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祝、日間アクションランキング第3位‼︎
あ、あと本日仕事中に熱中症になったので、皆さん気をつけて‼︎
▽▲▽
あの後教室へ戻った一心を待っていたのは、強烈な質問攻め――などではなく、遠巻きに様子をうかがうクラスメイト達の瞳だった。
変につついて藪蛇だったら困る、そんな考えでの行動だった。
唯一、孝弘だけは「あとで教えろ」と言ってきたのだが。
その日の帰り道、ふと思い立って一心は本屋に立ち寄った。
雑誌コーナーを虱潰しに探して、目的の雑誌を探す。
「お、あったあった」
そこで探し当てたのは、ゲーム雑誌。
仮入部の前に、一心は彼なりにeスポーツの事前知識を入れておこうと考えたのだ。
そうして、見つけたゲーム雑誌に彼が手を伸ばそうとしたその時だった。
「い、一心くん!」
突然後ろからそう呼び止められ、彼は振り替える。
そこには、クラスメイトの快活そうな少女が立っていた。
「――夏菜か」
「うん、こうして話すのは、ひさしぶりかな。おかしいね、クラスメイトなのに」
そういって藤崎夏菜は、少し笑う。
「バスケ部はどうしたんだ?」
「今日は休み。それでその、君がここに入るのが見えたから、着いてきちゃった――よかったら、帰りながら少し話さない?」
「――ちょっと待っててくれ。これ買うから」
本当は立ち読みですまそうと考えていたが、こうなっては仕方ないと、一心は雑誌を手に取ってレジへ向かう。
購入して外に出ると、夏菜が待っていた。
「――それじゃ、行こ」
「あ、あぁ」
そういって2人は歩き始めるが、なかなか会話を始めることができない。
一心も、過去の確執のせいで、まだ彼女との距離感が掴めていなかった。
4月にクラスメイトになったときから、彼女と距離を置いていたのは、それが理由であった。
そんな気まずい沈黙の中、とうとう夏菜が口を開く。
「――ねぇ、あれからこの三年間どうしてた」
あれから、そんないまいち具体性のない問を夏菜は投げる。
他人から見れば、分からない問。
だが、当事者たるふたりにとって、三年前の出来事は、ひとつしかなかった。
「どうもしてない。ただ、ただ普通にやってきたよ」
「―-普通。ねぇ、一心くんにとっての普通って何?」
少し、とげのある言い方で彼女はそう返す。
「私の知ってる一心くんの“普通”って剣道に打ち込んでる姿だったよ」
「――もう、それはできないんだ。理由は知ってるよな」
「病気で、右目を失明したんだよね」
「あぁ」
一心は、三年前までは剣道に打ち込む少年だった。
小学生の時は、県ベスト8の成績を残すほどの優秀な――一生懸命な少年だった。
――悲劇は、三年前の中学一年生の時。
彼は、突然ある病にかかり、右目の視力を失った。
それと同時に、剣道を辞めたのだ。
「視野が極端に狭くなって、距離感が狂いだして、以前のように戦えなくなった。どうしても、みんなと同じ土俵に立てなくなった」
「だから、辞めたの?」
一心は無言で肯定の意を示す。
2人は、丁度二手に分かれた道の前に来ていた。
「ここでお別れだ、また明日な」
そういって逃げるように、夏菜に背を向ける一心。
一心のその後ろ姿に向けて、夏菜は叫ぶ。
「薫、薫くんは! まだ一心くんのこと、待ってるんだよ!!」
夏菜の言葉に、一心は歩みを止め、振り返る。
そして、酷く悲しそうな顔でこういった。
「――だから、だよ。こんな出来損ないになっちまった俺を、薫には見せらせない」
次回から、とうとう一心が剣を取ります!
アクションましましで書きますよー‼︎