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ドリンクバー4つ〜城内比呂目線

 ほどなくして柿岡さんと武原由美さんが現れた。高校卒業以来、何年たってるのよ、とツッコミたくなるくらい軽いのりで柿岡さんが挨拶してきた。


「城内〜久しぶり〜。こちら、武原さん、安積の元カノ。知ってるよね。今騒ぎになってるもんね。武原さん、こちら城内さん俺の高校の同級生なの。安積の入院先の職員さんね。」


必要?その紹介。と思いつつも向こうがお辞儀をするから、私も軽く会釈する。こちらとは目を合わせづらいのか下向きのまま武原さんは席に座った。


「岩間ありがとうね。城内呼び出してくれて。俺の呼び出しだったら100%逃げるからさー。なんか頼んだ?とりあえず飲み物ね。」


柿岡さんがドリンクバー四つと注文する。


「俺、取ってくるわ。武原さんコーヒー?城内や岩間はどうする?」


「私自分で行くし。岩間くん烏龍茶?」


「あ、頼むね。氷無しね。」


武原さんと残されるのは嫌で席を立つ。しかし岩間くんは置き去りにしてやる。黙って呼び出した腹いせだ。


「あれ、岩間ともしかしていい感じ?好みとか知ってる感じ?」


相変わらず嫌な感じの邪推をいれてくる。


「そっちこそ。この席設けたくせに。岩間くん使ったりして。タチ悪い。岩間くんいい迷惑じゃない。あと、盗撮写真集にも文句あるからね。」


「あれは、俺の傑作編集なのよ?文句あるなんて心外。岩間ね、同じクラスだったんだし、いーじゃん。」


「あれ、ばら撒いたら通報する。」


「盗撮って言ったってクラスで撮った奴まとめただけだもん。誰だって作れるじゃん。あ、城内の部分をアップにしたりの俺なりの加工センスはマネできないな。まあ、ばら撒いたら安積に絶交されるからしないけどね。」


相変わらずの柿岡さんである。


 席に戻って気まずくそれぞれ飲み物を口にした所で、


「これを安積さんに渡して欲しいんです。」


ふつうの白い何も書かれてない封筒を武原さんはテーブルの上に置いた。柿岡さんも岩間くんも黙ったままだ。


「内容を私が確認しても構いませんか?もし患者さんを傷つけるようなものであったら預かることは出来ません。」


そこははっきり言わせてもらわないといけないので、強めの声で告げた。武原さんは、はっと顔をあげこちらを見返して力なく微笑んで


「確認してください」


と呟いた。


城内目線続きます。

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