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第肆夜 百鬼夜行に御用心

平安の都は妖が蔓延る場所だった

時に妖達は夜間に行列を形成して都中を練り歩いていた

その行列を様々な妖が夜間に練り歩くことから

『百鬼夜行』と呼ぶ


酒呑童子「禍刻、この淀んだ空気は嫌な予感がする」

禍刻「嫌な予感?」

酒呑童子「あぁ、時刻はもうじき逢魔ヶ刻(おうまがどき)になる

百鬼夜行が始まるやもしれん」

禍刻「百鬼夜行か、妖が行列を作るあの...」


二人がそんな会話をする中、二人よりもはるか先に妖しげな光がちらちらと漂っている

その光はゆっくりと二人に近づいてくる


禍刻「なぁ、酒呑童子」

酒呑童子「あぁ、遂に始まってしまったな百鬼夜行が」


止まることなく近づいてくる光が漸く(ようや)視認できるようになってくると、百鬼夜行の前例部が確認できるようになった

前列部には、豆腐を持って笠を被った少年や番傘の様な物など、俗に言う付喪神つくもがみ達がいた

その奥には河童や一反木綿などが綺麗な行列を作って歩いてきていた


禍刻「あれって、放っておいて大丈夫なのか?」

酒呑童子「本来であれば妖の脅威を見せしめるためだが形成しているのが瘴気に蝕まれた民だと考えると、止めた方が良いかもしれぬ」

禍刻「なら、どうやって止めるんだ?」

酒呑童子「百鬼夜行の中心部に我らが王を模した宝玉がある筈だソレを破壊すれば恐らく...」

禍刻「宝玉か、なら先にその場所を探さないとな」


そう言うと二人は近くのビルに飛び乗った

遠方からゆっくりと近づいてくる行列は依然陣形を崩すことなく確実に迫ってきていた

その行列の中心部には酒呑童子が言う様に

黒い宝玉が神輿に乗せられている


禍刻「宝玉ってあれの事か」

酒呑童子「そうだ、アレを破壊すればこの百鬼夜行は止められる」

禍刻「なら、速攻で壊しに行くぞ!」

酒呑童子「待て!」

禍刻「どうした?」

酒呑童子「百鬼夜行は、特殊な周波数を放っている。それ故、人間が近寄れば忽ち周波数に呑まれ、百鬼夜行の餌食となる」

禍刻「なら、どうやって?」

酒呑童子「まぁ、待っておれ。近くに我が部下の気配がする」

禍刻「あれは…六華か?」


酒呑童子が感じ取った気配は茨木童子の物であった

茨木童子はセーラー服を着た少女と共に、禍刻達よりも百鬼夜行に近いビルの上にいた


茨木童子「良いですか六華、あの宝玉を射抜くのですよ?」

六華「大丈夫、私ならできる」


そう言うと、六華は逆さ五芒星を空に描き、それにより生み出された御札を腰に装着された白日ドライバーに貼りつけた

その瞬間、


《白日!定刻…鬼!!》


という音声が周囲に流れ、奇妙な絶叫の様な声と共に六華の躰が蒼い炎に包まれ、キョンシーの様な姿へ変化した


六華「よし、準備万端!」

茨木童子「では、頭の中で弓をイメージしてください」

六華「弓をイメージ…」


六華が弓をイメージしながら力を溜めると、六華の手に大きな十字架が握られた

十字架は弓のような形に変化し、大きくせり出した部分は矢の形に変化した

六華はその弓を引き絞り、黒い宝玉に標準を定める

その間も、止まることなく百鬼夜行は前進を続ける


六華「あの宝玉にあわせれば…」


六華は弓の弦を大きく引き絞り、黒い宝玉目がけて一気に弓を射った

放たれた矢は十字架の形となり、黒い宝玉に綺麗に刺さり、破壊してしまった


酒呑童子「ほう?彼奴も見つけておったのか」

禍刻「今ので百鬼夜行が消えていく」

酒呑童子「さぁ、帰るぞ」

禍刻「だな、これで巷で噂されてる百鬼夜行は消滅した」

酒呑童子「まぁ、もしかするとまた現れるやもしれぬがな」

禍刻「そうなのか、面倒くさいな」

酒呑童子「まぁ、そういうな」


茨木童子「お手柄ですね六華」

六華「どうよ?」

茨木童子「素晴らしい弓術でした。しかし、百鬼夜行はまた起きる可能性がある事を忘れずに」

六華「わかったわ」


百鬼夜行が消滅しきるのを見届けると禍刻と酒呑童子は百鬼夜行の中心部に行き、落ちている禍魂をいくつか回収した後に帰路についた

その後を追うように、茨木童子と六華も帰路についた


同時に響く謎の声「今の気配、はるか昔に感じた事があるな…

同じ時代に転生てんしょうしておったか…

よもや、おもしろくなってきたな…」


次回 仮面ライダー逢魔ヶ

女子高生「ねぇ、聴いた事ある?」

禍刻「身体がモヤに!?」

酒呑童子「倉庫の様だな」

イカつい男「ほう?野暮用ねぇ…」


絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か

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