喧嘩そして再旅立ち
「お前な、人を馬鹿にするのも大概にしろ!確かに俺は発作が起きるけど、今はそんなでもねぇ!!大体初対面なのに上から目線がもっと気に入らねぇ!!!助けて貰わなくても平気だったしなっ!このスットコドッコイ!!」
「すっ…スットコドッコイ!?」
レオンは意表をつかれたような顔をし、ルウガが放った言葉を繰り返した。
彼には自信というプライドがあったのだろう。
それを傷付けられて黙ってはいない。
「ずいぶんと威勢が良いガキだ…良いだろう、そこまで言うなら好きにしろ。護衛なんぞしない。ただしお供はする。約束だしな」
「お前なんか必要ねーよーっだ!」
ルウガは舌を出して思い切り嫌な顔をした。
レオンもルウガを見下して冷笑している。
会ったばかりだというのに、二人の仲はもう最低値だ。
「俺はここの始まるの大橋を渡って、『試練の追憶塔』があるモルバナに行く。別にお前なんかついて来なくて良いけどな!」
カチンと来たのか、レオンもルウガの挑発に乗ってしまい、意地を張ってしまった。
「あーそうか分かったよ!お前一人で行けばいいだろうが!」
「えーそうさせて頂きますよ!」
ルウガは顔を背けたレオンに目もくれず、始まりの大橋を一人で渡ってしまった…。
…***…
「さてと…邪魔者はいないし、早くモルバナに行こう!」
まだ周辺は合体していないモノノケしかおらず、ルウガはあっさりとモルバナについてしまった。
前にも言ったがモノノケには種類がある。
スピードが速いが攻撃が弱いヤクビ型。
力が強いが防御が弱いオーク型。
防御が固いがスピードが遅いダイダル型。
他にも、魔法専門のシルット型がいる。
魔法には火、水、草、氷 、風、光、闇の七行から保たれており、それぞれ得意とする属性を使用している。
「モルバナに着いたぁ~…ん?なんか様子が変…?」
ルウガは辺りを見回して気付いた。
いつもならモルバナは、試練の追憶塔を目的とした旅人や修行者達で賑わい、とても活気があるはずだ。
だが、今のモルバナは活気所か町に人っ子一人いない。
店も全て閉まっているし、丸で何かを怯えているようだ。
ルウガは事情を知るため、ある一軒を尋ねてみた。
「すいません、旅の者ですが…」
「あぁ…追憶塔が目的かい?」
「はい」
「なら止めといた方がいい…今あそこは反レイヴンのブラッター団がいるから…入れやしないよ」
「反レイヴン!?」