最低最悪禅問答 長編の極意とは!?
「作麼生」
「説破」
時は秋。
場所は山寺。
真紅の紅葉舞い散る閑静な境内、老僧と修行僧、坊主二人の声が響く。
「何時に問う」
修行僧は、本堂で向かいあう老僧に問いかけた。
「長編の極意とは、これ如何に?」
「コウモンにあり」
「こ、こうもん?」
老師は眉をヒクッと動かし、片目を開くと答えを述べた。
老師の答えに修行僧は口をあんぐりあけ、驚きを隠せない。
――何故コウモン……。
「たわけが……」
物分りの悪い弟子に向かい、師は目を閉じ、説明を続けてゆく。
「水戸の黄門のように、最終目的地を決め、毎回同じ展開をとりつつ、その中で小さな謎を回収してゆく。
そして、運河の閘門のように、謎が次の水位まで満たされると、次の目標地点まで一段話を進めるのじゃ」
「成る程」
感心する雲水に向かい、老師は更に続ける。
「そして、それをひたすら繰り返し、ホモのランナーの如く、肛門まで迷い無く、己の筆を突き進めて行けば、おのずと本懐は遂げられよう……」
「……参りました」
頭をたれる雲水。
禅寺には、ただ蝉の声だけが響いている。
この方式、漫画とかでも良くあるパターンですよね……。
某海賊とか……。