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蜥蜴(トカゲ)
ニッポンのトカゲは、土や草に住む
サバクの蜥蜴は、毒のある昆虫を友人に持つ
トカゲの友人の蠍は、こう言う
「大変だなぁ、トカゲ君、キミィは!」
サバクに住むトカゲはサソリに尋ねる
「ナゼだい? サソリ君」
トカゲの友人の蠍は、言葉を続ける
「だって、キミは、ドクも持たずにこの砂漠で生きて行くのだからね」
トカゲはコトモナゲに答える
「タシカにそうだね、蠍君」
しかし、サバクのトカゲはワルビレずに、こんなことをいう
「ジツはねぇ、蠍君」
「ボクはねえ、タクサンのウソを、たとえばサソリ君のドクのように、ジブンを守る方法にしているんだ」
蠍はためらった
トカゲの言葉の意味を理解できなかったようだ
ふたりのカンケイを、まるで母親のように見つめる毒蜘蛛のがーるふれんどは、サバクのトカゲのその言葉こそ、たあいのナイウソだと気がついて、しゅるしゅるという音を立てて笑っていた