初カノ
一途でいて欲しい方はここでオコですかね。なんなら飛ばすもあり。でもまた読みにきて下さいね。
頑張っていれば報われるようで、大学2年の春に俺にも由美さんという彼女が出来た。
塾でたまに会っていろいろと技を伝授してくれる同じ大学の一個上の先輩だった。自分は守りたいタイプだと思っていたが、彼女の抱擁力が心地良かった。周囲からは俺が甘えすぎだと言われたが、彼女との関係は良好で長く続いた。女性の事は全部彼女から教わったようなものだった。
彼女は人文系の学部で、成績が優秀でそのまま院に進んだ。俺は競争率の激しい県の教員採用試験を希望していたから、学部卒で受験した。運良く1発合格で、最初は中学校に配属された。
順調だった。
教員になって無我夢中の一年が過ぎ、ニ年目の五月の事だった。春の嵐というか、大気が不安定な状態が続いて突然の大雨や雷で、生徒達の下校に神経を使った。その日は竜巻注意報まで発令されてまさかと思いながら、校庭の片付けに追われていた。
まず、生徒ではなくて良かったと思った。サッカーゴールの下敷きになったのが、俺で、まだ良かった。最初はそう思ったんだ。
次話から城内比呂目線と安積廣智目線がランダムになります。