究極の狙撃
第1回は緋○のアリアからです。
今回の主役はわれらがマクミラン大佐ことレキたんです。
いや~私の教官をしてほしいほどの見事な腕前を持ったレキですがまずはプロフィール確認から。
レキ(名字不明)
所属 狙撃科
ランク S
視力 6.0(全人類のめがねに謝れ)
獲物 AKを基にしたドラグノフ狙撃銃
主食 カロリーメイト(うますぎるっ!!)
無口、無表情
どこかの隅っこで体育座り。
不思議ちゃん
……とこんなかんな感じかな。
そんな彼女が最初に見せてくれたのがバスジャック時の爆弾狙撃。バスの下に速度が一定以下になると爆発する爆弾をつけられたのだ。
これを並列して飛ぶヘリから橋を渡るバスの下に取り付けられている爆弾を周りの部品ごと狙撃して取りはずし、さらに中央分離帯に落として海へボチャンという神業をやってのけてくれました。
この狙撃がどれほど難しいのか?
まずは距離。当てたいならばぎりぎりまで近づくべきだが原作によると銃声は遅れて聞こえてきたらしい。つまり最低でも150mは離れていることになるなあ。
ん!?なんと銃声はマズルフラッシュが3回見えてから聞こえたらしい。つまり3発撃ってから銃声がしたということになる。
他のシーンから考えるにレキでも3発撃つのに1秒は掛かりそうだ。
音は光に比べて格段に遅い。
弾を撃つのに1秒掛かり。遅れて聞こえてきたと感じるのにもう0.5秒。計1.5秒掛かったことになる。射撃時は春先で雨も降っていた。そこから気温が約15℃とすると音は1.5秒で510m進む。
つまりヘリとバスの間は510mも離れていたことになる! この距離からバスの下についた小さな部品を狙う。それなんてムリゲー?
このとき許される誤差を部品(留め具)の大きさが10c㎡だったとして求めると上下左右1度未満、やく0.5~6度しか許されないと判明! ますます無理くせえぇ。
0.5~6度というと本来ならプロは出来て当たり前な角度であり、別に難しくもなんともない。
しかし今回はヘリからの狙撃だ! エンジンによる振動だけでズレる。
この問題を解決するにはヘリパイがまったく揺らさず雨の中を飛ばすかレキが足をクッションにして揺らさないようにするしかない。
レキは原作でひざ立ち撃ち、アニメでは腹ばいになっていた。つまり原作ではレキが自ら振動を抑え、アニメではヘリパイがものすごくがんばって揺らさなかったのだ。なんつうプロい連携。
モブキャラ扱いされていたヘリパイだがSランクほどは持っていただろう凄腕だったのだ。
なぜならヘリを揺らさないどころかエンジンの振動さえレキに伝えなかったのだから。
とはいえこれだけではまだ当てることが出来ない。
さらに部品との間には障害物がある。手すりだ。
この手すりはアニメ版を見る限り金属の板をいくつも立てに並べた構造をしている。この隙間に弾を通さなければいけない。これはもはや視力がいいでは解決できない問題だ。己の勘を信じてタイミングを合わせ撃つしかない。
つまりレキはこのときの発射タイミングを今までの狙撃で得た勘のみでこの狙撃を成功させたというのか!
……ガチプロだ。レキには私からオリンピック射撃競技への推薦状を出しておこう。武偵なんて筋肉馬鹿の集まりの中で埋もれていい人材じゃない。ぜひともその腕を平和利用に役立てるべきだろう。
それにしても、爆弾のすぐ傍を撃つことにためらいはなかったのだろうか?
もしコンピュータに命中すればショートして爆発していただろう。そうすれば主人公のキンジやアリアその他同級生のモブキャラの皆さんが吹っ飛ぶことになるのに。爆弾本体のほうは心配しないのか?と思っている人もいるだろうがそちらは問題ない。C4は衝撃に強い爆薬だ。特に最近のものはより爆発し辛くなり、火の中にいれても燃えるだけで爆発することはない。これが黒色火薬の類だったら話は別だったが。
あれ? てことはC4のど真ん中を打ち抜いてもOK? めちゃめちゃ的デカイじゃん。しかし実際にC4を銃撃したがる馬鹿はいないだろう。やはり普通は当てないように撃つ。
ちなみに私の見立てでは速度を測るのにGPSを使っている。もし速度を車体から直接測っていたら撃ち落とした瞬間センサーとコンピュータをつないでいた電線が切れ、バスは吹き飛んでいただろう。
それに対しGPSならしばらくは落ちても転がって動いているし、海に落ちた瞬間止まるため爆発したのも納得がいく。
ヘリパイ
己の勘
爆弾の種類
センサー
この奇跡の救出劇の裏にはこれらいくつもの偶然が働いていたんですね~
これだけの偶然を重ね合わせることが出来るレキは女神に好かれているのかもしれませんね。
いや、レキの場合は風ですね。