表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/68

46 魔宝箱


セーフティエリアに到着し、さっそく焚火台に火をつけコマンド画面を出す。


───────────────

ダンジョン4層のクリア条件

3日間滞在する。

イズベラの種を食べる。

───────────────


第4層は岩山と谷が多く存在しているが、おそらく崖の中腹あたりにイズベラの花があるはず。学院ではまだ習っていないのかそもそも習わないのか分からないが、国立魔法図書館で魔法生物図鑑に載っていたので覚えている。もう数百年以上前に地上では根絶した魔法植物で食べると魔力総量が10くらい増えるという幻の種になる。


ただひとつ問題があるとすれば、この第4層には崖の部分にデミロックという鳥の魔獣が縄張りにしているという悩ましい事実が挙げられる。


岩山の下から魔法を放つが、あっさりと避けられる。そもそも空中を飛んでいる魔物に当てるのが至難の業である。100m離れたところにいるターゲットに200キロくらいの速度で飛んで行く魔法を放ったと仮定する。到達するまでに2秒弱はかかるため、回避しようと思えば時速3キロくらいでゆっくり避けても余裕でかわせてしまう。


追尾機能がついてる魔法が届けばいいのだが……私が第3層で使った誘導糸矢(ホーミングレイ)は有効射程距離が50メートルくらいなので使えない。


ということで今のところまったく当たる気配がない。


盾役(タンク)が使う挑発系の魔法も一応使えるので使ってみたが、効果がない。用心深いのか、まったく下に降りてこない。


鳥だから夜目が効かないかも、と考え夜中に奇襲をかけてみたが、あっさりと気づかれて失敗に終わった。


「罠を……どうでひゅ……」


エマが急に喋り出したので全員彼女の方へ振り返ったら、緊張して最後まで言えなかった。でも言いたいことは分かった。罠を仕掛けるのはどうかという提案をしたかったはず。


罠かー。皆でなんかいい魔法がないか相談したが、これといって有効そうな魔法が出て来なかった。


(シリカ、私にまかせてください)


背負っている背嚢のなかから念話でアールグレイが話しかけてきた。──おお、そんな魔法があるんだ。やっぱり魔法って奥が深い。


魔宝箱(ミミック)……実際ミミックと言うナメクジのような宝箱などや空き箱に寄生し、知らないで開けると各種のガスで眠らされたり、痺れたり……時には即死効果のある危険なガスを吐きかけてくる厄介な魔物のことを指す。アールグレイはそんな冒険者に嫌われ者トップ5に入る魔物を鉄魔法で再現した。


箱の中には大量の獣の肉を入れておいた。岩山の下に魔宝箱を設置して離れた場所の岩陰からこっそり様子をうかがう。しばらく付近に敵がいないかをグルグルと空中を旋回していたデミロックが魔宝箱(ミミック)のそばへ1羽降り立つと堰を切ったようにデミロックが殺到し、魔宝箱(ミミック)の中にあった獣の肉をかっさらっていった。


同じようにあちこちへ同様の魔宝箱(ミミック)の罠を仕掛けて、デミロックにエサを与える。


次の日の朝、岩山のところへ行くとデミロックだったと思われる大量の色見石(カラーストーン)が散乱していた。どうやらアールグレイの仕込んだ魔宝箱の毒入りの肉が美味しくて全部食べてしまったようだ。


デミロックのいなくなった崖にあるイズベラの種を皆で手分けして大量に収穫する。魔法飛行の苦手なメンバーはここで飛行訓練をついでに行った。


何粒食べても効果があるのを知った私たちはイズベラの種を探せるだけ探して根こそぎ取って、ひとり数十粒は食べた。私はそこまで実感できなかったが、他のメンバーは違う。焚火台のそばに浮いているステータス画面をみると、多いもので1,000近くも魔力総量が上がったメンバーもいた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ