第弐拾弐夜 散りゆく武士に情けは非ず
禍刻「な、なんだ今の声!?」
六華「禍兄も聴こえたの?」
禍刻「お前もか?」
頼光「おいおい、何呑気に駄弁ってんだよ?」
同時に響く声「まだ完全ではないが、お前達に我が力を与えよう」
六華「力…?」
禍刻「力って、何の…」
同時に響く声「かつて異界を統治した妖怪の王たる我等の力よ」
禍刻「なるほど、ならその力」
六華「私達が受け取ってやろうじゃない!」
同時に響く声「その強気な態度、王の器とて悪くない。よかろう、ならば精々真なる力を得られるよう尽力するのだな」
禍刻「なんだこれ、力がどんどん溢れてくる」
六華「今までとは比べ物にならない程の力」
禍刻「これなら!」
━━━━変身━━━━
《定刻!逢魔…鬼!》
《定刻!白日…鬼!》
二人が叫ぶと、いつもとは違う音声が流れ二人の身体が炎に包まれる
炎が晴れた後、二人の姿は今までの変身後の姿とは異なっていた
禍刻は漆黒の太陽と鬼を掛け合わせた様な姿になり、六華は堕天使と鬼を掛け合わせた様な姿になっていた
禍刻「これが、新しい力か?」
六華「いつもと姿が違う…」
頼光「は!姿が変わった所で何になる!」
禍刻「さぁな?けど今ならお前を倒せる気がするぜ頼光!」
頼光「妖怪如きに俺が倒されるかよ!」
六華「なら、試してみる?」
禍刻「覚悟しやがれ!お前の首、切り伏せてくれようぞ頼光!」
頼光「おもしろい!やってみやがれ、妖怪共!」
二人は、先程までとは比べ物にならない程の力で、頼光と互角に渡り合える程になっていた
頼光「ちっ!姿が変わった程度でこれまで強くなるとはな!」
禍刻「おいおい!さっきまでの威勢はどうした?」
頼光「うるせせぇ!俺がお前ら妖怪如きに遅れを取るわけがねぇだろ!」
六華「どうやら、焦ってるみたいね?」
六華の言うように、頼光は自分と互角に並び立った二人を見た事で、少々焦った様子だった
頼光「くそ!なんで七罪を取り込んだ俺と互角に戦えるんだよ!」
禍刻「さぁな?俺たちにもわかんねぇよ」
六華「寧ろ、私達の方が知りたいくらいよ」
二人が頼光と戦闘している最中、閻魔宮殿では閻魔が操る水晶で禍刻達の戦闘を観戦していた
閻魔「頼光め、七罪の力を取り込んだとは言え、力を制御できていないではないか」
茨木童子「確かに、頼光の戦いぶりを見るに力を操っているというより、力に操られている様に見えますね」
閻魔「あぁ、恐らく怨霊として甦ったが故に、魂が悪魔の力を使役するに至らんのだうな」
酒呑童子「それにしても、禍刻達のこの姿はもしや!?」
閻魔「空亡とルシファーだろうな」
茨木童子「と言うことはやはり?」
閻魔「ご明察、二人は空亡とルシファーの生まれ変わりさ」
酒呑童子「ならば、我々が探していた存在はずっと近くに居たと?」
閻魔「そうなるね」
茨木童子「まさかそんな事が…」
閻魔「まぁ、妖怪の世界じゃよくある話じゃないかい?」
酒呑童子「それはそうですが、今まで無礼な態度を二人に…」
閻魔「ハッハッハ!今更二人がそんな事でお前達を責めるわけないだろ」
茨木童子「そうですよ酒呑童子様、彼等ならばそんな事気にしませんよ」
酒呑童子「だといいのだが…」
頼光と戦闘を続ける二人は、圧倒的な力で頼光を追い詰めていた
頼光「くそ!なんで妖怪如きに俺が追い詰められてんだ!」
禍刻「相当焦ってきてるみたいだな?」
六華「なら、早く終わらせてあげる」
禍刻「これで終わりだ!」
禍刻の言葉を合図に二人は飛び上がり、頼光に向かって蹴り技を繰り出した
頼光「こ、この俺が、妖怪如きにやられるなぞ、あってたまるか…!」
禍刻「往生際が悪いぜ?頼光」
六華「じゃあね、頼光!もう二度と会わないだろうけど」
そして、頼光は霧のように蒸発して消えてしまった
それを見ていた禍々しい和装の男は、顔を顰めていた
晴明「頼光め、いらぬ覚醒をさせてくれましたね…これでは、私の計画が水の泡ではないですか…」
頼光を倒した二人は、いつの間にか姿が元に戻っていた
六華「あれ?変身が解けてる」
禍刻「ん?ホントだ…まぁ、大丈夫だろ」
六華「そうだね、頼光は倒したんだし」
禍刻「さぁ!さっさと冥府を目指そう!」
六華「うん」
次回 仮面ライダー逢魔ヶ
禍刻「なんだコイツ…!」
閻魔「どこまでもしつこいやつだねぇ?」
六華「いい加減に!」
晴明「我が式神達よ!」
絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か




