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砂漠の恋 カフカへの思い  作者: 夏季右衛門
3/3

作品という神

もっとも深刻な脅威は、あなたが亡くなったときに、霊魂を消失させてしまうことです。

あなたは、文学において、怪談を得意とし、その華麗な様式美あふれる文体で、たくさんの人を魅了してきました。

その影響を受けた人々は、無神論から有神論へ転じ、霊魂と喜怒哀楽の感情の繋がりの深さを、あたかも自らが体験したごとくに信じられるようになりました。


なのに、なぜ。

いま、あなたは、絶望しているのでしょうか。

確実に死が間近にきていること、それが、よほど受け入れ難いことなのでしょうか。


そもそも、いま、あなたに語りかけているわたしの存在。

付喪神は、あなたが好んで書いた題材のはずです。

神籬ひもろぎ憑代よりしろ、それらは大切にされた生命のない無機物に霊が宿ることですが、霊や意識や魂そのものを憑代とすることだって可能なんですよ。

それは日本のシャーマンの歴史を調べてもらえば、きっと理解できます。


わたしは、あなたが、たとえ夢叶わず、道の途中で寿命を迎えるとしても、最後まであなたの生み出した作品に向き合って欲しいのです。


だって、わたしはあなたが生み出してくれた最初の作品なのですから。




付喪神すね。

文学作品には、作者の意識と魂が宿るそうです。

多くの人に愛される作品は、意識の集合体としてのカミが宿る可能性もあると思います。

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