第931話アラウザルゴッド…リーゼ・エルライド・イグロシアル
「リーゼ様っ!!リーゼ様っ!!」
「うっ…セリー…」
リーゼは目をあける。
だがリーゼは、すぐさま開けたその目を大きく見開くことになる。
「アラウザルゴッド…やっとなれた…」
リーゼはセリーの補助を借りながらなんとか体を起こす。
ズキンッ…
「うっ…」
頭部に鈍い痛みが走る…
さすがに脳…アメーバにあるのかどうかは知らないが、酷使しすぎたようだ。
しばらくは安静にしてないと…
リーゼは思った。
「セリー、鬼情は?」
体はすこぶる調子が悪いが、こればかりは聞かずにいられない。
「はっ、リーゼ様が全力を出されてからしばらく…何故か急に戦闘力が落ちた為、始末しました。他のゴッズクローンは未だ戦闘中にございます」
「大方リーゼ達の戦闘の余波で神界がダメージを受けたことにより、神界の制約が…」
ズキン…
「うっ…」
「リーゼ様!?」
セリーが心配そうにリーゼを支える。
まだ頭を使っちゃダメみたいだ…
まだ他の連中は戦闘中か…
リーゼは転移を発動しようとするが、セリーはそれを止める。
「お待ち下さい!!そのお身体では…」
「それぐらいの力は残ってるよ…なんなら1人で皆殺しにするのも可能だよ…」
頭や読心や未来予知は使えないが、オルメテウスやティナから集めた大量の神格エネルギーがある。
動きがかなり鈍くなっているのは痛手だが、あの雑魚共を殺す程度なら問題はないはずだ。
「しかし…お身体に触ります。ここは私が…どうかご安静に…」
「わかった…頼んだよ…そっちが片付きしだいリーゼは転移でイグロシアルに…」
その時だ。
「セリー、その必要はない。既にゴミ共は私が片付けた。リーゼ様、お迎えにあがりました。ラグア様がご心配なさっております」
「エリス…なら玉座の間に直接飛んで…」
「…リーゼ様、お言葉ですが少し休まれた方が…」
「…命令だよ…」
「承知しました」
エリスのその言葉と共にリーゼ達は玉座の間に転移する。
〜
カンカンカンッ
俺は苛立たし気に玉座の肘置きを指で小突く。
あのバカ…
いやバカと天才なんとやらってことわざがあったか?
オルメテウスに異常なパワーアップをしたティナ…
そんな連中相手に単身で突っ込みやがって…
おかげでこっちはエリスを待機させた上で、いつでも転移できる準備してヤキモキしてるハメになった。
そんな事を思ってるうちに張本人が戻ってきたようだ。
別に休んでからでもいいのだが、アイツの性格ならそんな選択はないか。
なら…
「よくやったな。大バカ娘が」
労い半分、叱責半分の言葉をかけてやるのが俺の役目だ。




