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2話 ソルシダとハーレンを覗いてみる

 俺が正式に辺境伯になったから数日が経った。


 今日は、俺の側近たちの仕事っぷりを見ることにした。



 まずはソルシダ。


 21歳、つまり俺の16歳年上だ。背が高く、すらっとしていて、見た目だけで頼もしいのがわかる。


 顔立ちもよくて、正直羨ましい。んー、100点!


 俺もソルシダに生まれたかったなぁ。と思ったけど、こんな性格ではないから、無理だったな。


 ソルシダには警備を任せている。


 今のところ、犯罪を取り締まるというより、街の安全を整える仕事が中心だ。


 道に落ちた瓦礫をどかしたり、夜道に松明を増やしたり、つまずきやすい段差を直したり。


 俺と目が合うと、ソルシダは作業の手を止めて、軽く頭を下げた。


「ルカ様、異常はありません。ですが、子どもが転びやすい場所があったので、今日中に直しておきます」


 報告・連絡・相談を欠かさないところが、本当に頼れる。


「ありがとう、ソルシダ。よろしく頼むよ」


 ソルシダは力強く頷いて、また作業に戻った。



 次はハーレン。


 34歳の元商人で、眼鏡をかけた痩せ型の男性だ。落ち着いた雰囲気で、俺にはまるでお父さんみたいな存在だ。


 ハーレンには、街の商業振興を任せている。

 

 今は市場の整備や、商人たちとの交渉が主な仕事だ。でも、一つ大きな問題があるーー通貨だ。


 俺たちは親の借金を帳消しにした代わりに、王国の正式な通貨を使う権利を失った。


 だから今は、この街でしか使えない独自の貨幣「ルーペ」を発行している。


 ただ、このルーペがまだうまく流通していない。市民の中には、王国の通貨の方が信用できると考える人

もいる。


 ハーレンはその調整にいつも悩んでいるようだった。


 ーー通貨って、本当に難しいんだな。俺も手伝いたいけど、この分野だけは無理だ。


「よっ、フォル!」

と、ハーレンが笑いながら手を振る。


 ちなみにフォルとは俺の名前のフォルデンを略してるらしい。


「今日、夕食食べに行こうぜ。」


「ハーおじさん。いいよ!」


 本当に気軽なやつだ。でも、頼もしいぞ!



 最後は、一日中、隣についてきてくれたリーリャ。


 今は俺の秘書兼、お世話係をやってくれている。


 昔からの付き合いだから、俺たちの信頼感は誰よりも深い。


 リーリャには、目安箱の意見の整理や、書類の管理を任せている。


 目安箱を設置したかいもあって、多くの市民から声が届くようになった。


 リーリャはそれを丁寧に分類して、優先順位をつけてくれる。


「ルカ、今日の目安箱はこれだけ」


 リーリャが小さな束を見せてくれる。


「ありがとう、リーリャ。後で一緒に読もう」


「うん!」



 そして、俺ーールカ・フォルデン。


 この町の領主だ。


 俺の仕事は……作物を育てることしかない…


 【農業】のおかげで、この街の食糧問題はなんとかなりそうだ。

 毎日畑に行って、土を耕し、作物を育てる。


 正直、領主らしい仕事かと言われると微妙だけど、これが今の俺にできる一番大事なことだ。


 今日いろんなところを歩き回り、久々と感じた。


 多分俺一人じゃ、何もできなかった。


 それでも、誰かを信じて任せることならできる。


 それで街が少しずつ動いているなら、領主として悪くない役目だと思う。


 そんなことを考えていると空が赤色に染まっていた。


「ルカ、もう日が暮れてきたよ。そろそろ帰ろう」


 考え事をしていたら、リーリャに呼ばれた。


「あ、うん」


 今日はみんなの頑張りを見て回った。少し疲れたけど、充実した一日だった。


 明日も、街のために頑張ろう!


「あ!!」


 俺は突然立ち止まった。


「どうしたの?」


 リーリャが不思議そうに振り返る。



「しまった、ハーレンとの約束を忘れてた! 」

 ここまで読んでいただきありがとうございます!


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