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第923話再戦の眠鬼3


リーゼ達はオルメテウスの拠点宇宙に転移する。


抵抗はあったが今のリーゼの神格エネルギーは膨大だ。

この程度の結界を破るのは造作もないことだ。


「所詮はアラウザルゴッドとは言ってもこの程度…。パパやラピロアとは比べるまでもない」


リーゼはそう呟くが、オルメテウスの拠点宇宙は不気味な程の静けさを放っている。


「リーゼ様、索敵可能な圏内に敵の反応…いえ、生体の反応すらございません」


セリーは言った。


「オルメテウスの初手は神界に籠城か。そして無駄な犠牲や神格エネルギーをリーゼ達に渡さない為にパパの森羅万象に近い技で全軍を退かせたか。ずいぶんと消極的だけど最善手には近いねー」


セリーのその言葉に大してリーゼは言った。


セリーは思う。

リーゼ様は最善手に近いと言った。

つまりはリーゼ様がオルメテウスの立場なら別の手を打つのだろう。

まあ、自分ごときの頭ではリーゼ様の先の先をも読む崇高なお考えがわかるはずなどないのだが…


そんなセリーの感情と考えを読んでかリーゼは笑みを浮かべる…


「リーゼがオルメテウスなら?まあ、セリーの言う通りそんな手は打たないよ」


「では…」


では…リーゼ様なら…セリーがそう聞き返そうとするが、リーゼの笑みが邪悪なものに変わる。

セリーは背筋に冷たいものを覚える…


「そもそも戦うって選択肢自体が終わってるんだよ。リーゼがオルメテウスなら?降伏なんて生存率の低い方法にかけるのも愚策中の愚策だから…」


リーゼはそこで一度言葉を切る。


「逃亡一択だよ。拠点なんかすぐさま放棄して足手まといにならない程度の実力がある配下だけを連れてね?」


セリーは思い出す。


そう。

リーゼ様は…このお方は誕生したばかりの頃は立場はともかく、実力は自分よりも遥か下だった。

何度かリーゼ様の護衛任務についたこともある。

だが、まるで未来からきたのではないかと思うほど、完璧な先読みで瞬く間に急成長を果たし、今ではラグア様の誇るイグロシアルの実力者達を抑え、単独で…(リーゼ様の実力に比べればいてもいなくても変わらない自分達は省く)古参のアラウザルゴッドの討伐任務を任されるまでになった。


そんなお方が自分なら…そもそも戦うという選択肢を除外したのだ。


「そう。セリーの考えは間違っていない。勝つのはもう決定事項だよ。どう転んでもそれは変わらない。それじゃーそろそろはじめようか。たぶん史上初なのかな?成り損ないのイナゴが本物のイナゴをぶちのめす宴をさ…」


こうしてリーゼ達は、オルメテウスの待つ神界に向けて転移するのだった。

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