16話 商業ギルドの仲裁
商業ギルドも少し規模が大きくなり、20人ほどが加盟している。もう、本部を建てはじめていた。
少し考え事をしていたら、リーリャから言伝が届いた。
どうやら加盟してる商人同士で争いが起こってしまったらしい。
ハーレンからしたら初めての仲裁だ。まぁ、俺も実際にやるのは初めてだけど。
どのように仲裁すればいいかわからないだろうと思い、ハーレンのもとへ行ってあげることにした。
「よっ!ハーおじ。大丈夫そ?」
「それがな、客引きのことで隣同士が争うことになっちゃったんだ」
ハーレンは頭を掻きながらため息をついた。
「どっちの言い分も正しく聞こえてしまってな……」
「まだ、場所が空いてるなら、移してしまうのはどうなんだ?」
ハーレンも自分なりの解決法を持っている。だけど…
「んー、やっぱり、この街では争いが起きてほしくない。ただ移動するだけだと、簡単な解決だ。
だけど、争いの火種は残ったままになる。
それに、今回みたいなことが起きたってことは、
この街にはまだ商売のルールがないってことだろ。
一度、線引きしないと、同じことが何度でも起きる」
「ひとまず、1人ずつ話を聞くことにしよう。」
A商人の言い分は
「商売なんだから声をかけて何が悪い!」
B商人の言い分は
「お前のせいで客が逃げてる!」
とのことだった。
商売で声を出すのは悪くない。
だけど、客が楽しめない市場になったら、誰も得しない。
じゃあ、客引きをするなってなると、Aだけが一方的に悪くなってしまう。
そう悩んでいるとハーレンが話しかけてきた。
「おい、フォル……」
ハーレンが考え込むような顔で口を開いた。
「いいこと思いついたんだけどさ。
声をかけるのは悪くない。だが、場所を決めたらどうだ?」
「場所?」
「ああ。店の前だけなら、誰も文句は言えねえだろ。
通路でやるから、みんな邪魔に思うんだ」
俺は思わず頷いた。
ーーなるほど、禁止するんじゃなくて、ルールで整えるのか。
すべての内容を整理すると、こんな感じだ。
・客引きは店の前から一歩まで
・通路での呼び込み禁止
・隣の店の悪口・誇張は禁止
・破ったら一時出店停止(軽め)
ーーこれはいい提案だ…
「そうしよう!競うなら、声じゃなくて中身でやる方がいいだろう。」
その旨を2人に伝えると、最初は渋い顔をしていたが、
「……それなら、まあ」
「俺も納得できる」
と、少しずつ表情が緩んでいった。
そこに、ハーレンが口を挟む。
「いや〜、2人とも若いな。俺も若い頃は女の子にいっぱい声かけてたからな〜」
「えっと、それはナンパです……」
場は少しだけ賑やかになった。
ハーレンの一言が効いて、2人は無事に折り合いがついたようだった。
「ありがとう。ハーおじがナンパ師で助かったよ!」
「おい、ちがうぞ。そういうのは社交的と言うんだ。」
ハーレンが照れ隠しに俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。
噴水ができたら、祭りでも開こう。
そしたら、この街はもっと賑やかになる。
商人たちも、きっと笑顔で商売ができるはずだ。
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