表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の掟  作者: 来奈
14/26

女酔いの王奏蒼


クラティス王国…

そこは、世界一の経済力と国民支持を得ている大国だ。


だが、その王国までも、歪み始めていることに…

誰も気付いてはいなかった…


…***…


「うっわぁ~~!!すっげぇーデッケー!」

「お前、クラティス来るの初めて?」

「うんっ!じいちゃんから聞いてたけど、やっぱ実物はすげぇ!」


はしゃぎ興奮するルウガに、レオンは優しくほほ笑みを返した。


すると、慌てて隣を過ぎ去る者が多いことに気が付く。


「何かあったんですか?皆、慌てていますが…」

「知らないの!?今日ジパーグから国王様が来てるのよ!!」

「国王!?」


ジパーグといえば、トライアス大陸の東側にあるジァンヌ列島を制している、クラティスには劣るが国王の人気がとてつもない国だ。


「俺国王様に会いたいっ!会いに行こうよレオン」

「え?別にいいけど」


二人はその国王がいるという酒場へ向かった。

なぜ酒場?

と思いつつ、ルウガは期待を膨らませて行った。

国王といえば、なんか…かっこいくて誠実で凄い人なんだろうな…と妄想しながら、ルウガは酒場の戸を潜った。


が。


「きゃー!!奏蒼様ー!!」

「素敵~♪」

「まぁまぁレディー達、俺を取り合わないでくれ、平和的にやろうぜ?」

「「きゃあああー!!!かっこいい~!!!」」

「な…なんだ?」


酒場に入ると、女、女、また女。

女性達が一人の身なりの良い成年…奏蒼を囲んでいた。

まさにハーレム状態。

すると、奏蒼がこちらに気付いてやって来た。


「これは可愛らしいお嬢さん、お近づきの印に、口づけを」


と行ったかと思えば、ルウガの右手を取り、甲にキスをした。

これにはルウガもレオンも気が気ではなく、黙ってはいられない。


ルウガは呆然としていたが、事の大きさを思い出す。


「なっ…ななななななな、何すんだよ!!?」

「どうしたんだお嬢さん、そんなに慌てて」

「お、お、俺は男だっ!!」

「……え?」

「だからっ!俺はお・と・こ!!」

「う…嘘だー!!!」

「マジだよ!最悪だ…」

「(^_^;)」

「何いきなり顔文字使ってんだよ」

「ごめん」


ルウガは手の甲を服に擦りつけて今の一件を無くそうとした。

レオンはまじまじと奏蒼の顔を見つめた後、はっとしたような顔で叫び始めた。


「あー!もしかしてジパーグの《女酔いの王奏蒼》!?」

「そうだけど?俺が第18代目国王奏蒼だ!!」

「えぇえぇえーー!!?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ