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信賞必罰

勝った側の戦後の処理と言えば捕虜交換や拾得物の売却、それに論功行賞である。

信賞必罰はどの世界でも最も大切なものだ。

勿論それは現代でも同じだ。



新しい技術を開発したり、新しいものを発明したりした人にはきちんと褒章を与えなければならない。

昔、どこかの会社が新発明した人にロクにボーナスも出さなくって裁判沙汰になって…結局その発明者は退社して渡米したとかって話がある。と言うか割と頻繁にそういう話はある。

アニメーターが中国に引き抜かれているとか、最先端の研究をしている研究員が中国に…金持ってる国にはかなわんな。


日本の企業は何故か文系の方が理系よりエライような風潮にあるが、本当に天才的な発明やひらめきをする人というのはコミュニケーション能力が高い人とはまた別の人材だ。何故かコミュニケーションが上手い人が成り上がっていくことが多いが、功績のある人をきちんと報いないと実力のある人が出て行ってゴミばかり残るような社会になってしまうだろう。

『先ず隗より始めよ』の全く逆の事をやってしまっているわけで…とまあ、思考がそれた。


と言う訳で、誰をどう褒めればいいのか。

難しいなあ。


「どうすりゃいいと思いますかね、敵の首魁を捕らえて功第一位のロッソさん」

「わ、私は新しい鎧か槍以外の武器が欲しいで有ります!」

「ほー。分かった。」


こんな感じでほしい物を言ってくれればいいんだが。

あ、出来れば土地はパスで。そのうち上げることもできるだろうけど今はまだ無理ゲーに過ぎる。


「2番目は誰になるんだろな…マークスか?裏方で頑張ってたマリア達か?」

「有難う御座います」


あまり表には出てこなかったが、マリア達はかなり頑張っている。

ドレーヌの出陣の情報を得るところから始め、それに対してドレーヌと仲の悪い貴族を煽って最大戦力では攻められなくした。ドレーヌの所なら本気出せば5000は集められたはず。なのに3000だ。そこを削ったのは大きいだろう。


んで、たぶんサクッと退却したのも後方の不安があったからだ。

どうせドレーヌが死んでるだろうし誰も文句言わんやろって退却したんだろうけど…コレはコレで後で使い道がありそうな。げへへ。


「マリア達にはお金でいいのかな?みんなに配ってもらうって事で」

「勿論です。有難う御座います」

「うーん、じゃあマークスは3番目か?あとは…」

「わたくしめの分は無しでいいですぞ」

「そうもいかんだろ」


無しはイカン。

信賞必罰に反する。何でもいいから何かはあげないと。


「では酒でも貰えれば。皆で飲みます」

「じゃあ新作の蒸留酒とか?濃くて火が付く酒もか。そろそろいい感じで熟れてきてる酒もあるだろうな…それとユグドラシル王国のお酒とかもいいな。」

「若、ユグドラシルと言えば援軍が…」

「あ、忘れてた」


やっべ。もう片付いたからいらんぞって伝令送るの忘れてた。

思わず顔を見合わせる。うん、全員忘れてたね。

そのくらい奇麗に勝っちゃって、奇麗にあいつら居なくなったからな…


「申し上げますだ!城門の外に新しい軍が来てますだ!」

「あー…旗とか見えた?」

「緑色の木っぽいのがありましただ!」

「ああ、言った傍からか。…まあ迎えに行こうか。」

「「ハッ」」


やべえ。

もう終わったよ~。遅かったじゃーん?

とか言ったら怒られそうだな。


わざわざ来てくれたんだから彼らにも報いなければ。

今頃来たの?遅いじゃんみたいに言えば今度から来てくれないかもしれない。

難しいなあ。

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