わたしがみつけたあの空は
わたしがみつけたあの空は
あなたの空となにがちがうの
わたしがさわったあの命は
あなたの命となにがちがうの
ゆっくりと息をすいこみ
ゆっくりと息をはきだす
時々ゆっくりと窒息して
時々ゆっくりと時をとめるツナワタリ
あなたの四肢は鼠色の毛に覆われ
わたしの顔は鮮やかなピンクのかたまり
だからふたりは影絵のなかで
近づいたり離れたりを繰り返すの
拍手は聞こえない幕の内側で
他人の息づかいをとらえようと四苦八苦
足はからまり 歌は遠吠え
時間がくるまで 明日の幕を願いながら
顔のない群集は与えられた役もなく
指揮者の顔に答えをさがして右往左往
入り口は入り口 出口は出口
逆走したら もはや戻れないと知っている
わたしがみつけたあの空は
あなたの空とはまったくベツモノ
わたしがさわったあの命は
あなたの命によく似ているのカモシレナイ