04 成り上がり悪魔と勇者
明けましておめでとうございます。
活動報告の際にも新年の挨拶をしましたが、新年初投稿ということで、この場でも挨拶させてもらいました。
謹賀新年、よいお年にになるといいですね。
結果的に仲間の盗賊から取り残されてしまったエンカ。
魔物召喚用の素材の調達に最初は不貞腐れた彼女だったが、砂漠の上を引きずられるとなると態度が豹変し、手伝うこととなった。
反撃されると困るので、縄で拘束されたまま移動している。
「おいおい、あんたダンジョンマスターだったのか。優男からマスターと呼ばれているから身分の高い奴だとは思っていたが、こっちサイドだった思わなかったさね」
エンカがなぜ魔物召喚用の素材を集めるのか聞いてきたので、隠すことなく話した。
何しろ、この異世界がどのようにして成り立っているのかも不明である。下手な言い訳を考えたところで、後々疑惑の種となる可能性が高い。
異世界から勇者適正がないからダンジョンマスターとして召喚されたと話したときには盛大に笑われた。マスターも話したときは同じように笑っていたが(笑うしかなかったと思う)ツボにはまったのか、余りにエンカが笑い続けるので「笑うなー!!!」とマスターが拳骨を落とした。対してエンカは大人の対応をし、「悪かった悪かった、もう笑わないさね」と言った。
『本当に笑わない?』
『笑わない、もう笑わないから許してくれ』
『……そう。だったらいいわ』
『……ぷー、アハハハハ! 駄目だ、やっぱりおかしくて笑っちまう。勇者として召喚される予定で、なんでダンジョンマスターなんだい? どこでどう間違えたらそうなるのさ?』
『あたしが知りたいわよ!!!』
そのような道中もあって、マスターとエンカの間は少しは仲良くなっていたはずだったが、
「こっちサイドってどういう意味よ」
「そのままの意味さね。みんなの嫌われ者。プラスとマイナスで言ったらマイナスの部類に入る類。まあ、私たちはお前たちよりもマシな類だね」
エンカの言葉にマスターは気を苛立たせ、心外だと言わんばかりに鋭く睨みつけた。
「はあ? 盗賊のほうが残念に決まっているでしょう」
うむ、盗賊から奪った干し肉を食べながら言うセリフではないな。俺もマスターと同じような経緯で干し肉を食べているので言えたことではないが、あえて言い訳させてもらうとしたら、お腹がすいたからだ。
趣味全快で走り抜け、飯を極限まで貧相なレベルでptを抑えた、先を考えない無謀無知なマスターにエンカはその知識を機嫌よさそうに披露し始める。
「判ってないねえ。いいかい、私たちは盗賊だけど人類の危機に陥ったら人類の為に貢献を行う。
でも、お前たちは貢献どころか厄災の種。最初は協力関係を築いても根本が違うから、最後にどちらかが裏切る。お前はどう見ても裏切られる人間だね。バカそうだし」
「いやいや、人類の危機に盗賊がどう貢献するのよ? 盗賊辞めるの?」
バカを否定しないのだな。いや、それ以上に疑問の解消が先なのだろう。異世界に召喚されてから知的好奇心の上昇が止まらないな、マスターは。
「判り切ったことを聞くねえ。答えは、勇者様を襲わない」
「勝てないからでしょ。実力的に月とスッポン――日本のことわざ言っても判らないわよね。異世界的に言うとゴブリンとドラゴンよ」
「ゴブリン? なんだそれ」
エンカの言葉にマスターは気の抜けたように「うん?」と声を漏らす。エンカもそのようなマスターの反応に「ん?」と不思議そうに見る。
「ゴブリンというのは緑色のした小さな人型の魔物だ。子鬼という言い方もする。魔物としては低級だが、数が多く群れで小さな村や集落を襲う傾向がある」
俺の説明にエンカは初めて聞いた素振りを見せる。
「お前たちの世界にはそんな魔物がいるのか?」
「実際に存在しているわけではない。物語に刺激を入れるために想像された一要素として考えてほし――
「違うわ!」
俺が言い終わる前にマスターは否定した。やけに強く言い放ったマスターの目はギラギラと鋭く、こちらを睨みつけてくる。
「ソーダの言っていることは表面上のものよ! そんな甘いものじゃないわ!
ゴブリンといえど、住む環境や大陸によって種が変わっていく。中には人語を話し人を共存したものもいたわ。しかし、彼らが悪意に疎いことをいいことに人間に利用され、奴隷として一生を費やすことになった」
言葉に熱が入るマスター。
「そんなファンタジーの暗黒部分を背負うのがゴブリンよ!」
「そんな殊勝な魔物なんていないだろう」
エンカは呆れた声で言う。
全くその通りだ。マスターは想像力が豊かでいらっしゃる。
「マスターが言っていることは強ち間違いではない。一般例みたいなものだ、この世界には似たような魔物はいないのか」
マスターが語るファンタジー世界の悲しい事情を他所に俺はエンカに尋ねる。
「少なくとも言葉を話す魔物はいないさね。モータルスやデビルアといった人型の魔物はいるが、お前たちから聞いたゴブリンとは特徴が違う。あと悪魔だ。あいつらは魔物ではないが、その姿から魔物と間違えやすいさね」
「どうやって魔物と悪魔を見分けるのだ?」
「それは簡単。魔物は言葉を話さないが、悪魔は言葉を話す。魔物には人間のような言葉を話す複雑な器官を持っていない。毒や炎を吐く器官として働いているからね。一方、悪魔は魔法に卓越した種族だ。自らの魔法の技術・効力によってその実力を他に誇示する習性を持っているさね」
滔々と流れるように、この世界の魔物と悪魔について話すエンカに俺は別の意味で感心していた。
もちろん彼女の話自体にも面白いが、それよりも盗賊である彼女が話せるということが重要だ。俺が思っているよりも、この異世界の人間は自分たちの世界について精通しているようだ。
「なになに、面白い話ね」
エンカの話に惹かれたのか、マスターは身を乗り出して尋ねる。その顔はクリスマスプレゼントを楽しみに寝屋につく幼子のようだ。
「じゃあ、魔王は? 勇者がいるんだから魔王も当然いるんでしょ」
「ああ。いるね」
エンカはマスターの言葉に頷く。
「魔王というのはその名の通り、魔の王さ。何をもってして魔の王なのか。様々な見分があるが、最も有力なのが魔法の王さね」
「魔法の王? なにそれ」
「私もよく判っているわけじゃないけど、魔法を最も卓越した者と考えていいさね」
「それで正しいのか? 勇者が倒すべき存在なのだから、人類を脅かすものだとばかりに考えていたのだが」
「そうそう。あたしも魔物の頂点にいるのが魔王だと思っていたんだけど」
俺たちの魔王のイメージにエンカは曖昧な顔をする。困っているとは少し違う顔だ。
「それも合っているさね。魔法の王は魔法を最も卓越したもの。当然、その二つ名を狙う悪魔も数多い」
「魔法の王様だからな」
俺の言葉にエンカは「ああ」と魔王について説明を続ける。
「誇示するにはこれ以上ない二つ名だ。悪魔は競ってこの二つ名を得ようとしている。
魔法の研鑽は代々受け継がれ、悪魔の中では一族の悲願となっている。
結果、限度を知らない悪魔は魔法の実験一つに国や大陸に多大な影響を及ぼすことになった。この砂漠もその実験によって出来たと聞いているさね」
「この砂漠がか」
渇き切った地面を踏みながら、その広大な景色に目を映す。熱気により歪んだ景色の先は、スキル『星夜目』を使っても代り映えのない砂模様が見えるのみで、終ぞ最果てを見ることができなかった。
「そうさね。今は砂漠だが、四年前まで水豊かな大樹林だった。その大樹林さえも悪魔の魔法の影響だと伝えられているのさ」
「……え、嘘でしょ。この砂漠が……?」
マスターは砂漠の広大さを手振り目ぶりで表現しながら困惑の言葉を出す。彼女自身、その言葉は無意識に出てしまったものだろう。
「考えられないか。だろうね、私もそうさ」
マスターの疑問と混乱にエンカは共感の意を示す。
「悪魔は人間でいう貴族と似た部分を持っている、階級制度とかさね。お前たちの世界にも身分の高い血族、一族とかいなかったかい?」
「昔ならば貴様の言うところの貴族も存在していたらしい」
「今もそう変わらないわよ。
家柄や血筋に関係なく実力で成果や高いポストを手に入れられるシステムにはなったけれど、それも表面上のもの。上に立つ人は実力の高い他人よりも兄弟や親戚を優先して高い地位を与えるわ。
まあ、情報の価値が向上して秘匿性が求められる世の中では、信頼のない人に高い地位を与えることはできないし、旧体制のほうが返って実りがあるしれないわね。
プライバシーの侵害だとか、インターネット弁慶とか、ジェネレーションギャップによるコミュニケーションの崩壊だとか。ただでさえ、人間何がなんだか判らなくなっているし」
つらつらと現代社会の不満を述べるマスター。アホと勢いの子だと思っていたエンカは難しいことを饒舌に話し始めたマスターに戸惑っている。こう見えてもマスターは頭がいい。ただ学校へ行かないだけでUUOの高難易度推理系やパズル系の問題をいくつも解き明かせた経歴を持っている。
キャラが残念なだけで頭はいいのだ。
「なるほど。マスターの世界は時代を逆行しているのか。これも文明世界の発展にぶつかる壁というものか。しかし、引きこもりのマスターがよくそんなことを知っているな」
「バカね。こんな世界だからこそ引きこもるようになったのよ。あんた、もしかしてあたしが生まれてから引きこもりだったと思っているの? ねえ、そう思ってたの?」
マスターが疑うようなジト目で俺を見つめる。俺はマスターの目から背けることはせず、堂々と嘲笑した。
「アーハッハッハッハッハ!
勇者として召喚される予定だったはずがダンジョンマスターとして召喚されたくせに、何を戯言を。マスターなぞどの時代に生まれても行き着く先は引きこもりだ。むしろ、その時代に生まれてよかったではないか。
引きこもるに正当な理由ができて心の中では安堵していたのだろう。やはりクズだな、このマスターは」
「はああああああーー!? 言わせておけばいい気になって。言っておくけど、ダンジョンマスターもレアキャラよ! ありきたりな勇者よりも需要が高いんだからね!」
「いや、勇者の方が需要が高いだろ。世界の救世主をなんだと思ってんだ」
「なにを!!」
エンカはマスターに聞こえないように言ったつもりだったが、マスターの耳にバッチリ入っていたようだ。要らぬ言葉を拾ってしまうのは人間の一つの性なのか、エンカの発言でマスターの怒りの矛先は俺からエンカに切り替わった。
「大体、この世界に勇者っているの!? あんたの話からして悪魔って名前で言うほど悪魔でもないんでしょう。せいぜい、行き過ぎた魔法使いってところでしょ。そんなの、あたしの世界にだって腐るほどいたわよ!」
それはオタクのことを言っているのだろうか。俺のマスターに対する偏見による勘違いかもしれないが、迂闊に発言しては矛がこちらに向くので黙って居よう。マスターの発言に「お前たちの世界もかなり危険なんだな…」と心配そうな顔でエンカは呟いているが、黙っておこう。
知ってもいいことはないからな。
「その行き過ぎが問題なのさね。突出した個の力はその者の判断によって委ねられる。善も悪もそのもの次第になる。
当然、本人自身もその危険性を理解していると思うけど、何せ先祖代々魔の王を狙う種族だ。己の魔法に高い誇りを持っているのさ」
「…なるほど。話が読めてきたぞ」
「なになに、どゆこと?」
悪魔について理解した俺にマスターが疑問の声を上げる。
「彼女の話から推測すると、悪魔という種族の行動原理が自らの誇りを数多へ掲げる行為による全能感だ。これは吟遊詩人が己のエッセイを自費出版をする表現欲と似て非なるもの。悪魔の根幹にあるのは高い誇りだ。その誇りは自らを律するものとして働く場合もあれば、己の傲慢さの原因にもなりえる。
要は、芸術家だ。彼らは自らの表現物を描き、それが多くの人に認められ高い価値をつけてもらえることに高揚感を覚えるだろう」
俺が芸術というものを知っているわけではないが、マスターには簡単の言い回しのほうが理解しやすいだろう。マスターだけでなく、異世界人であるエンカも頷いている。
「恐らくだが、勇者が召喚された理由は行き過ぎた表現をしてしまった魔王なのだろう。
では、どうしてその悪魔が魔王と呼ばれるのか。これは終わりから考えたほうがいいな。とある悪魔は先祖代々から悲願としている魔王の称号を己の代で掴むことに成功した。陰ながら研鑽したその魔法は他を圧倒する性能を有していた。
その悪魔は見事、魔王になったのだが、当然、嫉妬や恨みつぶしの気持ちを持つ悪魔もいただろう。『どうしてあいつ魔王なんだ?』とな。
しかし、現時点では魔王の魔法を超える技術力を持っていない。だから、魔法の練習をした。今までよりも過剰に」
饒舌に語られる話にマスターだけでなく、俺よりも事情を深く知っているはずのエンカさえもわくわくしながら聞いていた。今なら伝説を語る老人たち気持ちが判るような気がする。
無論、俺には仕掛ける伏線はないが、それでも面白いものだと感じている。
「その行き着く先は考えられる。
あちらこちらで魔法の実験が頻発して起きたのだろう。これまで仕方がないと悪魔に困っていた者たちにも看過できない事態にまでにだ。生活さえ成り立たない。自分の命さえいつ失ってもおかしくない。
困窮した人類は何らかの手段を使ってこの事態か脱出を図った。それが異世界から召喚された勇者による魔王討伐だった」
異世界の歴史を紐解いたところで、「はい!」と威勢の高い声でマスターが手を挙げた。
「なんだね、我がマスター殿」
「悪魔に困った人類が勇者を召喚するのは判ったわ。けど、その勇者はどうやって召喚されたの? 困窮する人類にできたと思わないのだけれど」
「私も疑問に思うことがあるさね。召喚された勇者が魔王を討伐するってのは、少し安直に過ぎる。過剰になったのは悪魔で、魔王は実質何もやっていないのと同じなのだしね。
魔王という称号を手に入れた悪魔が、他の悪魔に座を奪われそうになるかもしれないが、その可能性は魔王になる前から気づいてもおかしくはないしね。例え気が付かなくとも、十年二十年で逆転できるほど悪魔と魔王の差は近いとも思わないし。
文字通り、次元が違うから上位悪魔などの名称ではなく、魔王という異名で呼ばれていると思っていたからさね」
そこは異世界人であるエンカの方が詳しいのではないかと突っ込みたかったが、このまま進めよう。俺も間違っている可能性があるが、この空気は非常に居心地がいい。
うむ、この優越感。悪魔に共感できそうだ。
しかし、異世界のことを今さっきエンカから聞いた俺が詳しいことを語れるわけもなく、ここはやはり、銀河を巡るなか、様々な星々における出会いや歴史から学ぶ知識を武器に推理劇を披露するしかない。
半ば当たっていることが多いしな。
「勇者は増長する悪魔の抑止力として召喚されたのだ。
このままではこの星の生態系さえも破壊しかねない悪魔を、ひいてはその頂点に君臨する魔王を認めるわけにはいかないと考えてのことだろう」
俺の言葉がエンカの胸にスゥーと通ったらしく、
「なるほど、抑止力か。魔王が勇者に討伐された理由が、魔王という称号を手にしたことが発端だと聞けば、魔王の座の奪取を考えていた他の悪魔の興も削がれる。
自然と悪魔の魔法実験も減少するということさね」
「あれね、なんだか子供の躾に使う小話みたいね。
嘘ついたら閻魔様に舌を引っ張り出されるとか、カミナリ様におへそを取られるとか」
カミナリ様の下りは少し違うと思うのだが。俺はブラックサンタの方が判りやすいだろうと思うのだが、あれは人に勧めるような小話ではないのでここでは口に出さないでおこう。
そもそも、ブラックサンタは小話ではないしな。
「マスターの疑問に答えるのは難しいな。人類が勇者召喚に手伝ったのは、造物主である神様が不遇に思って行ったことかもしれんし、この星そのものが自らの危険を察知して勇者を召喚する魔法を行ったかもしれん。果ては、人類に組する悪魔たちの協力の成果かもしれん。
だが、一つだけ確かなことが言える。勇者召喚魔法は人間が行い、異世界の人間が召喚されなければならない。魔王を討伐した勇者を含む人類を勝者とすることで、これからの時代を繁栄させる口実を作ったのだ。
どうやらこの異世界は、人間に引率してもらったほうが都合がいいらしいな」
そう話を締めくくると、マスターとエンカは拍手で俺を歓待してくれた。マスターの手が重なる回数とエンカの両手が後ろで縄で縛られているため「パチパチ」と嬉しそうに口で言っていたため、かなり受けが良かったらしい。
「悪魔で推測だがな、当てにはするなよ。悪魔だけにな」
「調子に乗るな」
笑いながらマスターは俺を小突く。エンカも笑って俺たちのやりとりを見ていた。
和やかな雰囲気だ。しかし――
「ん? ちょっと待ちな」
不穏な声でエンカは言った。
「魔王が誕生する理由も、勇者が召喚されて討伐する理由も納得はできないが、理解ができるところもあるし、実際共感もできた。だったら、ダンジョンマスターはなんだい?」
「――――――(絶句)」
エンカの言葉にマスターはしばらく硬直したあと、しどろもどろになりながらなんとか答えようとし、
「あの、その、ええと。……うぅ」
上手くいかなかったのか、こちらに助けを求める眼差しを向けてきた。
本人のためにならないと考えた俺もいたが、あまりに鬱陶しいので俺が話すことにした。
「存在そのものが害悪だな。まさに白いシーツに染み付いた茶色いシミ。取れにくい分、ストレスが溜まっていく一方だ」
「あたしがあんたにストレス溜めてるわよ!」
先ほどまでの尊敬の目がどこかに飛び去ったのか、沸騰したヤカンのように怒る。それにエンカは「やっぱりか、アハハハ!」と爽快に笑ってくれる。
「どれ、この機会だ。日ごろの気持ちを込めて私に頭を下げてはどうだろうか。きっとマスターの淀んだ目や萎びた根性もこれで少しは晴れやかなものになるだろう」
「誰があんたに感謝するものですか!
…いや、さっきの推測は見事だったけれども。ホント、演劇でも見てるのかっていうぐらい面白かったかど、それとは話は別よ。こういうものは、お互い支えあいながら何気ないひと時に感謝の言葉を言うもので、片方が強要するものではないわ」
人という字の本当の意味を教えてやろうか。
とはいえ、自らの情熱論の照れながら説明するマスターの姿は面白かった。ロマンティックと思っているだろう発言に、こう見えても乙女なのだと思わせる。その方向性が残念だが、マスターらしいといえば、そうなのだろう。
もちろん、この話の流れに唐突で言うのではなかったらの話で――
「違う、求めてるのは謝罪だ。己の申し訳なさを少しは悔いてもいいと思うぞ」
マスターは一呼吸置き、
「死んでも悔いるか!!!」
少年の熱い情熱を感じさせる叫びは灼熱の砂丘に木霊した。
新年ですから面白い番組が色々放送されていますね。
私は長時間見るよりも、毎日コツコツと見て楽しむ人間です。
小説もコツコツ頑張る所存です。