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オジサマのお仕事♡

タイトルに深い意味は全くありません。ただ何も思いつかなかっただけです

アーク歴1500年 伍の月


ヴェルケーロ領



ドレーヌ公爵と捕虜になった200名の手紙は大魔王城経由でドレーヌ公爵領に送り届けてもらった。

その結果がどうなったのかはまだ不明だ。


捕虜の皆さんは農作業にもすっかり慣れ、ドレーヌ公爵もすっかり酒と居酒屋メニューに慣れた。


「つーかオッサンもそろそろ働けば?」

「よいではないか。早くお代わりを持ってきてくれんか?」

「良くはない。いいか?『働かざる者食うべからず』という言葉があってだな…」


アレは誰の言葉だったのだろうか。

俺の知識の中にあるのは子供の頃に読んだ一休さんの伝記漫画で一休さんの師匠が言ってた言葉だ。

懐かしい。こういう子供の頃の知識ってふとした拍子に出てくるんだよなあ…って今はそうじゃない。


「オッサンは毎日飲んだくれてるだけじゃないか。他の捕虜のみんなは仕事を見つけて今じゃ彼女まで作ってるやつもいるみたいだぞ?」

「な!なんじゃと!」


これはホントの話。

捕虜の中の一人にベロザの妹のベリスちゃんと付き合いはじめようかという空気を醸し出してる奴がいるらしい。


ベリスちゃんはああ見えて|(?)結構大型魔族の連中には人気のようで、その捕虜とベリスちゃんの関係に嫉妬してみたりNTR(寝取られ)で興奮してみたりする高度な連中もいるのだ。

まあそいつは付き合ってたわけじゃないから正しくはBSS(僕が先に好きだったのに)ってやつか。


最近は分類が色々あって難しい。

俺にはそういう趣味は無いぞ。



「…それは真剣な交際をしておるのか?うーむ、しかし儂の配下がどこの者とも知れぬ女となど。儂が預かった手前、負けて捕虜になりさらに囚われた先で女に誑かされたなどと親御さんに申し訳が…」

「ベリスちゃんはウチの者だよ!それに誑かされたって失敬だな!」

「おう、怒るな。ベリスと申すのか。その娘は美人か?」

「見ようによっては…俺はパスだ。潰れる。」


でも大きい、ふくよかな女性が好きって層は多いからな。

まあその辺は俺には何とも言えん。


「まあそういうことだから。みんな頑張ってる中でオッサン一人食っちゃ寝してるってのはどうなの?」

「う、うむ。さすがに良くはないな」

「そうだろうそうだろう。そんなわけで出かけよう。」

「どこに?」

「さあ?まあ街の視察ついでにオッサンの仕事を見つけるんだよ」

「気が進まんなあ…「進まなくても行くんだよ!んで働け!捕虜だろ一応!」…ううむ…」


そんな訳で俺とドレーヌ公爵はマークスを伴って街に遊びに…視察に出た。

まず行くのは隣の区画にある工場たちだ。


「ここは製糸工場。綿と羊毛と麻と…まあその辺から糸を紡いでる。少しづつ機械化しようと思ってるけどまだ水車の動力で精いっぱいだな」

「ほう…」

「んですぐ隣のこっちは布工場だ。」


糸を紡いで隣で布にする。

もう一個となりは染色工場だ。


「んで糸を紡いで布にして染めたのを服にする。ああ、そこにいるのがベリスちゃんだ」

「おお、美しい女性ではないか。なんという事だ。このようなところにあのような女神が…」

「おお?」


そう言われりゃ染めて織って、そして服にして。って行程のすべてを統括するベリスちゃんの衣類やお化粧はいつの間にやら高給取りになって洗練されきて…

うん、美しく洗練されたトロルだ。


やっぱり大きい。

俺の倍くらいの身長に5倍くらいの横幅。


どう考えても俺には無理だ。

でもああいうふくよかな女性って好きな人は好きなんだなあ。


「そうか。オッサンもああいうのが良いのか…でも彼氏が最近出来そうっていってたぞ。オッサンところの捕虜だぞ。それにオッサンとベリスちゃんじゃ年が違いすぎでしょ」

「ぬぐぐ…」


隣にいるドレーヌ公爵は洗練されたトロルがイケる(クチ)らしい。

まあドレーヌのオッサン自身も確か巨人種(ジャイアント)なんだし、オレンジのウサギですらイケるのだ。

そりゃトロルくらいイケるだろう。そういう事にしとくか。

でもまあそれはそうとオッサンは既婚者だ。


「オッサンとこには嫁も子供もいるんだろ?配下の幸せを祈るのも大事な事なんじゃないの?」

「わかっとるわ!」


でかい声を出すな。

働いてる皆がビックリしとるだろ!





アッチコッチと見学という名目でフラフラして、屋台で飯を食った。

ドレーヌ公爵様にとっては屋台飯と言うのも珍しい物だったらしい。

アレは何だ?コレは何だ?とうるさい事この上ないのだ。


いま食ってる屋台飯なんて豚骨ベースのダシに採れたて野菜とお肉をいっぱいぶち込んだスープだけど、それが最高に美味いらしい。

俺からすればここに麺を、無ければご飯をぶち込みたいところなんだけどな。

思い出したら食べたくなってきた。ここは…


「ラーメンでも作るか…」

「羅綿とはなんだ?」

「んーと、麺料理だよ」

「麺料理とは…?」

「あーっと、パスタとかの事だ。長くて細い、チュルチュルっとした奴をこのスープに入れて食べるんだ。美味いだろうな」

「ふむ…それは確かに美味いかもな。」


ラーメンの麺は小麦粉と水と塩と…あとなんだ?カン水?あれってどうやって作るんだ?

うどんは踏むとコシが出ると聞いたことがあるが、ラーメンはどうなんだろ?うーん?

まあ作ってみりゃいいか。

ラーメンって強力粉か?薄力粉?そもそもよく違いが分からんしそう言えばパスタもうどんも何力粉かよくわからんわ。

まあ、そう言うの好きな奴に作らせよう。



好きな奴にアテはある。

マリアの所にいる…つまりは忍者部隊の一人が料理が趣味で店を持っている。

勿論、所謂忍び宿として使われているわけだ。

で、そこで修行した若い者が他の領内に店を出すからそれを援助して…つまりそこも忍び宿になって情報収集や工作の拠点になっているわけで。


その料理屋件忍び宿を営業している、料理が趣味の忍者部隊の一員がアッサムだ。

60くらいの半魔族のオッサンだが、中々料理に造詣が深く…と言うか色々魔改造してオリジナルの料理を作り、店で出すのが趣味なのだ。


と言う訳でアッサムの店へ。


「アッサムいるかー?」

「おお、これは坊ちゃん!今日はどんなアイディアをお持ちで?」

「ラーメン作りたい。ラーメン。知ってる?」

「はあ、麺料理ですな。以前に作ったではありませんか」

「そうだっけ?」


そう言えばそんなこともあったっけ?

前に麺…麺…?


「リヒタールにいた頃に塩で作りましたぞ」

「そうだったっけ。今度は味噌で作ろう。辛いのも試してみたいな」

「おお、良さそうですな」

「胡麻をいっぱい使ってあま~いスープにして、そうかと思えば辛く炒めた肉味噌をトッピングして…ってのもアリだぞ」

「ほほう!では早速取り掛かりましょう!」

「頼むぞ!」


いやあ、楽しみだなあ。

塩ラーメンに醤油ラーメンに味噌ラーメン、そして担々麺。

まあまだ醤油は作れてないから味噌と塩と担々麺かな。

醤油も味噌の上澄み液みたいなのはあるんだけど、ほんの少ししかないからなあ。


スープのベースは豚骨がメインになりそうだが、これから魚介も鳥ガラも…至高のラーメンへと続く道はいくらでも拓けているのだ。


「楽しみだなあ」

「そうだのう。美味いじゃろうのう」

「うおっ!オッサンいたのか!」

「失敬な奴め。早うらーめんとやらを出さぬか」


そういやオッサンの存在自体を忘れてた。

ラーメンの魔力は恐ろしいぜ。


働かざる者食うべからず は新約聖書の言葉のようです。

今回調べて新約聖書由来だと知ったのですが、私は文中にあるように一休さんのマンガで読みました。

一休さんの師匠の言葉として出ていましたが…キリスト教やんけ!あの時代にあるわけないやんけ!と今更ながらに思っています。


↓短編投稿しました。


俺バ美肉V、異世界でスパチャ生活をする。

https://ncode.syosetu.com/n4442hu/


ネタが全く浮かばないときに書きました。アッチの後書きでも書いていますが、月一本くらい短編を投稿したい。ムリ。

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