※8 天丼すれすれ
※虫食表現・有
ギルドであんなことになったので、もしかしたら何かあるかもしれないと思ったが何事もなく朝を迎えた。
一晩中ショーコに筆をしゃぶられっぱなしだったのでこの部屋からざっと見まわしただけだが、近くから宿を監視するような輩もいなかったようである。
ビフトア人の魔力感知能力をもってすれば宿の壁などあってないような物だろうと思ったが、考えてみるとこの宿を構成する木材には魔力が通っている。これでは魔力感知に優れるビフトア人でも中を観察するのは難しいかもしれない。逆をいうと普通の宿ではプライベートなんてクソ食らえになっている可能性もあるので、後で確認しておこうと思う。
早朝を知らせる三の刻の鐘で起きたタマは外套を纏い鎧を隠すと、昨晩説明があったとおりに食堂へ向かい、朝食を摂った。
朝食は昨日の晩ご飯より美味しかったらしい。
まあ出てきた朝食が熱した香油と塩のドレッシングサラダや燻製肉のローストと雑穀雑煮だから、昨晩は単純にこの世界、この地域で好まれる味付けがタマの舌にあわなかっただけだろう。
正直俺も昨日の高級料理は反応に困る。
だっておかゆ状の麦ご飯がバニラビーンズ臭いのだ。
しかも一緒に出てきたのが強い柑橘系の匂いがする大きな焼き芋虫ときている。
タマは一緒だと案外いけるとか言っていたが、慣れるまでちょっと時間がかかりそうなメニューである。
初の異世界高級料理を楽しみにしていたところに芋虫が来て、それでも顔に出さず完食したタマさんパねえっす。
俺も異国情緒溢れる雰囲気は好きなんだけどね。
きっと、大昔の冒険家とかが日本に来たときも似たような印象だったんだろう。
この娘は道中も喜々としながら焼いただけの肉やそれっぽい木の実を食べていた。元々下手に凝った物よりもシンプルな物の方が好きなのだ。
なんでも小学生時代の夏休みは祖父が山で狩ってきた獲物を焼いて食べていたのだという。
ドラゴンステーキに飽きてきたからと巨大な鳥を捕まえ、魔法で血抜きと腑分けして平然と捌いて焼き始めたときは驚いたものだ。ぼんじりが最高だったらしい。
今度からはタマの分は高級料理を頼まなければいいだけだとわかっただけ儲けものなのかもしれない。
そんな彼女はやはり、この世界の甘味の種類が蜂蜜と一部の糖類に果物くらいと、非常に少ないのことを知ったときは随分としょげ返っていた。
一次・二次産業の発達度合いは如何にもなファンタジーらしく、先日のデシャンの話しによればこの世界、少なくとも帝国圏内では塩や一部の香辛料はそこそこ流通があるが、砂糖は庶民には手の届かない様な超が付く高級品とのこと。
蜂蜜に代表される虫蜜類と呼ばれる物は比較的入手しやすいようだが、これも元世界で考えたら驚くほど値が張る。
特に純正蜂蜜は地域によっては砂糖並みに高いらしいのだが、タマが一時期主食としていたドングリはそれらすら凌ぐ王族御用達スイーツだったというのだから驚きだ。
もちろんショーコに聞いてから『時空・異空間収納』内に大量確保済みである。
彼女としてはドングリよりもワンランク価値が下がる蜂蜜の味の方が好きらしいので、どちらかというと資金源になるのではないかという思惑での保存であったが。
そんな風に、ドングリよりは安いが充分以上に高級品である果物の純正蜂蜜漬けを、食後のお茶と一緒にタマとラハッカが楽しむ。
宿の女将の自作だというそのサクランボに似た果物の蜂蜜漬けは、果肉が桃に近い風味で、タマは種までいけると嬉しそうにポリポリしていた。
厚めの殻みたいなところが少々固いが、種の芯は柔らかく、殻からは強いアーモンドの風味が楽しめるのだそうだ。柔らかいところまで囓ると強烈な酒精が香るらしく、蜂蜜漬けにする前にお酒に漬けているのかも知れないとのこと。
思わず絵に描いて俺も楽しんでしまった。
これは酷い。この世界の甘味は種類が少ないのかもしれないが、味のレベル自体は現代日本クラスかそれ以上だわ。素材に近いのでコレなのだから、現代の菓子職人が来たら食で革命出来るかもしれん。
タマの胃の中まで届いて保護している死霊兵鎧が微量の毒物反応を示しているようだが、内容はやはり度数が高いアルコールに関してのようだ。とはいえ問題なく中和できているみたいなので大丈夫だろう。
んー、でも種がナッツ系か。カロリーも凄いことになりそうな予感。加えてこれだけ酒精が強いとなると、女将には他意はないのだろうが本来は朝っぱらから大量に食べるようなものではないのかもしれない。いいとこ一粒二粒が精々といったところだろうか。
フードをおろして差し込む朝日に照らされたタマが、にこにこと非常に嬉しそうに蜂蜜漬けを堪能している。
無表情ながら人工物めいた美貌を持つラハッカからも喜色がはっきりと見て取れ、すぐ側のショーコもキラキラとした目(金色複眼)でラハッカが食べる蜂蜜漬けの魔力を味わっている。
太ることも酔うこともない彼女達だからこそのペースで、消費されていく甘味。
お茶も相当いいものであろうことは、金額的に想像に難くない。
[墨塗り]のラハッカが仕事で得る金品のほとんどが食費で消えると聞いていたが、どうやら本当だったらしい。昨晩の高級料理頼んだのもラハッカだった。
タマも加わってペース増である。
俺が止めるべきなのだろうが、まあ街に入って最初の朝だし、現金もあるので今日くらいはいいだろう。
そしてそんな彼女達が気になるのか、食堂内にいた者達がチラチラと二人を盗み見ていた。
元々目立つ二人である。
目で見なくても魔毛角によって魔力関連を感知してしまうビフトア人にとって、そこいらの兵士を軽く凌駕する魔力を持っている存在が近くにいれば気にならないわけがない。
ましてやそれが彼らから見て一〇やそこらの少女と、一〇代後半の眼帯をした褐色肌ノーレフ人で、どちらも見目が整っているとくれば当然である。
まあこの宿に泊まっている人達というのは血筋も良いのか、そこいらの兵士よりも魔力がある人も結構いるようですけど。
しかもこの帝国圏の人間というのは、上流階級も戦闘訓練を積んでいるのが当たり前だそうだ。むしろ上流階級こそ強者を尊ぶ。強き気高き血を残し、一人でも多くの次代を強くしていくことこそが、神子という兵器を持つ聖神教圏と一〇〇〇年以上戦い続けられた理由だからである。
だからこそ気付く。驚愕する。
二人がここの女将の蜂蜜漬けを、苦もなく丸ごと食べていることこそに注目する。
これは特にノーレフ人に顕著なことなのだが、この世界の人間は無意識に魔法で肉体機能の強化を行っている。
その結果、力の最大出力の割に線が細い人間が多い。
だからノーレフ人の貴種であるエルフ耳達は、その実力に反して細い者が多かったのだ。
そしてだからこそ顔立ちも柔らかい物を食べ続けた現代人に近いものとなったのだろう。
絶対ではないが、魔力が強い、もしくは肉体強化の出力が高い実力者ほど逆に体の線が細いことが多いのは、ごく一般的な認識となっているのだ。
タマが美味しい美味しいと食べている実の名前は、小石梅。
漬け込んでも種まで柔らかくなる物ではないとされ、旨いが相当な強者でもなければ逆に肉体強度が足りず歯が欠けるらしい。
多少安くて似た物に割れ小梅という物があり、こちらは容易く種まで囓れる品種だという。
割れ小梅の蜜漬けは比較的安めの虫蜜漬けにされて売られているが、高い分だけ小石梅の方が味がいいため、より高い蜂蜜漬けにするのに通な者は小石梅を使ったりする。
ここの女将のように。
それを知っている者達は魔毛角をひくつかせ、二人の魔力を何度も確認する。
魔力自体は多い方だが小石梅の種をああも平然と割れるほどではないと知ると、恐るべき肉体強化の練度でしかありえないと想像したようで、唖然としながら同じ席の者に話をふる姿が生まれた。
というか青色級の魔力でも足りないレベルとか、小石梅の種ってどんだけよ。
だがさすがにここにいるような人間はラハッカがあの[墨塗り]だと知っている者が多かったようで、ならばこの程度雑作もないだろうという結論に達するも、同席しているタマがわからないとなる。[墨塗り]とああも自然に同席できる人間など存在するのかという議論すら巻き起こる。終いには[墨塗り]ではない、偽物じゃないかという話まで飛び出す始末だ。
どうやらラハッカがぼっちなのは有名だったらしい。一世紀半ばっちだったからね。仕方がないね。
もちろんそんなヒソヒソに気付かないなんてことはなく。
想定していたのでいつものように俺が情報を収集し、ログを埋めていく。
(こういう反応になるのか)
(あー、一応ラハッカが本物説が有力になってきてますね。
というか昨日のギルドでの一件は、まだ耳に入っていないということですか。いやそれ以前にラハッカがこの街に来たのは事情通なら知っていると思ったんですが、そうでもないんですね)
(森がごたついておる今の時点でこの宿に居るようなのは、純粋な商人でも騎士でもない人間じゃからの。
商人であればギルドかその付近に部屋を取るし、戦闘職であれば領主の城やその近く、もしくは森方面の砦におるじゃろ。
森から離れた北西側にある宿じゃから、そのどちらかに通じている者にとっては不便じゃ。
ここにおるのはそういった者達と関係がないか、その付き添いできたのがほとんどなのじゃ)
(なるほど、非営利で非戦闘員なのか。道理で女子供が多い)
子供といっても彼らにとって十歳程度に見えるらしいタマと同じかそれ以上の体格の人達ばかりだけどね。
もしかしてみんなこれタマより年下なんじゃないだろうか。
少年達の視線がラハッカじゃなくてタマにいくのは嫉妬すべきなのだろうか。
ちなみに無反応のラハッカ、甘味に夢中につきログは流し読み。永年ぼっち判定はガン無視の模様。
(ま、非営利などとは到底言えない腹黒も多いみたいじゃがの。じゃが話して問題のないこと、話したいことに関して舌先に羽が生えとるのは確かなのじゃ)
高級宿なのだから、個室でも食事は出来る。
それでも態々食堂に来ている宿泊客というのは、同じ宿を利用する同じような階級の人間達と交流し情報交換することが目的なのだそうだ。公式外の社交の場ということらしい。
同時にこういった場所でのやり取りなので厳格化もされていない。多少の聞き耳も交流の内である。あえて確度が低いことを前提とした噂を流すことこそが目的の人間も多いのだという。
そして今の俺たちの目的はこういった噂好きの人達にとある噂を広めてもらうこと。
そのための下準備である。
ある程度は昨日のギルドでも達成できていたが、ショーコからある人物が会いに来るという話を聞き、ちょうど良いからここで待つことにしたのだ。
上手くいけば目的達成が一気に早くなるだろう。
なのでそれまではついでのつもりだったのだが、なかなかどうして面白い結果になりそうである。
(まさか朝食一つでここまで飛躍するだなんて。
いいところ田舎者と指さされるぐらいだと思ってましたよ)
(昨日のギルドと同じ結果になろうとはな)
(いえ、お貴族様でも冒険者でもなく大国のお姫様ですから、グレードアップしてますよ?)
タマの存在を訝しんでいた何人かが白い外套に目を付け、もしかしてあれは竜種の革ではないかと口にしたのが始まりかもしれない。
いくつかの特徴を数人が上げ始めたのだ。
ちらちらと見える外套の中が上等そうな軽鎧で露出部が無く、甘味のおかわりに女将を呼ぶときも視線で招いた後に小声で耳打ちし、他の者に聞かれないようにしていた。年の割に強い魔力質と多い魔力量、そして高い肉体強化の練度を持っている。
この時点でどこぞかの有名冒険者か有力貴族の子ではないか、となってきて。
しかし食事の方法が特殊で、懐から取りだした棒二本で器用に蜂蜜漬けを一つずつ摘んでいく。魔毛角も髪もぼさぼさだが、肌のキメの細かさは誤魔化しようが無く、さらにこの世界の人間からすると全体的に小作りで凹凸の少ない顔立ちはエキゾチックに見えるらしい。
少なくともあの器用で奇妙な食事方法は帝国圏では聞いたことのないものであり、食文化が全く違う遠方から来たのではないかとなる。
そこに魔石級の[墨塗り]ショーコ・ラハッカだ。
ソロ活動しかせず、いつも黙々と狩猟を続けるだけのアンタッチャブルな存在。
彼女に依頼を出して行動を拘束出来るのは極々限られた人間だけと言われており、そんな彼女が少女のすぐ側で待機している。
まさか魔石級の中でも特に攻撃的で自由奔放であると有名な彼女が護衛依頼を? もし本当に護衛依頼を受けたのだとしたら、あの少女は一体どれほどの重要人物だというのか。
どこぞか帝国も無視できないような大国から来た、王族のお客人?
まさか帝国がそのような対応をするところだなんて、極北のニースルートー? ですがあそこは色白と聞きますし、最南のザサ国まで貴人が来ることなど……。
あの身だしなみでは、冒険者ということはあっても、貴人であるはずが……。
よく見てみろ。あの外套、もしや竜ではなく龍の皮膜ではないか?
白い龍の皮膜など、数百年前に北方で討伐されたという――
あの髪や魔毛角は偽装では――
もしかして、本当に異国のお姫様?
となったわけだ。
(先日は箸を使うような料理ではなかったから使わなかったが、やはり箸文化自体全くないんだな)
(おかゆとかはさすがに箸じゃ無理ですからね。
とはいえ今日も雑煮でしたけど)
(日本人ならサラダはフォークではなく箸だからな)
(絶対に葉の物は木の箸のがいいですよねえ。
それにしてもお姫様ですか。
いいですねえ、前に作ったドレスのデザインを再考しておきますね)
(あのゴシック案は遠慮しておくよ)
(いやいや絶対似合いますからやりましょう。
素材はシルクを探しましょうか。ここならあるかもしれません。生物由来なら死霊術の判定に入るはずです。
余ってた龍羽毛とシルクでゴシックドレスですよ)
(え、本気で作るのかい?)
(もちろんですとも)
(わしらにも作ってくれんかのう?)
(ん。ん)
(ラハッカの服は、如何に肌にダメージを与えないかが重要になりますからね。
肌に引っかかるようだと黒水が服食べちゃいますし。
となるとやはり、ラハッカもシルク生地で、一枚もののマーメイドタイプとか……)
予定外だったが、彼らの勘違いの内容は悪くない。むしろ目的としては最高に良いだろう。
ここにいるような金持ち連中がタマのことをこういった風に勘違いしてくれるのはありがたい。何かあった際に、ありもしない背景を想像して手を出しあぐねてくれるのなら、万々歳だ。
あとはそれを現実にするだけである。
中には昨晩奴隷商の娘であるデシャンと共にいたところを見ていた者もいたようで、ここの領主にも顔が利くベシャジュユの娘で後継者候補である彼女が関わっているとなると、諸々興味はあるが下手は打ちたくないと冗談めかす声もあった。
だがそうなると、もちろん逆により強い興味を持つ者も出てくる。
昨日のギルドと同じだ。
同じだが、同じではない。
少し離れた席にいた青年達の内、三人が立ち上がりタマの席に近づいてきた。
それをタマは蜂蜜漬けを囓りながらもちらりと視線を向ける。
「おはようございます。美しいお嬢様方」
見た目の絵図的には虎ワイルド、黒猫キュート、雪豹クールといったところか。
タイプ別の美形揃いな三人の内の一人、雪豹がさわやかに声をかけてきた。
クールと言っても冷たいではなく知的な雰囲気というやつだ。
だがもちろんのこと、ラハッカは微塵も興味を示さず、タマはそれに応える言語を持ち合わせていない。ただ声をかけてきた男を見て愛想笑いの表情を浮かべるだけだ。
男達は軍の関係者のようだが、平の軍人というわけではなさそうだった。
軍団章と家紋らしき刺繍入りケープを、それぞれ貴族騎士服の上から羽織っている。つまり騎士階級だということだ。しかも家紋持ちの貴族騎士である。
腰に帯びた剣も各々が扱いやすい獲物なのか、形状がまちまちだ。
通常、スメ・シュガ市内の正規騎士は幾つかある軍施設で寝泊まりしているらしいので、朝からこんな場所に居るところからしてなんらかの特権階級なのだと推測できた。
無言でいたタマに、曖昧な笑みを深めて男が続ける。
「失礼、私は帝国第三騎士団のズワンクル・ユキピウテスという者です。
美しいお嬢様がお二人もいらしたので声をかけさせていただいたのですが、よければ席をご一緒させていただいても?」
ザサ国じゃなくて帝国の騎士かよ。
まだこの世界の慣習は知らない事ばかりだが、純粋にセリフの内容だけを考えればナンパにしか聞こえない。それぐらいテンプレートな切り出し方だ。
タマ狙いだったらこの世界のイケメンマジロリコンばかり。でもこのユキピウテスとかっての、タマしか見てないんだよね。すぐ隣に美人度ならタマ以上のラハッカがいるというのに。
それにナンパのセリフも決まり切り過ぎてて、どこの女性向け中世世界観ゲームだよって感じだ。
ちょっとそこのティーカップ持って笑んでみてくれ。
あ、そうそこクロネコ、窓から差す朝日を左肩に背負う感じ。
いいねぇ。
リアルケモミミでもイケメンは絵になるねぇ。
目の前に銀の多段ケーキスタンドとスイーツさん描き足しておきますね。
へへ、得意なんすよこういうの。
姉ちゃんに小物足りないもっと描けってどつかれてたから。
「やっぱりここの紅茶は美味しいねー。僕も好きなんだー。
あ、僕はメルフル・ワークワークね。ワークでいいよよろしくー」
「俺はグオン・ゴンタンヤンシュ。ゴンタでいいぜ。
蜂蜜漬けが好きなのか? おい、そこの、蜂蜜漬けを追加だ。俺には葡萄酒を持ってきてくれ」
ワクワクさんとゴンタ君かよ。似てねぇ。狙いすぎでしょう。
てかユキヒョウが許可とってる横でクロネコとトラが勝手に座るんだ。
ナンパは押しの強さだとなんかで読んだけど、やっぱただしイケメンに限るだな。
イモメンにこんなことやられたら俺完全にブッチしてる自信あるもん。
あ、いやそっちの気があるとかじゃなくて絵にならんからだもん。ホントだもん。
そしてユキピウテスと名乗ったユキヒョウは二人に苦笑しているが、
(いつもの手口なのバレバレですから。
次のセリフもすみません二人が勝手に……でしょう?)
「すみません。二人が勝手に」
ほらね。
タマが吹き出す。ワクワクゴンタの時点で我慢してたからなぁ。
笑いをとったことで了承を得られたと考えたのか、ユキヒョウも席に着く。
(結局許可無くすわるんかい)
そう、俺がログを流したときだった。
「敵」
そのときにはすでに、ラハッカの刀がクロネコの首を刎ねていた。




