有名人登場
ちょっとシリアスになっています……
早く明るい話が書きたい……(T_T)
「あんたは必要とされなかった! 受け入れて貰いたいがために、男に成り済まして、人を騙した!」
「ち……違……」
「あんたは必要とされない。されてない。あんた自身はいらない、力だけが望まれた! あんたが女じゃなければ……」
皮肉で非情な言葉がルウガを襲った。
耳を抑えて涙を流しながら屈むルウガに容赦なく言葉を奮うマサラ。
「や……やめ「あんたはっ!! 必要とされてないのよッ!! さっさと諦めてこっちにくる事ね!
この、死にぞこない!!」
心の本体に雷が墜ちたように、ルウガが崩れ墜ちた。
レオンと奏蒼が声を賭けても、耳に届かない。
-俺……生きる価値……無いのかな……-
状況が一向に変わらないその場所に、どこかで見たことが有るような人物が現れた。
長く芯が固い髪の毛を結び、頭はツンツン跳ねて海胆頭になっている。
瞳はレイヴンよりも明るい黄色で、光かのように透き通っていた。
羨ましいほど凛と現れた彼は、ルウガとマサラの間に自然に入り込み、会話を始めた。
「止めといて貰えませんか? この子を虐めるのを」
「んだよてめぇはよぉ! いきなり来やがって、何者だ!?」
「エレフの元・お供……とでも言えば、分かりますか?」
「な……!? 生きてやがったのか……?」
「えぇ。お蔭様で」
マサラ達と奏蒼は知らないだろうが、ルウガとレオンは少なくとも一度は見ている。
あの水晶で。
「あ……ケルシオン!」
「大正解。有難うございますね、奏蒼様」
「なぜだ……てめぇは十二年前に一緒に死んだはずじゃ……」
「残念ながら、僕は死にませんでした。エレフさんが、僕に呪いをかけましたからね」
「の……呪い?」
「左様。十年間、僕の時を止めて封じ込める呪いですよ。最期のお言葉を受けて、貴方の元にきました。ルウガさん」
「………ッ」
今更こんな自分が、父親の期待を裏切ったも同然な自分が、彼を巻き込んでいいものか悩んだ。
そんな考えにも気付かずに、ルウガに話し掛けるケルシオン。
「彼と共に……支えてくれと。貴方を一人にはしませんよ、ルウガさん」
「でも……俺……もう……」
「そうさ! そいつはもう疲れたってさ!」
「黙れ」
優しかったケルシオンの表情が豹変した。
目つきは鋭く、柔らかい言葉は刺々しくなっている。
「どこで彼の情報を手に入れたのですか?ここまで知っているのはただ事ではありませんよ」