7話 収穫祭をはじめるよ!
眩しい日差しが差し込み、あたり一面に作物でいっぱいの中、俺は大声で叫んだ。
「今日は収穫祭をやりま〜す!」
スキルのおかげで、作物を育てるのは早いが、どうやら収穫まではできないらしい。
だから逆の発想で、市民に収穫を手伝ってもらいながら、街のつながりも深める作戦だ。
これなら、俺も市民も一石二鳥だ。
収穫祭は、俺が正式に辺境伯になってから1週間、告知を続けていた。
街のあちこちに貼ったチラシと、マルチェリオの口伝えのおかげで、少しずつ人が集まり始めている。子供も含めて、だいたい130人ほどか。
およそ1000人のこの街には十分すぎる人数であろう。
もしかしたら、収穫したものは自分のものになるという約束だからってのもあるかもしれない。
そして、収穫祭では、リーリャ以外の俺たちも参加する。
リーリャにはとっておきの仕事をしてもらう。
ハーレンは行きたくなさそうだったが、無理やり連れてきた。
相変わらず自由すぎるな、あいつは。
「スタート!」
この合図と同時に市民たちは一斉に走り出した。
大人たちは必死にやっている中、子供達の笑い声が飛び交う。
俺は思わず笑みをこぼした。
「おい、フォル、俺と勝負な、どっちが多く取れるかで」
体が作物で隠れて場所はわからない。
だけど、どこからかハーレンの声が聞こえた。
また、なんかやってるよ。
「よし、俺も取り組むか!」
収穫をし始めて、数分ですぐに手元の作物が多くなった。
だから、それを抱えて、リーリャのところまで運んだ。
なぜリーリャのところまで運ぶか?理由はもう一つのイベントがあるからだ。
夕食パーティー!
リーリャには期待できるぞ。5年間食べてきた俺が保証する。
今日の夕食メニューはポトフとパン!
ポトフは、ニンジン、ジャガイモ、カボチャ、ハクサイを入れ、事前に育てておいたハーブを添えてもらう。パンは小麦粉から作る予定だ。
これを俺たち主催側が集めた作物で作ることは、最後までハーレンには内緒にしておこう。
肝心な味付けの塩は高級品だが、両親の屋敷に残っていたので心配はいらない。
俺は収穫してはリーリャのところまで運び、たまにハーレンのところから奪ってリーリャのところに運ぶのを繰り返した。
そして、収穫祭が終わる頃、日が暮れていた。
「皆さん!夕食をみんなで食べましょう!無料です!」そういうと、歓声が聞こえた。
130人分、リーリャは作りきり、全員に行き渡った。
「では、ルカ様、一言お願いします。」とハーレンが言った。
「ちょちょ、急に言われても……」
市民の視線は完全にこちらを向いている。
「えー…」
俺はこの街の領主だ、そう思い、両手を握り締め、勇気を振り絞った。
「今日は収穫祭に集まっていただきありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか?
まだまだ未熟な私ですが、どうか皆さんの力を貸してください。そして、私は皆さんの意見を最大限活用していきます。これからもよろしくお願いします。
では、これからの街の発展に乾杯!」
『乾杯〜!』とみんなの声が響いた。
みんな、美味しく食べているようだった。
さすが、リーリャの腕は本物だ。
こうして収穫祭は大成功を収めた。
年に4回くらい開きたいな…
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