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対地攻撃

城門から敵陣までの距離は大体1kmちょいってところか。

走っても大した時間はかからないが、空からならまさに一瞬だ。



上空に上がると被害状況が良く見える。

着弾後に土煙が舞っているが、爆発しているわけではない。

あくまで衝撃だけのようだ。大きな鉄球か鉛玉か…さすがに岩じゃないとは思うが、そういう質量を持った物質を飛ばしていると思う。

まあ形は球形ではなく椎の実型かもしれんが、そこまでは見えん。



それと、砲の集中している南門に向けて人族側から兵が突撃しているのも見える。

支援砲撃の後の兵員突撃である。

うーん、向こうにも転生者がいると思った方がよさそうだな…


「あー、ヤな感じだな」

「そらがいやか?」

「ううん。戦争が嫌だなって」

「おれはわくわくするぞ!」

「まあそうかもな…ほら来たぞ。アレが人族の空軍ユニット、天馬(ペガサス)部隊だ!」


戦いにおいて高所を取った方が有利だと言うのはいつの時代もどんな状況でも変わらない。

高所の究極は宇宙だが…上空を抑えるだけで随分違うだろう。

相手の陣形や城の構造は一目瞭然だし、何なら上空から火矢でも打ちまくればそれだけで街は大混乱だ。


当然そんな便利なユニットである飛竜(ワイバーン)を魔族側だけに配置したらバランスが崩れる。

という訳で人族側にも似たようなのがある。

それが天馬(ペガサス)大鷲(グリフォン)だ。


アカはどうなのかというと。

(ドラゴン)は本来中立ユニットだ。

交渉で雇ったり仲間にしたり、或いは卵からの育成などによって手元に入り、軍に組み込めることも出来たが…コイツ(アカ)は一体何なんだろうな。まあ便利で気の合う相棒だからいいんだけど。


「カイト殿、ここはお任せを!」

「分かった…一撃する。あとは頼んだ!」


アカに合図して急上昇し、味方部隊との射線を放して地上に向けて…


「アカ!あっちだぞ!でかいの撃て!」

「ぎゃおおおおん!」


天馬部隊のど真ん中に向けて特大のブレス(火球)を打ち込む。

散り散りに逃げる天馬たち。

一体を巻き込んでブレスはそのまま地上へ。

地上部隊の後陣に着弾し、爆発した。油断して障壁は張っていなかったようで周囲は大混乱だ。

やったぜ!



そしてアカの特大ブレスで陣形の崩れた天馬部隊に襲い掛かるギロンヌたちの飛竜隊。

飛竜の可愛らしいブレスのあと、槍を突き出す。

敵の天馬部隊も負けておらず、ブレスをある者は盾で防ぎ、ある者は弓を撃ち、そしてある者は槍を突く。


天馬の方が数は多いが、飛竜の方が強い。

人族兵と魔族兵の戦力評価は1:3だと言われているが、天馬部隊と飛竜部隊はおおよそ1:2くらいだ。

向こうも精鋭部隊だからな。


天馬部隊は攻撃力は低いが、素早くて飛竜より小回りが利く。

飛竜部隊は最高速が早く、攻撃力も高いが小回りが利かない。

飛竜は最高速が高いので一撃離脱の繰り返しが出来れば強いが、数の多い天馬に囲まれるとやばい。


という訳でこの両者の戦いは囲まれる前に一撃離脱をしたい飛竜隊とどうにかして足止めして数で圧殺したい天馬部隊という構造になる。

本来は陣形を組んでじっくりと来られるとやばいのだが…アカのブレスで散り散りになった後なので今回は天馬部隊の方が不利のようだな。


味方はいい感じで有利に事を進めているので俺は俺の仕事をしないと。


目的の大砲はすぐに見つかった。

音もうるせえし、煙も出る。それに何より土管みたいな形が上空からでもわかる。

隠そうともしてないし、そもそも撃ってる最中の大砲はどうやっても隠せるものでもないからな。


「よし、アカ。今度はあの筒みたいなの狙って。俺の撃った後に撃つんだぞ…フレアミサイル!」

「あれ?いっくぞー!ぎゃおーん!」


俺の炎追尾弾(フレア・ミサイル)は障壁で防がれたが、アカの放つブレスは…先ほどよりはやや小ぶりだったが無事大砲に直撃した。




たいほう A を やっつけた!


「次はアレ!ミサイル!」

「ぎゃおーん!」


たいほう B を やっつけた!


「あ、飛竜が支援してる!アッチも!ほら、早く早く!」

「が!?ぎゃおーん!?げーっふげっふ」


たいほう C を やっつけた!


3個潰したがブレスの連発でアカは疲れ気味だ。うーむ。まだ何個か砲門あるぞ。

もうふた頑張りくらいがんばれ!


「まだあるぞ。アレも!アカ頑張れ!」

「ぎゃお…だめ!つかれた!カイトやれ!」

「マジかよ…しゃあない!ツリーアロー・ストーム!」

「矢だ!防げ!盾!」「何だ!盾から木が!?」「いて!あれ?威力は思ったより…足から木が!?」


誰だ威力は大したことないって言いそうになった奴は!(憤怒

アカがごねるから仕方なく放った木矢は周囲にそれなりに混乱を与えたようだ。


足から木が生えた奴なんてどうしていいかわからずにオロオロしっぱなしである。

いいザマだ。

大砲の周りにも木いっぱいで…いっぱいで撃ちにくいだろうけど砲は壊れていない。くそう!


「ええい!フレア!ダブルフレア!」


こういう時はやっぱり炎だ。

俺の放った炎弾は狙い通り砲に命中し、無事に砲の周りの木に燃え移った。

そして爆発。弾薬に着火したようだな。

まあ…アカがぶっ飛ばした奴に比べたら微妙だ。

でも修理しないと使えなくはなっただろう。たぶん。


たいほう D を やっつけた?


「しょぼ」

「やっかましい!そう思うならもうちょい働け!」

「疲れた」

「ぐぬぬ」


あと何門かはある。しょうがないから俺がやるかと思ったが、飛竜隊の活躍で片付いたようだ。

まだ後ろに隠してあるのが有るかも知れんが何処にあるか、何個あるかもわからんしアカもそろそろ疲れてきている。

出来れば一つくらい回収したいけど兵がワラワラ後方から出てきてるし…諦めよう。


「飛竜隊と合流して帰るぞ!」

「おー」


上空を見ると飛竜隊も無事に天馬部隊を蹴散らしたようだ。

城門の方は防衛が間に合っている。

飛竜隊も上空からブレスを撃っているし…問題ないな。


よし、ギロンヌ殿たちと帰投するとしよう。

天馬隊は騎手の弓や魔法攻撃、それに槍での攻撃くらいしか攻撃オプションがありません。

飛竜は飛竜自体の攻撃方法が多彩でその上騎手の攻撃も有ります。

でも扱いづらく、卵の数は多いけど育てるのも難しい、個性が強く連携がとり辛い、体温の変化に弱く冬場は微妙などの欠点が有ります。作中は寒い時期なので本領発揮とは言いづらいですね。

騎手は基本的にどちらもエリート戦士なので兵に比べ力の差は少なくなっています。

そこらへん込みで戦力比1:2くらいとしました。

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― 新着の感想 ―
[一言] やはり人間は数と統率力 魔族は個の力が強みな感じだねー 後はつうかやっぱり人間側にも転生者いるよねそりゃ…
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