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第漆夜 崩壊した結界


六華が狼男を倒した一方で

禍刻は依然火車と戦いを続けていた


禍刻「よっしゃ!これなら戦えるだろ!」

酒呑童子「水の力ならば奴には有効であろう

よし、奴から瘴気を取り除くのだ!」

禍刻「わかってるって!」


禍刻はそう言って火車に刀を振り下ろすと、火車の炎が少しだけ弱まった


禍刻「よし!効いてるぞ!」

酒呑童子「その調子で攻撃を続けるのだ!」


しばらく攻撃を続けると火車はその場にひざまづいた


禍刻「結構粘られたな。でも、これで終わりだァ!!」


禍刻が刀で火車の首を刎ねると、火車は禍魂となってその場に転がり落ちた


禍刻「これで十個目か」

酒呑童子「順調に集まってきておるな」

禍刻「はぁ、これあと何個集めんの?」

酒呑童子「うむ、民全員分となると百程か?」

禍刻「案外少ないな?」

酒呑童子「同じ種を統一すればの話だ

それぞれ別々とあらばもっと多い」

禍刻「なんだよそれ…まぁ、いいや」


逢魔病院の一室、そこには瘴気に蝕まれ植物状態となってしまった四条霊華が寝かされていたそこに、二人の若者が同時に訪れた


六華・禍刻「先生!霊華の容態は?」

医師「おやおや、二人とも元気ですね

霊華ちゃんはまだ回復してないですね」

禍刻「そうですか」

六華「一体どうしたら…」

医師「ところで、そちらの妖怪の方々に質問なのですが」

酒呑童子「なんだ?」

医師「瘴気の侵攻具合はどの程度でしょうか?」

茨木童子「貴方、何故それを?」

酒呑童子「もしやお前は…」

医師「はい、私は九尾の稲荷でございます」


医師がそういって眼鏡を外すと九つの尾を持つ狐の姿に変化した


酒呑童子「稲荷か、久しいな」

禍刻「は?先生って妖怪だったのか!?」

稲荷「安心してください。あの程度の瘴気に蝕まれるほど弱くはありませんから」

六華「それにしても、禍兄」

禍刻「ん?どうした?」

六華「さっきから、嫌な気配がするんだけど」

禍刻「嫌な気配?」

六華「うん、あの湖の奥の方から」

稲荷「湖?もしや、結界が!」

酒呑童子「禍刻!ゆくぞ!」


湖に着くと、確かに辺りが薄暗く異様な気配に包まれていた

その奥には小さな祠があり、どうやらそこから流れ出ているようだった


六華「何あれ!あんな祠あったっけ?」

茨木童子「あれは、現世に瘴気が流れ込むのを防ぐ祠です。普段は見えないように結界が存在するハズですが…」

酒呑童子「恐らく、その結界が壊されたんだろうな」

稲荷「彼処に居るのはもしや餓鬼がきでは?」

禍刻「餓鬼?」

酒呑童子「あぁ、普段は温厚なハズだが瘴気の影響で凶暴化しておるようだな」

六華「なら、今すぐ止めないと!」

酒呑童子「しかし、ここは瘴気が強すぎる

下手に突撃すれば、タダでは済まないであろう」

禍刻「ならどうやって!」

酒呑童子「しょうがない!ほかの祠へ行って地道に封印していく他あるまい」

稲荷「では、それまで暫く私が見張っておきます」

茨木童子「申し訳ありません」

稲荷「いえいえ、貴方々の為とあらばこの身すら投じましょう」

酒呑童子「任せたぞ稲荷」

稲荷「承知」

禍刻「つっても、他の祠ってどこにあるんだよ」

酒呑童子「禍刻、先程のバイク屋へ行くぞ」

禍刻「は?なんで?」

六華「もしかして、そこに祠が?」

酒呑童子「あぁ、そのまさかだ」

禍刻「マジか、なら早く行こう!」


禍刻が走り出そうとした瞬間、何処からか声が響く


陽気な声「おいおい!まさか歩いて行くなんて馬鹿な事言わないよなぁ?」

禍刻「は?今誰かなんか言ったか?」

酒呑童子「いや?」

陽気な声「Heyダンナ!モタモタすんなよォ!」

六華「禍兄、その勾玉光ってるよ?」

禍刻「え?まさか」

陽気な声「やっと気づいたかい?」

禍刻「これは、火車の禍魂か?」

酒呑童子「禍刻、火車を召喚しろ」

禍刻「え?どうやって?」

酒呑童子「ベルトに装填してみろ」

禍刻「わかった」


禍刻が禍魂を逢魔ドライバーの右側に装填すると、火車が炎とともに現れた


火車「ふぃー!漸く出られたぜぇ!!」

禍刻「火車ってこんな奴だったのか!?」

火車「こんな奴ってなんだよダンナ!

そんな事より急がないとなんだろ?」

禍刻「まぁ、そうだけど」

火車「なら、提案があるんだ」

禍刻「提案?」

火車「俺が乗せてってやるよ!」

禍刻「そうか、そういやお前バイクに!」

火車「That's Right!!」

禍刻「なら、乗せてくれ!」

火車「了解したぜダンナ!」


火車はそう言うと、炎を纏ったハーレーの様なバイクへと変化した


禍刻「おお、こりゃすげぇや」

六華「禍兄だけずるい!私もバイク乗りたい!」

茨木童子「でしたら、狼男の御札を使うのは如何でしょう?」

六華「狼男?」

茨木童子「はい、まずは狼男の御札を出してください」

六華「わかった」

茨木童子「次はその御札を地面に落として見てください」

六華「こう?」


六華が御札を地面に落とすと、御札は狼男へと変化した


狼男「ん?此処は…」

茨木童子「お目覚めですか?」

狼男「な!?貴様は茨木童子か」

茨木童子「あぁ、そういえば貴方西洋の妖でしたねぇ?」

狼男「東洋の妖が俺に何の用だ!」

茨木童子「貴方の力をお借りしたいのです」

狼男「誰が敵対してるやつに力など貸すか!」

六華「ええ、手伝ってくれないの?」

狼男「なんで俺がお前らに協力しなくちゃならない?」

茨木童子「貴方々のお仲間も大勢瘴気に蝕まれているハズですが?」

狼男「だからなんだ?」

茨木童子「今は敵対している暇などないと、そう言いたいのですよ」

狼男「はぁ、わかったよ!手伝えばいいんだろ?」

茨木童子「ご協力感謝します」

狼男「しょうがねぇ、おいそこの小娘!」

六華「何?」

狼男「お前、俺に向かって術をかけてみろ」

六華「術?」

狼男「あぁ、『変』の文字を俺に向かって書いてみろ」

六華「こういう事?」


六華が狼男に向かって『変』の文字を書くと狼男はバイクへと変化した


狼男「やはり、瘴気に蝕まれた時に得た力はまだ健在か」

六華「凄い、バイクになった」

狼男「おい小娘」

六華「六華でいいよ」

狼男「そうか?なら、六華!

俺に乗れ!何処まででも連れて行ってやる」

六華「ありがとう!」

酒呑童子「よし、双方準備は整ったな?ではゆくぞ!」


酒呑童子のその一言で二人の若者はバイクを発進させた

行先は以前禍刻が火車を追って訪れた

バイク専門店『逢魔二輪店』

そこに、二つ目の祠があるという


禍刻「よし!もうすぐだ」


禍刻達が逢魔二輪店に到着すると、入口にイカつい男が仁王立ちしていた


岩井「そろそろ来る頃だと思ってたぜ?

さぁ、祠まで案内するから付いてきな二人とも」

同時に響く謎の声「融合できる刻は近い…さぁ、もっと力を蓄えなければ…」


次回 仮面ライダー逢魔ヶ

酒呑童子「一足遅かったという訳か」

禍刻「シニムクロ?なんだそりゃ?」

禍刻、六華「━━━変身━━━」

餓者髑髏がしゃどくろ「だ魔邪!!」


絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か

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