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勇者の掟  作者: 来奈
10/26

父の言葉

たくさんの人に読んで頂き、本当にありがとうございます!

これからも《勇者の掟》

よろしくお願いします♪

m(_ _)m

{俺はお前が元気でいてくれることを願っている。そしてレイヴン…勇者とはなんたるか、勇者の掟とは何かを自ら学んで欲しい。

確かに怖いことや嫌な事もたくさんあるだろう。だけどな、それらを乗り越えて行けば更に強いレイヴンになれるんだ}

{何かっこつけてるんですか…}

{今いいとこだから邪魔すんな!いいかルウガ、俺はお前と会えないけれど…何もしてやれないけれど…}


「……」


ルウガは黙り込んで父親の顔をじっと見つめる。


{辛いことを跳ね返しちまうほどの立派なレイヴンになれ!誰にも負けない、父親も越す強いレイヴンになれ!!勇者の掟を自分で見つけ出すんだ!

それが、俺がお前に托す願いだ…最後がこんなんで悪かった…。ずっとお前を応援してるぜ!

………じゃあな}


名残惜しそうな顔をした父親は水晶からすぅーっと消え、沈黙だけがルウガ達を包んだ。


しばらくして、その沈黙が見知らぬが知っているとも言える男によって破かれた。


「そこのレオンとやら!てめぇよくも~!」

「えっ!?レオンが二人!?」


突然現れた男は鏡を写したかのように、レオンそのものにそっくりだった。


「あー…ややこしくなるけどな、町で俺っぽい人にあったろ?」

「うん」


レオンっぽいではない。

あれはレオンのはずだった。


「あれは俺を摸して魔法で化けた偽レオンだったんだよ。どっかで俺のやり取りをずっと聞いていたらしい…。んで、お前を見つけて、騙してた奴ボコボコにした後に、慌てて俺がついていったってコト」

「えーとつまり…町で会ったレオンは、偽物…偽物ぉー!!?」

「そ。遅くなったけど、俺が正真正銘お前の護衛兼お供をすることになったレオンだ。よろしくなルウガ!」

「えぇえぇぇー!!!?」


信じられないが、今一緒にいるレオンは町で喧嘩別れしたレオンとは別人で、目の前にいる偽レオンが魔法でルウガを騙していたのだ。


しかしこれで分かった。

町の中と塔の中での、レオンの行動や言葉になぜ差があったのか、ルウガは理解できた。


「クソッ!折角風魔法《写し幻風》を覚えたっつーのに!!」

「そりゃ自業自得だ。それよりも、こいつはかなり怒ってるみたいだぜ?な、ルウガ」

「……」


ルウガは腰から双硫剣をゆっくり抜き取り、偽レオンの所へと歩み寄る。


「…父ちゃん、俺、まだレイヴンとして未熟だけどさ、レイヴンの…勇者の掟を絶対見つけて見せるからね…!」


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