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タクシー

作者: 34

「そこのお兄さん、休んでいきませんか?」


終電に間に合わず、家に向かって国道沿いを歩いていると、女性に声をかけられた。


ああ、変なのに捕まってしまった。


そう思いながら声のした方を見ると、コインパーキングに停めたキャンピングカーの隣に、ホテルの制服のようなものを着た女性が立っていた。


「よければ、ご自宅まで乗っていきませんか?ゆっくり、おやすみになりながら」


家まで乗っていく?


タクシー...なのか?このキャンピングカーが?


「今なら初回ということでお代は頂きません いかがですか?」


タクシーが無料?そんなおいしい話があっていいのか?


「申し遅れました (わたくし)こういうものです」


そう言うとその女性は慣れた手つきで名刺を差し出した。


そこには有名なタクシー会社の名前が書かれていた。



モビリティリラクゼーション課。



「じゃあ...家まで、お願いします」


名刺一枚で信用しきったわけではなかったが、無料でタクシーに乗れるとなればありがたいし、何より早く横になりたかった。


「ありがとうございます!どうぞこちらへ」


キャンピングカーの中に案内された。テレビで見たことがあるものよりもずっと高級感があり、布団もふかふかで、まさにホテルのようだ。


「安眠効果のあるアロマも炊かせていただきます それでは、お疲れ様でした」


自宅の住所を伝えると、その女性は運転席に戻り、わずかにエンジンの振動が伝わってきた。


掛け布団を掛けると、すぐに眠気がやってきた。




──おやすみなさい。


…永遠に。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ジャンルがホラーということもあって、怪しい場所に連れて行かれるのかなと思っていたら、行き先はあの世だったんですね。有名会社の裏の顔を見た気になれました。
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