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第陸夜 遠吠え響く走行音

時刻は十八時頃、炎を纏う走行痕の噂と同時刻どこからともなく狼の遠吠えが聴こえてくる

しかし、何処にも狼などいない

現場に残されるのはタイヤの痕のみ


華奢な女子高生「ねぇ、実はさ、まだあるんよ!バイクのうわさ!!」

気だるそうな女子高生「それマジ?」

華奢な女子高生「マジマジ!」

気だるそうな女子高生「どんなの?」

華奢な女子高生「それがね?さっきの話と似たような感じなんだけど、どこからともなく狼の遠吠えが聴こえてくるらしいの」

気だるそうな女子高生「それこそ狼がいるだけでしょ?」

華奢な女子高生「だと思うじゃん!?

けど、いざ聴こえた方へ行ってみるとそこには!」

気だるそうな女子高生「そ、そこには!?」

華奢な女子高生「タイヤの痕だけが残されてるの!」

気だるそうな女子高生「なにそれ?そんなの元からあった痕と勘違いしたんじゃないの?」

華奢な女子高生「なんかねー?外で見てた人が居たらしいんだけど、遠吠えが聴こえたと思ったら、目の前の地面に急にタイヤの痕が付いてったんだって!」

気だるそうな女子高生「えっ!?なんそれ怖ァ…」

華奢な女子高生「だよね!!ヤバくない!?」

気だるそうな女子高生「ヤバい」


逢魔病院屋上で六華と茨木童子は次なる瘴気に蝕まれた民の情報を探っていた


茨木童子「六華、何か民の情報は探れましたか?」

六華「うーん、なんとも言えない感じかなぁ」

茨木童子「そうですか、何かめぼしい情報があればよいのですが…」

六華「あ、そういえば!」

茨木童子「おや?何かありました?」

六華「そういえばあるんだよ!情報!!」

茨木童子「ほう?」

六華「なんかね、最近この辺でバイクの走行音と一緒に遠吠えが聴こえてくるって噂が!」

茨木童子「そんな噂が…なるほど、興味深いですね

その噂、私達で探って見ましょう」


茨木童子がそう言った直後、例の遠吠えが聴こえてくる


茨木童子「この音は…」

六華「行くよ!茨木童子!!」


二人が音の聴こえてきた場所へ向かうと、そこには、タイヤの跡が残されていた

周辺には怯えた女性が立ち尽くしていた


六華「あ、あの〜どうかしました?」

怯えた女性「え?あぁ、今遠吠えが聴こえたと思ったら目の前をタイヤの跡がスーって」


女性は恐怖からか呂律がまわっていないようだった

しかし、彼女の話からして噂に関するものを見たのは間違いないだろう


六華「その話、本当ですか?」

怯えた女性「えぇ、本当よ」

六華「わかりました」

茨木童子「六華、この跡を追ってみましょう」

六華「そうね」


タイヤの跡を追った先には手入れのされていない空き地が広がっていた

その中心で、何やら黒いモヤのようなものが蠢いている


六華「茨木童子、あれって」

茨木童子「えぇ、恐らくは瘴気に侵された異界の民でしょうね」

六華「だったら、すぐに救ってあげないと」

茨木童子「そうですね、まずはあの瘴気を晴らしましょう」

六華「でも、どうやって?」

茨木童子「逆さ五芒星を空に描いてください」

六華「わかった」

茨木童子「そして、その中心に『祓』(はらい)の文字を描いてください」

六華「こう?」

茨木童子「上出来です。それをあの瘴気の塊に向けて投げてください」

六華「えい!!」


六華が魔法陣を投げると、忽ち瘴気が晴れ、中から狼の様な人の様なものが現れた


茨木童子「やはり、狼男ですか

遠吠えと聞いてまさかとは思いましたが」

六華「狼男って、そんなの勝てるの!?」

茨木童子「大丈夫です。私の言う通りに動いてください。勝算があります」

六華「わかったわ」


ー変身ー


六華は空に逆さ五芒星を描き、出現した御札を腰に装着された白日ドライバーに貼り付けると、


《白日!定刻…鬼!!》


という音声の後に不気味な絶叫の様な声が響き、六華の躰が蒼い炎に包まれ、羊の様な顔のキョンシーの姿へと変化した


六華「よし!これで!」

茨木童子「六華!下がってください!!」

六華「へっ?何!?」


六華は茨木童子の一言で思わず飛び退いた

その途端に、六華の居た場所に狼男の鋭い爪が振り下ろされた


六華「ねぇ!これホントに勝てるの?」

茨木童子「大丈夫です。六華、狼男の後方に回ってください」

六華「はぁ!?無理でしょ!アイツ超速いし!!」

茨木童子「タイミングは私が支持します。それまでお待ちください」

六華「了解!」


狼男は休むこと無く鋭い爪を振り回している

そして、狼男が大きく爪を振りかぶると同時に茨木童子が叫んだ


茨木童子「六華!今です!!」

六華「おっけー!」

茨木童子「『祓』の魔法陣を!」

六華「魔法陣ね!おっけー!!」


六華が魔法陣を狼男の背に描くと、忽ち瘴気が消えていった

そして、狼男は新たな御札となって地面にひらりと落ちた


六華「これって…」

茨木童子「新たな御札ですね」

六華「『斬』って書いてあるけど...」

茨木童子「恐らく、先程の様に魔法陣の中心にその文字を書けばよいのではないでしょうか?」

六華「なるほどね?」

不気味に響く謎の声「ふむ、以前の力が戻ってきたな…この躰と融合する刻も近いかフハハハハ!」


次回 仮面ライダー逢魔ヶ

六華・禍刻「先生!霊華の容態は?」

茨木童子「貴方、何故それを?」

禍刻「餓鬼?」

陽気な声「Heyダンナ!モタモタすんなよォ!」


絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か

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