勇者だ。」

「今は大魔王ですな」

「だから逆の立場だったとしてって言ってるだろ…そうすれば勇者は何をする?」


魔族に侵攻され、ジリ貧の人族。

そこに立つ勇者。

どの世界でもすることは一つだ。


「それは…まさか、それはいけません。危険すぎますぞ」

「だから強力なパーティーを探してんだ。アシュレイに頼もうかと思ったけど、失敗したらって考えて悩んでたんだ。マークス。失敗はほぼ間違いなく死を意味する。付いて来てくれるか?」

「…ハッ。光栄でございます」


まーくす が なかまになった!


「あと一人だ。どのみちアカに乗れるのはあと一人か二人くらい。死んでもいいってヤツを捕まえて特攻しよう。楽しみだな」

「フフ。血が熱くなってまいりましたな。ですが…」

「ん?」

「死ぬのは私の役目ですな。カイト様はイザと言うときにはどんなに薄汚れてでも逃げなされ。爺との約束ですぞ」

「ハハ。もう一回死んじゃったけどね」

「だからです。復活できるのは…いえ、良いでしょう。兎に角、危なくなったらアカ殿に連れて帰ってもらう事。ここだけは絶対に守っていただきますぞ」

「わーったよ」


ジジイは何回も同じことを言ってしつこい。全く。


「爺ですから何回でも言いますぞ」

「あ、いやなんでも無いっす…」

アシュレイちゃんは(10年寝てたから)立派な大人!大人の年齢なのです!だからせーふ!

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