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ブレイド&ブレイド~ARの刃、鮮やかに舞う~  作者: 宇奈木 ユラ
第二章 拡張現実は、鮮烈に
7/28

2-2

祝、日間アクションランキング第3位‼︎


あ、あと本日仕事中に熱中症になったので、皆さん気をつけて‼︎


▽▲▽



 あの後教室へ戻った一心を待っていたのは、強烈な質問攻め――などではなく、遠巻きに様子をうかがうクラスメイト達の瞳だった。

 変につついて藪蛇だったら困る、そんな考えでの行動だった。

 唯一、孝弘だけは「あとで教えろ」と言ってきたのだが。


 その日の帰り道、ふと思い立って一心は本屋に立ち寄った。

 雑誌コーナーを虱潰しに探して、目的の雑誌を探す。


「お、あったあった」


 そこで探し当てたのは、ゲーム雑誌。

 仮入部の前に、一心は彼なりにeスポーツの事前知識を入れておこうと考えたのだ。

 そうして、見つけたゲーム雑誌に彼が手を伸ばそうとしたその時だった。


「い、一心くん!」


 突然後ろからそう呼び止められ、彼は振り替える。

 そこには、クラスメイトの快活そうな少女が立っていた。


「――夏菜か」


「うん、こうして話すのは、ひさしぶりかな。おかしいね、クラスメイトなのに」


 そういって藤崎夏菜は、少し笑う。


「バスケ部はどうしたんだ?」


「今日は休み。それでその、君がここに入るのが見えたから、着いてきちゃった――よかったら、帰りながら少し話さない?」


「――ちょっと待っててくれ。これ買うから」


 本当は立ち読みですまそうと考えていたが、こうなっては仕方ないと、一心は雑誌を手に取ってレジへ向かう。


 購入して外に出ると、夏菜が待っていた。


「――それじゃ、行こ」


「あ、あぁ」


 そういって2人は歩き始めるが、なかなか会話を始めることができない。

 一心も、過去の確執のせいで、まだ彼女との距離感が掴めていなかった。

 4月にクラスメイトになったときから、彼女と距離を置いていたのは、それが理由であった。

 そんな気まずい沈黙の中、とうとう夏菜が口を開く。


「――ねぇ、あれからこの三年間どうしてた」


 あれから、そんないまいち具体性のない問を夏菜は投げる。

 他人から見れば、分からない問。

 だが、当事者たるふたりにとって、三年前の出来事は、ひとつしかなかった。


「どうもしてない。ただ、ただ普通にやってきたよ」


「―-普通。ねぇ、一心くんにとっての普通って何?」


 少し、とげのある言い方で彼女はそう返す。


「私の知ってる一心くんの“普通”って剣道に打ち込んでる姿だったよ」


「――もう、それはできないんだ。理由は知ってるよな」


「病気で、右目を失明したんだよね」


「あぁ」


 一心は、三年前までは剣道に打ち込む少年だった。

 小学生の時は、県ベスト8の成績を残すほどの優秀な――一生懸命な少年だった。

 ――悲劇は、三年前の中学一年生の時。

 彼は、突然ある病にかかり、右目の視力を失った。

 それと同時に、剣道を辞めたのだ。


「視野が極端に狭くなって、距離感が狂いだして、以前のように戦えなくなった。どうしても、みんなと同じ土俵に立てなくなった」


「だから、辞めたの?」


 一心は無言で肯定の意を示す。

 2人は、丁度二手に分かれた道の前に来ていた。


「ここでお別れだ、また明日な」


 そういって逃げるように、夏菜に背を向ける一心。

 一心のその後ろ姿に向けて、夏菜は叫ぶ。


「薫、薫くんは! まだ一心くんのこと、待ってるんだよ!!」


 夏菜の言葉に、一心は歩みを止め、振り返る。

 そして、酷く悲しそうな顔でこういった。


「――だから、だよ。こんな出来損ないになっちまった俺を、薫には見せらせない」




次回から、とうとう一心が剣を取ります!

アクションましましで書きますよー‼︎

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