14話 祭りの準備をするよ
「マルチェリオさん、祭りのことなんだけど。どこに屋台を出したいとかある?」
俺はマルチェリオに屋台を出す場所を一番に聞いた。まぁ感謝の1つみたいなものだ。
「あぁ、ルカ君、私が決めていいのかな?」
「もちろん!いつもお世話になっているから、ぜひ!」
「ちなみに、どこが出せるのか教えてくれないか。」
そう言われて俺は地図を広げ、思わずワクワクしながら説明を始めた。
「祭りは、噴水の周りに大きな円を描くように通路を作って・・・」
俺は大体の配置を伝えた。
「じゃあ、入り口に屋台を開かせてもらおうかな。」
「わかりました!それでは、ハーレンに伝えておきますね!」
喜んでいるようで胸が温かくなった。こうして話していると、なんだか俺も祭りが楽しみになってくる。
報告のために商業ギルドへ向かう途中、街を歩いていると、井戸へ水を汲みに行く人々がたくさんいることに気づいた。
ここには遠くにしか井戸がない。
だけど、水路を作った今、もしかしたら井戸を作れるのでは…?
そんなアイデアが浮かぶ。
「おーい、ハーおじ!」
商業ギルドに差し掛かると、仕事に追われているハーレンに声をかけた。
「マルチェリオさんとの話がついたから、他の商人に配置を聞いておいてくれ。」
「おう、任せとけ。」
なんだか今日のハーレンは特に機嫌が良さそうだ。
何かいいことでもあったのだろうか。
「機嫌良さそうだけど、何かあったの?」
「実はな…あそこのギルド嬢いるだろ。
可愛すぎて、張り切っちゃうよ!」
ハーレンは鼻息を立てながら話してきた。
ーーやっぱり、ハーレンはハーレンだ。
そういえば、さっき街を歩いているとき、井戸を汲みに行く人が多かったな。
遠くまで水を汲みに行くのは大変だろう。
水路を作った今なら、もっと近くに井戸を作れるはず。
よし、大工ギルドに依頼しよう!
その思いを胸に、大工ギルドへ向かった。
受付にはギルド嬢がいて、明るい笑顔で出迎えてくれた。
ーーこの可愛い姉さんも、いつかハーレンに口説かれるのかな…
俺は心の中で「頑張れ」とつぶやいた。
「こんにちは。依頼ですか?」
「はい、依頼をお願いします。」
「依頼でしたら、こちらの紙に名前、報酬、依頼内容、期日を記入してください。」
俺はさっそく記入した。
名前:ルカ=フォルデン
報酬:300ルーペ(およそ15万円)
内容:2箇所の井戸の制作
期日:二週間
「できました!」
「では、預かります。後日、あちらの掲示板に貼らせていただきます。」
ギルドがちゃんと機能しているのを見て、少し安心した。
掲示板に目を向けると、すでに10枚以上の依頼書が並んでいる。
復興の途中でも、こうやって街が活気づいているのを嬉しく思った。
大工ギルドを作って大正解だ。しかし、まだ大工の数が足りないのが悩みだな。
「祭りで宣伝もしていかないと…」
最後の準備として、祭りの警備の手配をすることにした。
訓練場へ向かうと、ソルシダが立っていた。
「ソルシダ、こんにちは。」
「こんにちは、ルカ様。今日はどうなさいましたか?」
「祭りの当日、警備を頼みたいんだ。でも、みんなが楽しんでいるのを見られないのはちょっと気が引けるんだよね。」
「任せてください!私たちは市民の皆さんを守るためにいます。そのためなら、一瞬の楽しみも惜しみません!」
その言葉で安心し、頼もしく思った。
でも今度、何かで礼をしないと…。
「そういえば、ルカ様。期待の新人がいるんですよ。」
ソルシダが指さした先には、鋭い目をした子供がいた。
髪の毛がツンツンしていて、どこか生意気そうな雰囲気がある。
「あの子、まだ6歳なのに、大人と引けを取らないくらいに強いんですよ」
――6歳。俺より一つ年上か。
木刀を振る姿は、確かに子供とは思えない。
動きが速く、力強い。
――すごいな。
少し悔しいけど、認めざるを得ない。
「今度挨拶してみるよ!」
祭りまであと2日。
やることは山ほどある…でも、全部やり切って、最高の祭りにしてみせる!
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