第8話_1尾目_ネットオークションに手を出してみる1
アルビノアマガエルの繁殖は楽しいです。
~ネットオークションに手を出してみる1~
五月に入って四週間。今日の塾講師のアルバイトも何とか無事に終了。
軽い疲労感を心地よく感じながら部屋の鍵を開けて、リビングのドアを開ける。
「桜島さん、ただいま」
「鼎、鼎、鼎っ! ちょっと聞いてよ!」
僕がリビングに入るなり、桜島さんが興奮したような声で話しかけてきた。その手には、桜島さんのスマートフォンが握られている。
「桜島さん、どうしたんですか?」
「見て見て、オークションにアルビノアマガエルのオスが出品されたの!」
「本当ですか!? 値段はいくらです?」
四月にアルビノアマガエルのオスを繁殖させるためにオークションで探すと決めてから、桜島さんが小まめに情報収集をしていたのを僕も知っている。アルビノアマガエルはなかなか出品されなかったけれど、温かくなって冬眠から醒めた個体が、やっと出回って来たのだろう。
にこにこっと桜島さんの表情が緩んだ。
「現時点では一〇五〇〇円。過去の相場的には、妥当なラインだと思うの」
「状態は良さそうですか?」
「写真を見た感じでは、痩せてもいないし、水ぶくれもしていない。状態は悪くないと思う。でね、でね、注目ポイントがココなんだけれど――」
嬉しそうな顔で、桜島さんが商品説明文を指さす。
「この子、元気に鳴いているみたいなんだ♪ 鳴くってことは男の子ってことだよね?」
「そうですね、アマガエルで鳴く個体はオスになります」
「鼎、私はオークションのID持っていないから、鼎のIDで入札してもらって良い?」
「もちろんです。でも、少し待って下さいね。まだ出品終了まで日数があるみたいですので――とりあえず、うがい手洗いしてきます」
◇
「ねぇねぇ、改めて感じたのだけれど――インターネットで生き物を買うメリットって何かな?」
晩ご飯を食べ終えた後、一緒にテレビを見ながら桜島さんが聞いてきた。
僕はインターネット通販やオークションで何度も買い物をしたことがあるけれど、桜島さんはインターネットで買い物をしたことが無いと言っていた。今回も、オークションのIDを持つ僕が代わりに買うことにしてあるし。
「そうですね、逆に聞きますけれど、桜島さんはどう思います?」
僕の言葉に、桜島さんが考えるような仕草をする。
「そうね……インターネットは実店舗よりも生体や器具が安く買えるイメージがある。あとは、店舗では取り扱っていないようなマニアックな種類の生き物が買えるとか。今回のアルビノアマガエルのように」
「そうですね。僕も一番大きなメリットは『珍しい種類や個体が手に入る』ことだと思います。たくさんのお店やブリーダーが、インターネット上に出店していますので。あとは、遠くのお店まで行かなくても買い物が出来るというのが一つの大きなメリットだと思います。桜島さんも知っている通り、僕の実家は奄美大島なんですが――離島や田舎に住んでいると、ペットショップに行くまでの時間や交通費が結構大きな負担になることがありますから」
納得したような表情で桜島さんが頷く。
「確かに。そういう意味だと、家にいながらにして沢山のペットショップをめぐることが出来るのは、インターネット通販のメリットだわ」
「でも――桜島さんは、今までインターネット通販やオークションを使って買い物をしたことが無かったですよね? それはどうしてですか?」
僕の言葉に、桜島さんが、はにかむように笑う。
そして両手の人差し指をごにょごにょと交差させて動かした。
「ぁはっ、何と言うのか――怖い、からかな。商品の状態が目で見て確認出来る訳じゃないし、ちゃんと生きて届くのか不安があるし、個人情報の漏洩とか、持っていないけれどクレジットカード情報の悪用とかも怖い。鼎は、そこら辺はどう思う? 悪い人がいるかもしれないって怖くないの?」
「きちんとしたお店やきちんとした人が相手なら、不安は感じないです」
小さな沈黙が流れた。
桜島さんが手を頭に当てて、考えるような仕草をする。
「ねぇ……『きちんとしたお店や人』ってどういう意味? 何か定義があるの?」
定義という固い言葉が出てくるところが、真面目な桜島さんらしいところ。僕のイメージしているモノが、なるべく伝わりやすい表現は無いだろうか?
「えっと、お店で言うなら『インターネット上で何年も前から営業しているようなお店で、なおかつ悪い噂が掲示板とかに出回っていないお店』がきちんとしたお店だと、僕は思います。例をあげるなら――チ***とかフォ***とか、熊本に実店舗を持つブ********辺りなんかは、僕のお気に入りです。他にも、ヤドクガエル専門店のワ******とか餌用昆虫養殖の****とかもインターネット上では有名かと思います」
桜島さんの顔が笑顔になる。
「チ***は熱帯魚雑誌で見たことのあるお店だわ♪」
「はい。あそこは大手なので、雑誌に広告も出していたはずです」
「じゃあさ、オークションの場合はどんな基準で選んだらいいの? 良い人だけが出品しているとは限らないでしょ?」
「オークションには『良い評価』と『悪い評価』っていうのがありますから、それが基準になります。基本的に、悪い評価が付いている人は避けた方が良いです。あと、評価の数自体が四〇個以下と少ない人はオークション初心者や慣れていない人だと想定されるので、たとえ性格が良さそうな人だとしても、やり取りを丁寧にしないとトラブルになる可能性が高いと僕は考えています」
桜島さんが腕を組む。そして、ちょっと悩むような表情で口を開いた。
「ねぇ、今回のアルビノアマガエルの出品者、良い評価が一〇〇〇個くらい有ったけれど、悪い評価も一〇個くらい付いていたよ? カエルのオスが必要だから入札したけれど、大丈夫かな?」
「多分、大丈夫ですよ。これは僕の勝手な基準なのですが――良い評価が一〇〇個に対して、悪い評価が三個以上付いている人は避けた方が賢明です。逆に言うなら、一〇〇件程の取引をしていると多少のトラブルや価値観の相違で悪い評価が付くこともありますので、一〇〇〇件の良い評価に対して二〇個くらいまでなら、悪い評価も許容範囲だと思います」
「ふぅ~ん、そういう考え方があるんだ? そういうのってどこで勉強するの?」
興味深げな表情で桜島さんが聞いて来る。
気が付くと、桜島さんの手元にコピー用紙とボールペンが用意されていた。
「えっと、インターネットの掲示板とかで情報収集が出来ますが、実際に取引をしてみるのが一番早いかなと思います。最初は小さな金額で始めれば、トラブルになっても被害が少ないわけですし、やり取りに慣れていけば『危険な雰囲気』は何となく読めるようになりますし」
桜島さんがため息をつく。
そして、じろりと僕を睨みつけてきた。
「……あんまり参考にならないよぉ。まぁ、今回の取引は鼎に任せるから大丈夫だと思うけれどさ、インターネット通販の『注意事項』ってどんなのがあるの?」
「注意事項ですか? 沢山ありますけれど――」
「あのね、今後、私もアマチュアブリーダーとして、コイベタやアルビノアマガエルをネットで販売したいと思っているから、一応、通販で注意しないといけない事を知っておいた方が良いかなと思うの」
桜島さんは、熱帯魚や生き物を増やしてオークションで売りたいと、飼育部屋を半分使うと決めた時から言っている。そして、僕もそのブリード計画に一枚噛むことになっている。
インターネット通販を怖がっている人間が、インターネット通販をしようと考えるなんてちょっと考えが甘い――とは、ここでは言わない。誰しもが、最初は初心者なのだから。僕がサポート出来るのだし、細かいところは追々やっていければ良いと思う。
何から桜島さんに話せば良いのだろうか? 少し考えてから、口を開く。
「インターネット通販の最初の注意点ですが、特定商取引法っていう法律で決まっているんですけれど、通販は原則として返品が出来ないんです。そもそも、生体は返品するものではないと思いますが、『買ってみたけれどイメージと違った』って時に、商品を持て余してしまう可能性もゼロではありません」
「通販は返品が不可能なのね。でも、『原則』って付くのは何故?」
不思議そうな表情で桜島さんが聞いて来た。
それに用意していた回答をする。
「お店によっては独自ルールで、飼育機器等に限定して、返品を可能にしているところもあるからです。例えば『往復の送料を負担するのなら返品可能』とか『商品到着一週間以内なら返品可能』とかです。個人がやっているオークションは返品不可の場合が多いですが、お店の場合ならこの独自ルールを定めているところも多いので、購入前に確認しておくと良いと思います。――あとは、余談というか社会通念上当たり前のことだと思いますが、『新品なのに壊れていた場合』には返品不可と書かれていても返品することが可能です」
僕の言葉に、うんうんと桜島さんが大きく首を縦に振る。
「つまり、基本は返品できないってことね。返品に関しては、何となく分かったわ。他にはどんな注意点があるの?」
コピー用紙に要点をまとめながら、桜島さんが僕に聞いてきた。桜島さんの手元からコピー用紙を一枚もらって、僕も紙に書きながら説明する。
「通販は、『送料』が掛かりますよね? これ、意外とトラブルの元になりやすいんです」
「送料が? 普通に必要なモノよね?」
桜島さんが疑問形で聞いてくる。それに頷くことで返事をする。
「はい。でも、荷物のサイズや重さが大きくなると、送料も高くなるんです。一匹一〇〇円の魚をネットで買って、送料が一二〇〇円掛かりました――なんていうことも普通にありますから、購入前に送料は必ず確認して下さい」
「一〇〇円の魚に、送料一二〇〇円は嫌ね……。でも何でそんなことが起きるの?」
「熱帯魚って、お店で買った時に酸素でパッキングするじゃないですか? あと、冬場は新聞紙で包んだりもしますよね?」
「うん、温度変化をなるべく小さくするためにね。――あ、インターネット通販の場合、魚を発泡スチロール箱で宅配便を使って送るんだよね? 北海道のタラバガニみたいに。うちのお店に問屋さんから入って来る生き物達も同じだから、アルバイトしている私は知っているわよ?」
少し得意げな表情で桜島さんが笑う。
確かに、言われてみればペットショップで働いている桜島さんには、発泡スチロールで送られてくる生きた魚は見慣れた光景だろう。説明するまでも無かった。
「そうですね。熱帯魚って桜島さんが言うように、透明な袋でパッキングした後に発泡スチロールの箱に入れて発送するので、どうしても荷物のサイズが大きくなってしまうんです。だから、その分、送料も――」
「高くなるから気をつけろ、と?」
僕の言葉を遮って、桜島さんが笑う。
「はい。でも、お店によっては五〇〇〇円以上の購入で送料無料とか、商品をいくつ買っても送料は一個分と変わらないとかいう場所もありますので、そういうところでは大量購入すれば実質の送料が安くなります」
「送料には気をつけること、理解したわ♪ 他にはどんな注意点があるの?」
桜島さんが首をかしげながら聞いて来る。
無意識の行動なんだろうけれど、可愛いなと思ってしまった僕がいた。
「そうですね……写真と色が違う、サイズが思っていたより小さいあるいは大きい、写真に写っていない傷や汚れがあった――という場合にトラブルになりやすいので、気になることは商品の購入前に聞いておくことをお勧めします。質問に真面目に答えてくれるお店や出品者なら、万が一、トラブルになっても丁寧に対応してくれる可能性が高いですし、逆に購入前の質問にすらまともに答えてくれないお店や出品者は、落札後に丁寧に対応してくれる可能性は低いと言えますから」
「うぁあ……インターネット通販って、そういうのが怖いのよね。商品の購入前に知ることが出来ないのかしら?」
不安そうな表情で桜島さんが呟いた。ちょっと引き気味の笑顔を作っている。
「商品説明をよく読むのが基本になります。あとは、気兼ねなくどんどん気になることは購入前に質問することです。『商品が届いてから違った!』と言われるよりも、購入前に聞いてもらえた方がお店としてもトラブルが未然に防げますからね」
「気兼ねなく聞くか……リアルの店舗と同じね。とはいえ、それがなかなか難しいんだけれど」
「まぁ、そうですよね。金額が安いモノの場合には手間も考えて程々に、高い買い物の場合には慎重にすれば良いと僕は思います」
桜島さんが理解した、という表情で大きく頷く。
「分かったわ。気になることは質問ね。他に注意点はあるかな?」
「通販で生き物を買う場合の注意点なんですけれど、受け取り日時は、確実に受け取ることが出来る日時を指定することが大切です。配送業者さんにもよりますが、生き物と明記されている場合、優先的に届けてくれるところが多いですから。でも、時間指定で受け取れないと後回しにされちゃいます。夏や冬は、発泡スチロール箱+カイロや氷で温度調整しているとはいえ、生体が死んだりダメージを負ったりする可能性がその分高くなりますから、要注意です」
「それは確かに納得。夏の車内とかヤバそうだもの」
桜島さんが苦笑いを浮かべる。
事実、夏場の車の中は四〇度を超えてしまうことも珍しくない。発砲スチロールで低温に保温していても、長時間の移動では氷が溶けてしまう。
「あと、僕の個人的な考え方になるのかも知れませんが――どんなに珍しい種類の生き物でも、稀少野外個体を乱獲している業者からは、買うのは控えた方が良いと思います」
「乱獲をしている業者? 例えば、どんなイメージ?」
「稀にいるんですけれど、大量の野外採集個体や生き物の卵をオークションで出品している業者がいるんです。そういうところから商品を買うことは、乱獲を助長することになりますから、僕は避けています」
「あ~、それは確かに良くないわ。直接採りに行けない産地の生き物を通販で買えるのは便利だけれど、自然破壊に手を貸すのは気持ちが良いものでは無いものね」
そう言って、桜島さんが僕の目を見て微笑んだ。
「桜島さんも、僕と同じ考えみたいで嬉しいです」
「まぁね。他に注意点はある?」
「えっと『お店の信頼度』、『送料』、『返品不可』、『質問』……多分、一通りは話したと思います。でも、桜島さんも自分で調べてみて下さい。インターネット通販に関しては色々なホームページが、細かい注意事項や暗黙のルールを書いてくれていると思いますから」
「もちろんよ、自分でも調べてみる♪ ――って、『暗黙のルール』なんてモノが有るの!? ちょっと聞いていないんだけれど?」
非難するような視線で桜島さんに睨まれてしまった。
唇が尖っているけれど、それがアヒルみたいで、ちょっと可愛いと最近は思えてきた。
「今から説明します。例えば、生体の販売には『死着補償』というモノがあって――」
少し話が長くなりそうだったけれど、桜島さんは興味津々な表情で喰いついて来てくれた。何と言うのか、嬉しい僕がいる。
◇
一通りの話をした後、ふと気になったことを桜島さんに聞いてみる。
「桜島さん、そう言えば、アルビノアマガエルを殖やした後はインターネットオークションで売るんですよね?」
「そのつもり。取らぬ狸の皮算用で上手く行かないかもしれないけれど、一度に何十個と卵を産むカエルを全部は飼い切れないと思うから。将来的には、カエルやコイベタ以外にも高級熱帯魚のアマチュアブリーダーみたいな事もやってみたいと思うし♪」
桜島さんの言葉に頷きながら、思っていることを伝える。
「とはいえ、インターネットで生き物のブリーダーをするのなら、やっぱり珍しい種類を殖やさないとダメですよね。どこでも買える生き物を殖やしても、競争力が無いですから」
小さく桜島さんが笑って人差し指を立てた。
「つまり『ニッチでも良いから、顧客のニーズを満たすモノを市場に提供する』ってことでしょ? この間の実地経済学の授業でやっていたわ♪」
得意げな表情の桜島さん。その知識に、若干、追加させてもらう。
「あと、僕がインターネットを見ていて感じたことなんですが――アマチュアでもブリーダーでいるには、リスクを分散しないと危険だと思うんです」
「リスクを分散させるの? 具体的にはどういうこと?」
不思議そうな表情で桜島さんが聞いてくる。
「なるべく投資金額を少なくしたり、生体が全滅しないように水槽を分けたり、色々とあると思うのですが――一番大きなリスク分散は『一度に複数の種類の生き物をブリードすること』かなと思います。珍しい種類の生き物でも、オークションで大量に流通するようになると値崩れが激しいですから。オオクワガタしかり、紅白エビしかり、高級メダカしかり、攻め際と引き際が肝心だと思うんです」
僕の言葉に、桜島さんが口を開く。
「あ~、何となく分かるよ。昔はオオクワガタの養殖で食べて行けたらしいけれど、今は、ごく一部のブランドオオクワしか高値が付かないみたいだから。高級メダカも一緒。うちのお店でも取り扱っているけれど、ここ数年で値段が半分以下になったって店長がぼやいていたわ」
「そうなんです。一種類だけのブリーダーでいると、アマチュアとはいえ値崩れを起こした時に悲惨な目に遭いかねません」
桜島さんが苦々しい表情を浮かべる。
「それは、嫌だわね。……でもさ、ちょっと思ったんだけれど、常に流行の生き物だけを追いかけるのは大変よね? 自分が好きじゃない生き物は、殖やしてもあまり楽しくないと思うわ」
桜島さんが言っていることは正論。自分が好きじゃない生き物を殖やすのは、愛情が注げないから控えた方が良いと僕も思う。愛情が注げない分、クォリティーも落ちると思うし。
「はい。その対策なのですが、安定してそこそこの値段を維持している生き物をブリードに取り入れるのが一つの手かなと僕は思います。具体的には、ショーベタの仲間とかプレコの仲間とかは流通量が増えても値崩れが起きにくいみたいです。なので、市場価格の推移を真剣に調べて、自分に合う同じような生き物がいないか検討してみた方が良いと思います」
「そういう意味では、コイベタは値段が下がってもそこそこの金額で将来的にも推移してくれるかな?」
「そうなると良いのですが――正直、先が読めないのが本音です。あとは将来的にという話で、ちょっと気になることなんですが……今は熱帯魚や両生類、昆虫、甲殻類などの生体の通販が認められていますが、今後、犬や猫、爬虫類のように生体は対面販売が原則になる可能性もあるかも知れません。それはインターネット通販を利用する者として、頭に入れておいた方が良いかもしれません」
昔は犬や猫を対面せずに通販のみで売り買いすることが出来た。法律の改正で犬猫の通販専門の業者がどうなったのか、想像に難くない。
「確かに。今後、法律が変わって生体が通販出来なくなる可能性も頭に入れておく必要があるわね。インターネットだけでブリードした個体を捌こうとか考えていると、痛い目に遭いそうだわ」
「当面は大丈夫そうですけれどね。――まぁ、今の個人がすぐにブリーダーになれる時代は、良い時代なのかもしれません。希少な野生個体を増やしてCB個体を流通させることは環境保護にもつながると個人的には思いますし。だから、アルビノアマガエルの繁殖、頑張りましょう」
「うん。がんばるよ♪ 私、絶対、絶対、成功させるわ」
自信たっぷりの瞳で、桜島さんが言葉を口にした。
桜島さんの笑顔のために、僕も頑張ろう。
(第8話_2尾目_ネットオークションに手を出してみる2へ続く)
※(2015/12/17)本文が長かったため、話を二話に分割しました。内容的には変わっていません。