7、やられたら、
『プレイヤーにキルされました。セーブポイントで復活します』
オレは呆然と立ち尽くす。
死んだことにより、最近寄ったばかりの町に戻された。
モゾモゾとバッグが動いた。ああ、オレが開けてやらないから出られないのか。
開けてやると、さっちゃんとゲコちゃんが顔を出した。
心なしか、オレを心配しているように見える。
「ごめん……」
何に誰に謝っているのかわからなかった。
「お、“タン”。ここで会うなんて偶然だなー」
シグリンだった。
笑う友人を見て、どっと緊張が解けた。
「……? どうした、何かあったのか?」
「……プラちゃんが、PKに殺された」
「…………は?」
震える声で答えると、シグリンは大きく目を見開いた。
「もしかして、“あの”PKにやられたのか」
シグリンは、何か分かっているように呟いた。
「お話の途中失礼します」
オレとシグリンの間を割って入った声に肩を揺らした。
声の方を見ると、プレイヤーが3人いた。誰もが傍にモンスターを従えている。おそらく、サモナーかテイマーの職業の人達だろう。
「すみません。お話が聞こえたもので……タンさん……? はテイマー、なんですよね」
「はい……そうですけど」
最初声を掛けてきたプレイヤーとは違う人が、オレに聞いてくる。話が掴めずに、彼らを訝しみながら頷いた。
話が聞こえた、ということは、プラちゃんがPKに殺された話についてだろうか。
オレの頷きを確認すると、3人は目配せし合った。
ホント一体なんなんだ……
「俺達と“テイマー殺し”に復讐しませんか」
今まで言葉を発しなかったプレイヤーが、オレを誘ってきた。
“テイマー殺し”……?
もしかして、あのPKのことだろうか。そいつに復讐って、何をするつもりなんだろう。
「ちょっと待ってくれ。いきなりコイツに結論を言っても、ほとんど今の状況理解出来てないぞ」
シグリンが、オレへ迫る選択に待ったをかけてくれた。
ありがたい。さすがオレの友人だぜ……
「ああ、そうですね。“テイマー殺し”というのは、テイマーを執拗に狙い、テイムモンスターを殺しテイマーに絶望を与えようとしてくる、プレイヤーキラーです」
「私達は、そいつに被害を受けました。大切にしていた子が殺されました。二度と戻らないパートナーを、です。だから復讐をしたい」
「君もわかるでしょう。テイマーの君なら……」
3人それぞれが話し出す。
そしてオレに再び、復讐を提案してきた。
……正直、オレはどうすればいいのか分からない。
復讐なんてしたところで、という気持ちが大きい。
__オレは3人の手を取った__
遅れすぎやぞ……