表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/391

ソロ攻略(本番)のはじまり

アーク歴1504年 参の月


久遠の塔30層



俺は今、マラソンをしている。


アカは置いて来た。

ハッキリ言ってこれからの戦いには着いてこれないのだ。



アカとペアで80層をクリアした。

もしかしたらワンチャン従魔と一緒でもソロクリア報酬は貰えるんじゃないか。

だってそうじゃなきゃ『テイマー』なんてどうしようもないじゃん?


なーんて思ったけど、勿論報酬は貰えていない。

そんなに甘いわけがないのだ。


宝箱落ちてないかな?なんて探してみたり、81層に踏み入った瞬間だったり!とか思って色々試したけど、まあそんな訳ないよね。知ってた。知ってたわ。


という訳で1層から登り直しである。

とは言えレベルも上がったし装備も良くなっている。


思えば遠くまで来たものだ

最初、アシュレイと一緒に来た時はそこらの木で作った木剣と普段着という装備だった。

まあ、ダンジョンを舐め腐っていると言われてもしょうがないな…


「なあ?」


思わずアカに話しかけてしまった。

…が、勿論返事は帰ってこない。


「ソロだと寂しいもんだなあ」


ソロじゃないと特別な報酬は貰えない。

だからアカは付いてこれない…寂しいもんだぜ。


というかコレ、一回外に出たら駄目だという謎仕様らしい。

1層から80層まで、ずーっとソロで登り続けなきゃいけないんだと。

師匠にそう聞いてマジックバッグに替えの衣服と食料と水、あと予備の装備品を沢山詰め込んだ。

んで出発。


体感だとまだそんなに日数は経っていないが、外の時間は10倍くらいで流れてるんだっけ?

そう考えると3日で1か月分くらいになるか。

モンスターほぼ無視してマラソンで走っているが、1日に10層が限界である。

という事はモンスターに苦戦しなくても80日、ボス戦なんかで苦労したら外じゃ何か月もかかることになるな…きちぃなこれ。


今の俺なら50層のボスくらいまではホイホイ進めるんじゃないかと思うが、それ以上はどうか。

特に、この間頑張って倒した巨人型モンスターなんてソロで倒せるのだろうか?

火力で言えば問題ないだろうけど、あの戦術はそうホイホイ使えるもんじゃない。

大砲だって何回も使えるかって話でも無いし、ぶっ壊れているかもしれん。うーむ。

なーんて事を飯食いながら考える。


「参ったな…あちち」


今日の夕食?は大量に作ってあったシチューを食べている。

大量に作っただけあって、ここ3日朝昼晩と同じものを食っているからもう飽きたどころではない。


出発前に魔王城の料理人に頼んでいっぱい作ってもらったんだが、一人で食うには多すぎるんだよなこれ。アカがいればいっぱい食ってくれたんだけどなあ。



コンロなんて洒落たものは無いから石を積んで竈を作り、薪を出して火魔法で着火して…飯を暖めて食うにも一苦労である。

アツアツのまま出てきてくれればいいが、マジックバッグは時間停止というほどではない。

ぬるい状態の鍋が出て来るので少し温めなおす。この中で雑菌の繁殖とかどうなんだろう。温度的にはとても繁殖に良さそうな温度だが…まあ考えないでおこう。


割と面倒だが、一日中走る以上食事はきちんととらなければならない。

汗をかくと体内の水分だけではなくミネラルやらあれやこれやがどんどん出て行くのだ。

ちゃんと食べないとモリモリ痩せて益々ガリガリに…


とは言え疲れた体で飯を用意するのは面倒だ。

洗い物も面倒なので朝、昼と食った皿にもう一回シチューを注ぐ。

なあに、もし雑菌が繁殖しても毎回沸かしているし…いざとなれば回復魔法もある。その上解毒剤も持ってるから大丈夫だろう。だよね?



このシチューが無くなったら自分で調理して食べないといけない。

でも食材はあるけど調理はめんどくさい。

特に一人分の料理ってなあ。

だからってあんまり大量に作ってもどうせ何日も同じモノ食うのもなあ。


なんて一人暮らしの時の事を思い出しながら考える。

皿も洗わないので大学生の一人暮らしのよりはるかに状況はダメだな。


飯食ったら眠くなってきた。

ボス部屋はボスを倒したらもうモンスターは出てこない。

のんびりできて言う事ないのだ。

このままこたつを出してゲームして寝たいくらいだ。

まるで実家のような安心感??

まあいいか。誰も来る気配もないし、もうこのまま一眠りしてしまおう。


カバンから布団を取り出す。

寝袋を用意したかったが、そうも出来なかったのでお布団だ。

不用心この上ない気もするが、倒したあとのボス部屋はエアコンの効いたよく眠れる環境だ。


今更だがこの世界のダンジョンはいわゆるインスタンスダンジョンのようで、他のパーティーと出会うこともない。

一緒に侵入したパーティーメンバー以外の他人と出会うことがないのだ。

コミュ障には最高である。


まあ、もし人間と魔族が戦争中にダンジョン内で鉢合わせする、なんてことになったらめんどくさい事しかないからな。殺伐としすぎるダンジョンになる。むしろ戦地より危ない環境になるだろう。


各地に入口があり、転送される。

おまけに中身はインスタンスダンジョンになっている。

不思議なシステムだなあとは思うが、ゲームだと思えばそんなもんなのだ。と言う訳でおやすみ~

あくまで目的はアシュレイの復活。

今まではその為の準備だったのだ!って準備期間長すぎ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] アシュレイは死亡時の状態で復活するのか相応に成長して復活するのか どっちにしてもカイトより強いのだろうけど死亡時ままだとビジュアル的に、ね
[良い点] ようやくヒロインの復活の目処が… 思えばカイトも強くなったなあ… [気になる点] アカいないと思ってたよりソロ攻略は精神的にキツそう ぬ~べ~でも長期間誰とも話さないと人間狂うって話もある…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ