父の言葉
たくさんの人に読んで頂き、本当にありがとうございます!
これからも《勇者の掟》
よろしくお願いします♪
m(_ _)m
{俺はお前が元気でいてくれることを願っている。そしてレイヴン…勇者とはなんたるか、勇者の掟とは何かを自ら学んで欲しい。
確かに怖いことや嫌な事もたくさんあるだろう。だけどな、それらを乗り越えて行けば更に強いレイヴンになれるんだ}
{何かっこつけてるんですか…}
{今いいとこだから邪魔すんな!いいかルウガ、俺はお前と会えないけれど…何もしてやれないけれど…}
「……」
ルウガは黙り込んで父親の顔をじっと見つめる。
{辛いことを跳ね返しちまうほどの立派なレイヴンになれ!誰にも負けない、父親も越す強いレイヴンになれ!!勇者の掟を自分で見つけ出すんだ!
それが、俺がお前に托す願いだ…最後がこんなんで悪かった…。ずっとお前を応援してるぜ!
………じゃあな}
名残惜しそうな顔をした父親は水晶からすぅーっと消え、沈黙だけがルウガ達を包んだ。
しばらくして、その沈黙が見知らぬが知っているとも言える男によって破かれた。
「そこのレオンとやら!てめぇよくも~!」
「えっ!?レオンが二人!?」
突然現れた男は鏡を写したかのように、レオンそのものにそっくりだった。
「あー…ややこしくなるけどな、町で俺っぽい人にあったろ?」
「うん」
レオンっぽいではない。
あれはレオンのはずだった。
「あれは俺を摸して魔法で化けた偽レオンだったんだよ。どっかで俺のやり取りをずっと聞いていたらしい…。んで、お前を見つけて、騙してた奴ボコボコにした後に、慌てて俺がついていったってコト」
「えーとつまり…町で会ったレオンは、偽物…偽物ぉー!!?」
「そ。遅くなったけど、俺が正真正銘お前の護衛兼お供をすることになったレオンだ。よろしくなルウガ!」
「えぇえぇぇー!!!?」
信じられないが、今一緒にいるレオンは町で喧嘩別れしたレオンとは別人で、目の前にいる偽レオンが魔法でルウガを騙していたのだ。
しかしこれで分かった。
町の中と塔の中での、レオンの行動や言葉になぜ差があったのか、ルウガは理解できた。
「クソッ!折角風魔法《写し幻風》を覚えたっつーのに!!」
「そりゃ自業自得だ。それよりも、こいつはかなり怒ってるみたいだぜ?な、ルウガ」
「……」
ルウガは腰から双硫剣をゆっくり抜き取り、偽レオンの所へと歩み寄る。
「…父ちゃん、俺、まだレイヴンとして未熟だけどさ、レイヴンの…勇者の掟を絶対見つけて見せるからね…!」