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14話

「わぁ、おいしい!」

「それはよかった」


 食後はコーヒーをもらうことにした。

 砂糖を入れてミルクは入れずにブラックで飲んだが、そんなに苦みは感じずとても飲みやすい。

 今回入れてくれたコーヒーは飲みやすいタイプらしく。


「コーヒーってこんなにおいしかったんですね」

「あぁ、苦いばかりがコーヒーじゃない」


 コーヒーもまた奥が深いようだ。

 ちなみにコーヒーショップで買ったカレー用のコーヒー豆は今回使わず、次回使ってみようと思っている。

 コーヒーショップでも本でもカレーに入れるのはインスタントコーヒーが扱いやすいとのことだったからだ。

 それでも味の追及はしたいので一応買ったというところである。


「ふぅ、ごちそうさまでした。僕は洗い物をしておくので先にお風呂どうぞ」

「あぁ、分かった。それじゃあ先に入らせてもらうよ」


 食洗器に洗い物を入れて、晩御飯の後に返されたお弁当箱はいっしょに洗えないので手洗いする。

 お弁当箱の中身は綺麗になくなっていて、しっかりと食べてくれたようだ。

 明日のお弁当は何にしようか……。


 お弁当のことを考えつつも、明日の朝ごはんの準備も進めておく。

 お弁当についてはおいしかったと言われれば作った方としてもうれしく、気合が入るというものだ。


「悠里君。上がったよ」

「ふぁ!?」


 鼻歌でも歌ってしまいそうなくらいに上機嫌に準備をしていると不意に後ろから覆いかぶさるように抱き着かれ声を掛けられて飛び上がるほどに驚いた。


「び、びっくりしました」

「集中してて、声をかけても聞こえてなかったみたいだから」

「だ、だからってなんでだ後ろから抱きつくんですか……というか、そろそろ放してください」

「うん。ところで今日も髪を乾かしてくれないか?」

「……いいですよ」


 今日もドライヤーを持ってきた湊さんの髪を乾かす。


「なんだか安心するな」

「そうですか?」


 まぁ、確かに誰かに髪を乾かしてもらうというのは嫌ではない。

 湊さんは何かを考えているのか、口に手を当ててだんまりになる。


「悠里君。私は私の気持ちを押し付けすぎてないだろうか?」

「え? あの、いきなりどうしたんですか?」

「私は、不器用だしあまり気づかいができる方じゃない、好きだとこの気持ちを伝えることしかできない」

「……」

「私は悠里君が好きだ。悠里君はどうかな?」


 好きというのはまだわからない。

 一方的ともいえる好意に浮かれて、タイミングを逃してあの告白の時の訂正をできていない。


「僕は、まだよくわからないです。ごめんなさい」

「そうか、急いて浮かれすぎたな」

「その……」

「なら、惚れてもらえるようにより一層頑張ろう」

「え?」


 え? なんかすっごく前向きですね。

 なんだかちょっとうるっとしてた僕の気持ちも考えてほしい。


「ひとまずは……これから先も私の髪を乾かしてほしい」

「ぷっ、あっははは、何ですかそれ。でも、そうですね。これくらいならいいですよ」


 はぁ、なんだか笑ったら気が楽になった。


「好きだよ」

「ありがとうございます」


 まだ答えは返せないけど、いつかその好意を返せるようになればいいな。


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