03 砂漠の盗賊と妖精
メリークリスマス!
イベントごとが多い、この季節。色々重なり投稿が遅れました。
誠に申し訳ない。
爆風に巻き上げられたマスターと盗賊たち、計9名は生きていた。
その理由は、一面が砂である砂漠であること。そして、ソーダが『異次元浅瀬海』によって異次元から呼び寄せた砲弾がコケ脅し弾という派手さと爆風のみに特化した魔弾であること。
これによりソーダは誰一人傷つけることなく盗賊一味の戦闘力をゼロにし、捕縛することに成功したのだ!
異世界の初戦闘にしては、これ以上の戦果はないだろう。
「これ以上の非道がないわよ!!」
「ぐほっ! まさか、生きていたのか。マスター!!」
「死んでたまるものですか!!」
てっきり気絶しているものだと思われていたマスターが復活し、俺にアッパーカットを決めてきた。ニートのくせにそのアッパーカットのキレがいいこと。
おおかた、何かのアニメに触発されて学んだろうが。痛々しい姿が目に浮かぶ。
「あたしごと砲撃するなんて何を考えているのよ。殺す気!! 空中に吹き飛ばされたときなんか、生きた心地がしなかったわよ」
「それは盗賊のせいだろう」
「あんたもやったでしょうが!!」
マスターはキリキリ声を挙げながら俺を責め立てる。空の旅はご不満だったようだ。
「それにしても、盗賊よりも早く目覚めるとは思わなかったな。魔弾の衝撃で目覚めたのか?」
「違うわよ。あたしは初めから気絶なんかしていないわ。スキル『役者魂』で仮死状態を演じたのよ」
「『役者魂』? 聞いたことがないな」
名前からして演劇系スキルなのだろう。マスターがそのようなスキルと持っているとは驚いた。正直、似合わない。
「ええ。あたしもついさっきまで知らなかったわ。ソーダがスキル『星夜目』を使っているとき、あたしも自分がどんなスキルを持っているのかチェックしたの。一応、ダンジョンマスターだし、何か変わったスキルとかあるのかなと思って。
そのときに、この『役者魂』を見つけたのよ」
「UUOのものではなかったのか?」
俺の疑問にマスターは「違うわ」はっきりと答えた。腕を組むのは自信の表れだろうが、パジャマ姿では恰好が付かなかった。……女性なのだから、ポイントを使うとき服装にも気を使うべきだろうに。
やはり人としてどこか大切なところが抜けているのであろうマスターは、俺の思考に気づく様子もなく説明する。
「そもそも、あたしはソーダと違ってUUOの世界からじゃなく、現実から召喚されたの。ソーダがUUOでのスキルを使えるのは、元の世界でも使えたから。ここからは推測だけど、あたしが『役者魂』といった知らないスキルを身に付けているのは現実での経験や体験が影響していると思うわ」
「いや、それはない。貴様が演劇をするなど考えなれない。……ああ、道化のことか。教室にいないくせに話題の中心に入るなど、クラス一のイケメンか問題児しかできない荒業ではないか」
「あたしを問題児と言いたいのか! ……ちょっと不登校気味だっただけよ」
ちょっとの物差しが長いな。引きこもりと公言していたというのに。
……あ、公言していたのは俺か。
マスターは怒りの表情だ。少し冗談が過ぎてしまったかもしれない。
「落ち着け、マスター。俺は何もマスターのことを問題児とは言ってはいない」
「だったらイケメンじゃない! 性別が変わってるわよ!」
やれやれ、逆効果だった。
「あたしのことはいいの! 一々茶々を入れないでよね。こういうの慣れていないんだから。もうグロッキーで倒れそうな気分よ」
UUOのイベント発生時の爺さんの長話は大人しく聞いていたから、こういうのは慣れていると思っていたが、マスターの疲れた様子から現実とゲームではそれも違うのかもしれない。
さすがに倒れられては困るので、話題をマスターの演劇容疑に戻す。
「ならば、マスターは演劇をしていたとでも言うのか。言ってはなんだが、かなり似合わないぞ」
「するわけないじゃない。身に覚えがあるとすれば、学校をずる休みするときに仮病したことぐらいね。あと、修学旅行とか面倒で休んだこともあったし、インフルエンザの時期は貯めていたアニメやゲームの消化に利用していたわ」
「俺が思っていた三倍残念な答えだった。もう少し頑張っても良かったと思うぞ」
「学生の特権をフルに使っているだけよ。それとも、あたしが集団行動とかできると思ってるの?」
マスターは踏ん反りながら俺に反論する。なぜ、威張って言うのか判らないが、こういう欠点が振り切って長所となり、ダンジョンマスターとして召喚されたのだと思えば、不思議と彼女の行動にも納得してしまう。
「それよりも、あいつらどうするのよ」
マスターは捕縛した盗賊たちを指さしながら言う。気絶した彼らから拝借した縄で拘束しており、まだ目を覚ます気配がない。
「俺たちの現状を説明したのちに協力を仰ぐのだ。捕らえて利用しない手はない」
「異世界から召喚されましたって? 信じるとは思えないんだけど」
「信じる信じないは関係ないだろう。とりあえず、この世界のことを説明してもらえればそれでいいのだ。嘘を吐かれたらどうしようもないが、情報がないよりはマシだろう。それに、即興の嘘はすぐに荒が出る。そこを追求すれば真実を話してくれる」
俺の考えにマスターは感心したような声を挙げる。
「なるほど、なるほど。じゃあ、嘘がバレる前にとんでもない目に合ったら?」
「とんでもない目とは、何だ?」
マスターは爛々と目を輝かせながら話す。
「宝があると教えてもらった場所が盗賊のアジトで、罠が仕掛けらていたり。実はそこは入っちゃいけ居ない場所で、裏でつながっていた貴族によって捕縛されたり。
そういうデンジャラスでパラライズな展開になるんじゃない!?」
危険で麻痺している、貴様の現状ではないか。事故報告なら良かったが、そのような様子はカケラもない。イノシシのように鼻息荒く興奮している。
「なぜワクワクしているのか知らないが、そこまで危険を犯す必要はないだろう。この世界の常識を少し教えてくれればいいだろう」
俺の答えにマスターは判りやすくがっかりする。輝かせた目も今は沈んで口から不満の鳴き声が漏れている。
「えーえーえーえーえー」
「貴様は壊れたスピーカーか。何が言いたい」
「だって、つまらないもの。せっかく異世界に来たのに冒険したーい。捕まえた盗賊を賞金に替えたーい」
「ひどいな。発想がまるで山賊だ」
俺の呆れた声にマスターは「山賊じゃなくて賞金稼ぎでしょ!!」と憤慨する。いや、賞金稼ぎも人の生き方としてはどうなのだろう。コイツは、まだゲーム感覚で生きているのではないのだろうか。一度地獄を見せて、その腐った性根を叩きなおしたほうがいいのではにだろうか。
そもそも、盗賊をどこで換金するのだろうか。間違えてギルドでも行こうものなら、その場で討伐されるのがオチではないのだろうか。
いや、姫路ナキはベースは人間だし、バレないか?
……やれやれ、判らないことばかりだな。
「あれ? ねえ、ソーダ。ちょっとこっちに来て」
捕まえた盗賊の様子を見に行ったのか、それともどれぐらいで売れるのか推測していたのか。マスターが彼らの近くで手招きをしている。
「貴様は何をやっているのだ」
「いや、何か目ぼしいものを持っていないかなって」
「盗賊の持ち物を漁っていたというわけか」
さっきから金ばかりだな。ひょっとして、コイツは貧乏なのだろうか。ニートで貧乏では少し危険な設定の組み合わせではないだろうか。
「溜息付かないでよ。こういうチマチマした行為が後になって大きく帰ってくるんだから。RPGものの基本よ」
良かった、ただの貧乏性だったか。
「…人の家まで荒らすなよ」
安心した俺はの苦言を呈する言葉にマスターは焦り声を出す。
「やるわけないでしょ! 某RPGじゃないんだから」
「某RPGとは何のことを言っているのだ?」
「あー。いや、こっちの話。気にしないで」
「……?」
気の抜けた声で返答したマスターは、何かを見つけたのか「ちょっと見てよ」と俺を呼ぶ。
「見て見て。遠くで見たときは判らなかったけど、この子、女の子よ」
マスターが盗賊の一人のフードを取る。金色の長い髪が流れるようにふさっと日の元に顕わとなった。その顔はまだ幼く、中学生程度だと推測する。
「そういえば、盗賊たちの中でリーダーと思しき者の声がやけに高かったような気がする。恐らく、コイツの声だろう。仲間からはエンカと呼ばれていたぞ」
「なに、その古き良き日本伝統を連想させる名前は。ジョーク?」
マスターの疑いの目も判るが、そう聞こえたのだから仕方がない。
「もしかしたら、転生者の子孫かもしれないわね。武器も光線銃だったし、何か手がかりになるものはないかな?」
マスターはそう言ってエンカの持ち物に目ぼしいものがないか調べ始めた。しかし、目当てになりそうなものは中々見つからず、イラつき始めたのか次第に調べ方が荒くなっていった。
「ないなー、ないなー」
「…………ううん」
身体を動かされたからか、金髪の少女はうめき声をあげた。開いていく金色の目は
「………………」
「あ、起きた」
「き、き、き、き、き、き、き、き」
「き?」
「きゃあああああああああああああああああああああ!!!」
目が覚めたばかりのエンカは朧気な意識を次第に覚醒していった。縄で拘束された上、名前の知らない人物に自分の腹部や腰を触られている光景に目をパチパチと瞬きする。脳が現状を正しく理解した瞬間、リンゴのように赤い顔になった彼女は甲高い悲鳴を上げた。
すぐ近くで気を失っているその他盗賊も「何事!?」「襲撃ですかい!」と慌てた様子で目を覚ます。
だが、それよりも着目するべきなのは、我がマスターだった。
エンカが身の危険を感じ反射的に挙げた足は、マスターの腹部に膝をぶつける結果となった。エンカの持ち物を漁るのに夢中なマスターが避けれるはずもなく、その一撃は完璧に水月を捉えていた。
「ぬぐおっ!?」
仰け反るように飛んでいったマスターは、苦しみの余り砂地の上というのに、まるでまな板の上の鯉のようにもがいている。
あれは痛いだろう。
「はー、はー、はー、はー」
エンカは顔を真っ赤に蒸気させて荒い息遣いをする。恐怖が後からやってきたのか、涙目だ。
「なによ!」
醜態を見られて恥ずかしいのか、こちらを睨みつけてくる。まるで威嚇する狼のようで唸り声まで聞こえてきそうだ。
「ぐるるるるるるるるる……」
訂正、唸り声をあげていた。
「貴様はまるで野獣だな。砂漠の盗賊のリーダーの金髪少女、エンカよ」
「!? どうして私の名前を知っているんだ?」
「そいつらがお前のことをエンカと呼んでいたのを聞こえてきたのだ。それにしても、こんな少女を盗賊のリーダーなど考えられんな」
俺の言葉に盗賊たちが侮辱されていると感じたのか、怒鳴り声をぶつけてきた。
「おいおい、うちのリーダーをバカにするなよ! ボケ!」
「エンカはこれでもやるときはやるんだぜ! 青臭いガキンチョが!」
「生意気言っていないでとっととこの縄を解きやがれ! そしたら身ぐるみ剥ぐだかで済ませてやるよ。判ったか、クソガキ!」
無言のまま『異次元浅瀬海』を展開し砲撃する。
ガコン、という重低音を響かせ、オレンジ色のド派手な衝撃とプラズマティックな水色と黄色の硝煙が吐き出される。
「ああ、すまない。聞くに堪えない雑音のせいで、貴様たちが何を言っているのか全く理解できなかった。この若輩な身である、言うところのガキである俺にもう一度説明願ってくれるか?」
俺はそう言って砲撃を盗賊たちへ照準を正す。うむ、この魔弾と威力なら盗賊たちを一蹴した際にこちらが吹き飛ぶことはないだろう。
「お前、かなり悪い顔しているぞ。盗賊の頭領である私も思わず引いてしまう」
「ハハハハハ。これでもかなり修羅場という名の地獄旅行を堪能してきたからな。悪い顔の一つや二つ自然と出来るようになっていたわ」
ギリギリで勝負するのが性分なのか、マスターは適正レベルギリギリのクエストを日常的に受注していた。そのせいでどれだけ辛酸を舐めてきたことだろうか。
思い出すだけで殺意が湧いてくる。
「すわっ!」
うずくまっていたマスターが素っ頓狂な顔で立ち上がる。目を鋭くさせ辺りを警戒している。
「どうした、マスターよ。巨大怪獣との戦闘態勢に入る宇宙ヒーローのような構えをして」
「いや…。何か背中に冷たいものが走ったような気がして……」
マスターは警戒状態を保ったまま傍まで近づく。その振る舞いに盗賊たちはおかしなものを見るように見る。何をしているのだろう、という心情が伝わっている。
「私はこんな奴らに捕まったのか……」
盗賊のリーダーであるエンカはマスターがおかしな部類に入る人間であることを一瞬で把握し、そのおかしな人間に捕まえられたことを嘆いていた。吐くため息もかなり深い。
しかし、ここで待ったをかけた。
「聞き捨てならないわね! 社会のニーズから外されて盗賊に走った人生の敗北者如きが人を言動で考えないで欲しいわ。あんたらなんて冒険者の金づるでしかないくせに」
「言動以外でどう判断するのだ」
思わず漏れた突っ込みだったが、有頂天に浸っているマスターには届いた様子はない。
支離滅裂な罵倒だが、盗賊たちには「ううっ」と苦悶の声が漏れる。彼らの心に鋭く刺さったようだ。自分が引きこもりの癖に、よくもそんな達者なセリフが吐けたものだ。言葉のブーメランだということが分かっているのだろうか。
「本来なら首ちょんぱなところを無傷で捕らえたんだから、ありがたく思いなさい。敬いなさい、崇めなさい、称えなさい、信仰しなさい!」
己はどこの宗教だ。
「うるさい! 一々変なポーズをするな」
マスターの罵倒に唯一心に響かなかったであろうエンカは怒りの余りに牙を出していた。さすがに相手が不憫だと思った俺は、拘束されていることをいいことに好き放題言うマスターの頭を拳で打つ。
「痛い、何するのよ!」
「何するのよじゃないだろう。貴様こそ何をやっているのだ」
「勝者の特権を使っているだけよ。これぐらい許されても罰は当たらないわよ」
胸を張って答えるマスター。終いには「むしろ、まだ生ぬるいほうよ」と言う始末だ。
「貴様の手柄のように言っているが、盗賊を無傷で捕らえたのは俺の功績だ。マスターは気絶していただけだろう」
「気絶じゃないですー。仮死していたんですー」
「どちらも大して役に立っていないではないか」
マスターが言葉の穴を探そうと思考している間に、俺は畳みかけるように言う。
「盗賊の扱いは俺に任せてもらおう。マスターは俺が呼びかけるまで大人しくしていろ」
俺は一方的に言い、足早に盗賊たちへ命令する。
「聞いた通りだ! 貴様たちはすぐに貴重な素材を集めてこい」
「おいおいソーダの兄貴! 勢いだけで言われてもなんのことやら判りやせんぜ!」
「ラータル!?」
エンカが驚きの顔で盗賊の一人を見つめる。あのアゴが割れている男がラータルか。
「そうだぜ、兄貴! 砂漠のカリュソン(水面を弾いて飛ぶ石蹴りのように海原をかけるサメ型の魔物。そのヒレは珍味であるが万人に好まれる味ではない)と言われている俺たちでも正体不明のものを探し当てるなんて無理な話だぜ!」
「同感だぜ! まあ、もうちょこっとヒントでもあれば話は別なんだがなあ~(チラチラ)」
「デデム、ドリアン!?」
俺の命令に盗賊たちが乗り気で従おうとする光景にエンカが驚きを隠せないでいる。思わず空いてしまった口を閉じて、仲間へ怒号する。
「おい、お前たち! あいつの命令に従うきかい!!」
鬼のような表情でエンカは盗賊たちに訴える。しかし、その反応は予想外のものだった。
「いや~(ハハハハハと困り顔で互いを見る)。しかしですね、エンカ様。私たちは盗賊として襲撃し見事返り討ちにあったのです(指をパチッと鳴らす)。殺されなかっただけでも儲けものですし? ここは彼らの願いを叶えてもいいんじゃありませんか?」
「全くです。さすがドリアン様、言うことが違います」
「誠にそうですな。盗賊とは思えない紳士ぶりです」
「……どうした? メンチョ、チタ、モーキ。今までそんな喋り方をしていなかっただろう?」
エンカは狼狽した様子で仲間たちへ尋ねる。その顔は心配と恐怖を混ぜ込んだような顔だった。
「Msエンカ。何を言っているのでしょうか。私たちは最初からこんな感じでしたよ」
「ええ、その通り。ソーダ、と言いましたかな。具体的に何を探せばよろしいのですかな?」
「マンドラゴラや竜骨。なければ魔物の角や皮などを希望する。黒魔術師が欲しそうなものをイメージしてくれれば構わない」
「お安い御用ですよ、Mrソーダ。とびっきりのものをお持ちしましょう」
やけに紳士振る盗賊たち。リーダーである少女は仲間たちの異様な変貌に顔を青くさせており、身まで震わせている。
「ねえ。どうしたの、こいつら? やけにフレキシブルで協力的なんだけど」
マスターが俺の肘を掴みながら聞いてくる。その顔は本当に判らないといった顔だ。理由を知っている身としては頭が痛くなるばかりである。
UUOのときにプレイヤーたちの話しが気になり培ってきた聞き耳の高さのおかげで、俺は盗賊たちがこそこそ声で相談している内容を聞いていた。
なんでも、マスターのことを妖精の類ではないかと考えているようだ。事情を知っている俺から見ても、黄色い砂漠にピンク色の水玉模様が描かれたパジャマの黒髪黒目の少女という、一種の幻覚を疑ってしまう異様な組み合わせである。その年にしては珍しい屈託のない表情も異世界の盗賊たちの妄想を加速させているのだろう。
あと、リーダーを除く彼ら全員が男ということも割と大きな要因だと思う。恥ずかしそうにチラ見している男もいる。
「マスターからもお願いを」
「え、うん。判ったわ」
マスターは盗賊たち(男)のほうへ向き、
「えーと…。どうしよう、人前だと緊張するな…。コホン、盗賊の皆様。この度は残念な結果になりましたが、大丈夫です。命までは取りません。…ただ、ソーダが言った通り、あたし的には召喚魔法に使う素材が探してほしい―――――なんて、駄目でしょうか?」
頬を掻き、もじもじと照れながらお願いする。
ここで対人耐性のないマスターの欠点が彼ら盗賊たちの少年心をくすぐった。彼らの目から入る光景は、恥ずかしながらも人とは話すことに慣れていない妖精が奮闘して頼み事をする姿であり、彼らの純情を動かすのは容易いものだった。
「「「「喜んでーー!!!!」」」」
自らの欲望のままに行動する。その盗賊らしさの一面を見る彼らの後ろ姿を見送った俺たちもまた、魔物召喚用の素材を探しに、魂が抜けてしまったかのように茫然としているエンカを引きずりながら歩き出した。
クリスマスなので、それ系の話を書いてみたいものです。
ジングル・ベルでも聞きながらネタを構想してみると面白いの浮かぶかもなー。