初の旅行路決定!
まだまだ初心者ですので、悪い点や間違えがあると思いますが、どうかよろしくお願いします(汗)
「うむ!では竜の髪止めを渡そう」
「ありがとう…はぁー」
ルウガはため息混じりに竜の髪止めを受けとった。
お供をつけるのは最悪だが、その条件を無しにする方法をフル回転でさがす。
そして、一つの考えにたどり着く。
(そうだ…そいつとはぐれたフリすれば良いんじゃないか!?)
そうすれば一人でも強いと言うことを証明できる!
ルウガは一人納得しながら満面の笑みで長い髪を貰ったばかりの髪止めで止めた。
レイヴンは皆髪が長い。人間の倍の早さで伸びるため、男だろうが女だろうが髪が長いのだ。
「じゃあ早速旅仕度♪」
ルウガは押しかけた村長の家を飛び出し、自分の家に帰るとすぐさま旅仕度を始めた。
ルウガに父はいない。
いや、もしかしたら母もいないかも知れない。
ルウガの父親は、世界で最も有名なレイヴンの内の一人であり、ルウガ自体もその遺伝子を受け継いで、ほかのレイヴンよりも高い脳力値を持っていた。
彼は、ルウガが生まれて来る直前に闇魔王のシィーグスと相打ちになって死んでしまった。
母親もルウガが物心ついた時には既に村にはいなかった。
ここまで優しく育ててくれた村人達や村長と離れるのは寂しかったが、ルウガは世界を救った父親になるために、ずっと旅に出たかった。
それがついに叶うのだ。
迷う必要はない。
リュックに必要な物だけを詰め込み、ルウガはまた村長の家へと向かった。
途中、
「やっと旅に出るの!気をつけていってらっしゃい」
「しっかり修行してこいよ!」
と温かい言葉を賭けてもらい、ルウガはこそばゆい感情を抱きながらも、村長の家に上がり込んだ。
「おぉルウガか。旅仕度が早いな」
「当ったり前!」
ルウガは親指を立ててビシッと向けた。
「今連絡をとってな。ここから30キルメイト行った所の《アクテス》と言う町で待ち合わせになった」
「アクテス…って確か、始まりの大橋が有る所だよね」
「あぁ。
…いいかルウガ。余り怪我をするな。それから疲れすぎるのも。お主、昔発作があったことを忘れるなよ」
「……うん」
ルウガには昔、疲れたり怪我をしたり、少しでも体や精神に負担がかかると、発作が起きていた。
発作というのは、急に息が苦しくなり、体の自由が利かなくなることだ。
今こうして余り発作が起きないのは、母親のおかげらしい。
だが完治したわけではないので、村長はルウガに過保護といっていいほど無理をさせて来なかった。