第拾夜 意思持つ刀は宙を舞う
頼光「なんだか何故俺がここにいるんだって顔してんなぁ?そんなもん、言わなくたってわかるだろう?貴様ら妖怪を根絶やしにするためだよ!」
酒呑童子「ならば、異界に瘴気を撒いたのは貴様か?」
頼光「さぁ?どうだかねぇ?」
酒呑童子「貴様には借りがあったな、今此処で返させてもらおうか!!禍刻!暫しの間身体を借りるぞ!」
禍刻「おう!了解」
頼光「まぁ、そう躍起になるなよ酒呑童子!今はまだそん時じゃねぇだろう?それに、相応しい場所はもう用意してあるからなぁ?それまで待っててくれや!!」
そう言うと、源頼光は瘴気に溶け込むように消えてしまった
同時に、周囲に立ち込めていた瘴気も全て晴れた
禍刻「瘴気が晴れた…?」
酒呑童子「そのようだな、しかし彼奴まるで瘴気に溶け込むかのように消えていきおった…まさか、瘴気の力を取り込んでいるのか?」
長い鼻を持った山伏「酒呑童子様、お久しゅうございます」
酒呑童子「あぁ、久しぶりだな大天狗よ」
大天狗「お久しぶりに合間見えたかと思えば、儂の守護する祠に瘴気が立ち込めようとは、いやはや厄介な事が起こるものですね」
酒呑童子「そうだな、少々後味の悪い再開だな」
禍刻「ところで大天狗さん」
大天狗「如何なすった少年?」
禍刻「ここの祠に安置されてる刀について聞きたいんだけど、大丈夫か?」
大天狗「あぁ、鬼丸国綱のことですな?」
酒呑童子「それについては、我が説明しよう」
大天狗「よろしいのですか?酒呑童子様」
酒呑童子「お前は喋り出すと止まらんからな」
大天狗「左様ですか、これは失敬」
酒呑童子「さて、気を取り直して鬼丸国綱についてだが」
その昔、北条時頼が重病を患い寝込んでいた際、時頼は夢に毎晩現れる鬼に苦しめられていた
そんなある日、時頼の所有していた国綱という刀がひとりでに倒れ、小鉢の脚を切り落とした
その切り落とされた脚に彫られた意匠は時頼の夢に出てくる鬼にそっくりだったという
それ以降、時頼の夢に鬼はでてこなくなったそうだ
以来、小鉢に取り憑く鬼を斬ったことから
『鬼丸国綱』と呼ばれるようになった
禍刻「なるほどひとりでに動く刀か」
大天狗「鬼丸国綱はそちらの祠に祀っております」
酒呑童子「では、ここにも封印を施すぞ禍刻」
禍刻「おう、任せとけ」
禍刻が祠を開け、鬼丸国綱に手を触れるとたちまち瘴気が溢れ出てきた
やがて、瘴気は一箇所に集まっていき、大きな鬼の姿となった
大天狗「なんと、鬼が復活するとは」
禍刻「マジかよ…」
酒呑童子「禍刻、片付けるぞ」
禍刻「おう」
禍刻が逢魔ドライバーに禍魂を装填すると、おどろおどろしい待機音が流れ始めら鬼丸国綱が浮遊し禍刻の元へと漂ってきた
そしてひとりでに鞘から刀身が引抜かれ、禍刻の持つ刀と融合した
禍刻「これは…」
酒呑童子「禍刻、その刀をあの鬼目掛けてなげてみろ」
禍刻「わかった」
大天狗「禍刻様、コレをお使いください」
禍刻「なんだこれ?」
酒呑童子「なるほど、烏天狗の禍魂か」
禍刻「烏天狗?」
大天狗「私の配下の禍魂です、お役立てください」
禍刻「風って刻まれた禍魂か、使ってみるかね」
禍刻が手渡された禍魂を逢魔ドライバーの左側に装填すると
《逢魔!鬼…風!!》
という音声がながれ禍刻の周囲に旋風が吹き荒れた
旋風が晴れると、躰は翠に変化し、装飾は深緑へと変わった
禍刻「この状態なら風を起こせるってことだよな?」
禍刻が手を前に突き出すと強烈な突風が巻き起こった
酒呑童子「やはりか、禍刻その風に乗せて刀を飛ばすのだ」
禍刻「了解」
禍刻は刀を投げ直後に突風を巻き起こした
すると、刀は水平に飛んでいき鬼の元へ到着するやいなや、鬼の周りで何度も回転斬りをくり返している
大天狗「禍刻殿、今です、彼奴の周囲に旋風を発生させるのです」
禍刻「旋風を?」
言われたとおり禍刻が旋風を発生させると、刀の回転がより速くなり、その後僅か数秒足らずで鬼を倒してしまった
禍刻「この刀は強いな」
酒呑童子「さぁ、封印の施しを行うぞ」
禍刻「やるか」
禍刻が祠に近づくと、禍刻の意図を読み取ってか鬼丸国綱が禍刻の元へと飛んできた
禍刻はそれを掴むと、祠に封印を施した
すると、周囲の微かに残った瘴気が祠へと集束していき、辺りの瘴気は綺麗さっぱり消え失せた
禍刻「よし、これで終わりだな」
美しく響く謎の声「やはり、瘴気の元凶は安倍晴明か…陰陽師共め…絶対に許さぬぞ……我らが異界を荒らしてくれた事、キッチリと礼をせねばな…!」
次回 仮面ライダー逢魔ヶ
六華「大典太光世?なにそれ?」
酒呑童子「なるほど、やはり我を狙っているか」
大天狗「酒呑童子様、くれぐれもお気をつけて」
元気な女性「あっれぇ?酒呑童子様じゃーん!!」
絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か




