洞窟編終了!
「ちょっと待てよ、お前今ナナって言ったよな?この子もナナって名前なのか?」
「そうや。絨毯とランプは一つみたいなもんやからな~」
「めんどくさッ」
ルウガは口を尖らせて言った。
ナナ、と呼んだら二人が振り返るのだ。
わざわざどっちに話し掛けたのか説明しなきゃならなくなる。
「ま、そんなん契約したらなくなるけん、安心しい」
「……は?」
「あたしはいなくなるさかい、ね」
契約をすると、その召喚獣と一体だったものは消えてしまうのだ。
つまり、ナナがナナと一緒にいられなくなる、絨毯のほうのナナは消えてしまう、ということだ。
「ナナ…」
「大丈夫。こいつならあんたをきっと大事にしてくれる。あたしがいなくても平気やで」
「私、ナナと離れたくないよ…」
「我慢し…」
「…レオン」
「分かってる」
レオンはランプから出てきたナナの手をとり、絨毯の方のナナの手もとって、二人の手を繋げた。
二人共素っ頓狂な顔をしてレオンを見つめる。
「契約は…しなくていいよ。俺はあんまりそういうの使わないからな。」
「!!?」
「二人はさ、友達なんだろ?真っ暗な洞窟の中で、唯一の友達」
「あ…」
「仲良くな!」
レオンはにかっと笑い、その場を後にした。
「元気でなっ!」
「可愛いレディーを見逃すのはかなりもったいないが、友情という絆を断ってまで手に入れるなんてそんな非情なことはこの奏蒼、決して「はいはい!」
ルウガと奏蒼も、一言ずつ言葉を述べてその場を去って行った。
あまりにはやく過ぎたことに言葉が追い付かなかったが、ナナとナナは顔を見合わせて優しく微笑みあった。
「さすが、ナナが認めた人だね」
「せやな…あいつら、元気でやっとうことを祈るか…」
「ふふっ、そうね♪」
「せやけど…あのレイヴン、なーんか可笑しいん奴やったなぁ…」
「確かに…何かが潜んでそうだったわね…」
二人の予想は当たっていた。
時が流れ、
ルウガ達に与えられるのは、
苦と悲による
壮絶なものになるとは…
今、誰も知らなかった…
やっと終わりました…
これで進められます…
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