魔法の絨毯とランプ
「どうしたの?奏蒼」
「かっか、カーペットが喋った!」
「だからうちはカーペットじゃ無か!!」
「うわっ、本当に喋ってる!!」
三人は合流し、ランプを大切そうに抱える少女にいくつか質問をすることにした。
Q,あなたのお名前は?
A,ナナ
Q,あなたは何者?
A,魔法の絨毯
Q,ここで何をしてる?
A,ランプを守ってる
Q,なぜランプを?
A,友達だから
Q,何歳ですか?
A,さあ
「とにかく、そのランプの中は何なんだ?」
「これは魔法のランプよっ!中にはうちの親友がおるんや」
「女?」
「そうや。このランプはな、うちが認めた人にしか渡さへんねん」
ほぉ~、と奏蒼が声を漏らし、自分に指を指してナナに聞いた。
「当然だが、俺様は良いだろう?」
「ダメや。人を汚な言う奴が良い分けないやろ」
「なっ!?」
奏蒼は有り得ない、という表情で落ち込んだ。
「お、俺は?」
「あんたレイヴンやろ。…なんか…」
ナナはおちゃらけた顔を一気に曇らせて、ルウガの臭いを嗅ぐように鼻をひくつかせた。
「邪の臭いが僅かにする…あんたの中になんかおるんとちゃう?」
「えー!?いないよ~」
「ま、邪がある奴はあかん。…そこのあんた、あんただけは認めてやってもえぇけど」
「お…俺?」
レオンは嫌みったらしく睨みつけて来る奏蒼になんと反応して良いか分からず、とりあえず苦笑いをしておいた。
「何が出来るんだ?」
「契約するんや」
「契約?」
ナナ曰く、
ランプの中にいる精霊を呼び出して話をつけ、上手く行けば自分の召喚獣となって助けてくれるらしい。
召喚にはミラが必要で、召喚獣は世界に数多いる精霊と話をつけて契約をすれば自分の召喚獣となる。
「それじゃあ呼び出すでぇ~、
《偉大なる精霊よ、今ここに純白なる主の下、その御霊から現れたまえ》
!」
ナナがそう永昌すると、ランプは小刻みに奮え出し、そして綺麗で細かい光となった。
光は一つになり、やがて少女へと姿を変えた。
頭と首と手に金の飾り、白のベールで隠された小さい顔、フリフリの洋服を着た彼女は柔らかく可愛らしい笑顔を見せた。
「…やっと会えたね、ナナ。そして、主様」
「ナナ可愛い!こうやって対面するの初めてだねっ」
二人は顔を合わせたのは初めてらしく、会話は全てテレパシーで話していたという。
ナナは彼女にへんな主を付けぬよう、よほど神経質に主を選んでいたのだ。