改良
どうも、アークトゥルス魔王ことカイトです。
アシュレイには新しいマジックバッグを購入して渡したところ無事仲直りが出来ました。
アシュレイの私物っぽい物は俺のマジックバッグから無事にアシュレイの新バッグの方に移動させました。
それにしても、何だかおしゃれなのを選んだおかげでちょっと高くついた。
入れてある物はゴツイ武具なのにおしゃれさは本当に必要だったのかとおもうが、それを言うとまた殴られそうなので言わない。
マジックバッグはダンジョンでドロップする物ばかりだが、以前にどこかの冒険者が使っていたバッグが何故か再利用されてマジックバッグになるらしい。
時間がかかりそうなイメージがあるが、昨日落としたガラクタ同然の剣が魔剣になっている。なんてこともあったらしいので時間はあまり関係ないようだ。
剣やカバンがダンジョンによって魔力を付与されるのか、それとも物品が勝手に魔力を吸うのか。
勝手に吸うとしたら時間がかかるんじゃないかという説、たまたま落としたところがいわゆる魔力溜まりのようなところだったんじゃないか説などいろいろとあるが…
分かっているのは元になった剣やカバンのデザインがそのまま流用されるというところだ。
という事はおしゃれなマジックバッグを得るためにはオシャレなカバンをダンジョンにポイポイすればいいという事になる。
そこで一攫千金をたくらむ商人たちがわざわざ作ったカッコいいカバンや剣をダンジョンに撒いた。
…が、そもそも落としたカバンを自分で回収できるかと言えばそんなに上手いこと行くわけがなく。
結局は金を無駄遣いしただけだった。
殆どの魔剣やマジックバッグは冒険者が落としたり死んで回収された、普段使いのモノばかりなのだ。
というわけで結果としてカッコいい、可愛いマジックバッグはものすごくレアものである。
…で、当然のようにレアなものは高い。
性能はそこそこでも見た目が良いと高い。
まあ、ある意味当然の事である。
魔王となった俺が妻に贈る最初の贈り物なのだ。ケチケチするわけにもいかん。
なあに。そこらの貴族や人族の商人ににベロザにもらった酒をばら撒いたお金で買えた。カバンに放置してた酒は程よく熟成が進んでいたらしく美味いらしい。生野菜は腐らないのに熟成は進む。うーむ??
しかし、買った奴にケンタウロスのウンコの隣で熟成した酒は美味いか?と聞いたらどんな顔をするだろうか。想像するだけでニヤニヤしてしまうな…
「また趣味の悪いことを考えているようだな」
「師匠ほどでは…」
「どういう意味だ!で、大魔王城まではいつ繋がるのだ?」
「まだしばらく先かと…ガクさんの所で鉄工所を建築中です。鉄不足はいかんともしがたいのでアッチが一段落してからになるかなあと」
ここは大魔王城。
久々に師匠に会いに来て、それから相談だ。
鉄道を敷設し始めた。
となるとまず必要になるのは木材、石材、そして鉄材だ。
初期は魔法で強引に銑鉄から製鉄まで終わらせたが、おかげで鉄工所に缶詰めになったアカとアシュレイからは非難囂囂だった。
ゴンゾはいっぱい出た鉄をいかにうまく加工するかにハマっている。
旋盤も30号機辺りまでは作っているのを見たが後まだ続々と作っては捨て作っては捨てしているらしい。
新しく精度が高いのが出来たら古くて精度が悪いのはまあ要らなくなる。ゴンゾの所においてはだが…
その使えないって捨ててる奴でも以前の作業に比べればはるかに精度が高い訳なのでどこかに売り払えばいいと思うが、そんなものは認められないらしい。これだから職人はさあ。
そして精度である程度満足できるようなものが出来たら、今度はそれを使って領内のいろんなものを改良し始めた。勿論蒸気機関車も1からどころかゼロから作り直している。
パワーもスピードもSSからUGに上がったって感じで蒸気機関車の育成は順調。もう評価もUFからUEが見えてきている。
さすがはドワ娘だ。次のチャンミもお前に決めた!(ゴンゾは♂です。悪しからず…
「ヴェルケーロまで早く通したいんですけどね。有事の際にも役に立つし」
「そうだな。物資を送るのも早くなる」
「人員もですね。龍に乗り切れないようなのもガンガン運べますよ」
「…そうか。成程な」
列車による輸送の一番のメリットは重量制限がほぼない事だ。
どうしても厳しいなら2本目、3本目と次々出発させればいい。
そのために今蒸気機関車をどんどん作っている。
旋盤を使った高精度の部品で、試作機を上回る改良品を。
RX-78からさらに専用機のNT-1を作ったように。おっとそれじゃメインパイロットに届かない。
蒸気機関車もすでに改良を重ねて何両も作った。
でこいちならぬ『ア-01』から通して何両も。そしてある程度の所で量産に移る。
高精度の量産品だ。サイコーだな。
おっと、今はそれどころじゃない。
「…列車砲なんてものも有ります。重くて運べない砲を列車に搭載してぶっ放すわけですね。でもあれって線路が無いと使えないからその辺どうなんだろ?防衛の時には悪くないと思いますけど…うーん??」
「何でも一度試作してみても良いのではないかと思うが?」
「線路が無いと使えないんですけどね、逆に言えば線路があれば強力な火砲を素早く前線に送ることが出来るとも言えます。難しい所ですね」
前世の世界では列車砲はだんだん廃れていった。
何で無くなったんだろう?戦車の方が使いまわしが良いからだろうか?いちいちレールを敷くのが面倒で金がかかってだからだろうか?線路を敷くのは欠点もたくさんあると思うが利点も沢山あると思うが…
まあ道路より手間がかかるってのは間違いない。だからか??
「まあそれよりは戦車の方が使い勝手がいいと思います。エンジンの開発を進めればいずれは航空機にも使えるでしょうし」
「コークウキ?とはなんだ?」
「えーと…機械で空を飛ぶのです。翼の生えた機体を作って…こんな感じの…」
サラサラっと飛行機の絵を描く。
まずはプロペラ機からだろうから、左右の翼に2個プロペラの付いた機体だ。
勿論細部なんて全く分からない。イメージ先行のふわふわ~っとした絵である。
「ふうむ、鉄の鳥か…これが飛ぶのか」
「全部鉄にしたら重すぎます。何らかの軽い金属や木材を用いることになるかと。軽くて丈夫な金属で…心当たりはありませんか?」
「分からん。その辺は鍛冶師にでも聞くしかないだろう。武人が求めるのは硬くて丈夫なものだ。重さは二の次になるからな…」
「そうですね。少々重くても鍛えれば装備出来ますからね」
レベルが上がれば力も体力も上がる。
多少重い鎧を着けても飛んだり跳ねたりするのに全く困らない。
武器だって重い方が衝撃力が上がる。
だから相手によってはわざわざ重い武器を選ぶこともあるくらいだ。
軽くて丈夫な…なんて子供向けの物くらいしか無い。まあその辺は探してみるしかあるまい。
おっと、命じて探させる。だな。これだから上司になるのはたまんねえぜ。
今回ウマネタやらコピペネタやら変なのが多いです。
書いてた時疲れてたんやな…と自分でも思いながらまあいいかでそのまま投稿。
列車砲はロマンの塊ですが、やはり線路がないと運用が難しい事、ミサイルが出来てしまったこと、そもそも大戦が行われないこと…などで廃れていったようです。
まあ一番の原因は『これミサイルでいいやん』だと思いますが…
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