第920話群雄割拠の新時代20
「膠着状態?そんなわけないじゃん?パパ、状況は変わった。パパが権能の概念を得たことによってね?」
「あ?どういうことだ?」
情報漏洩を恐れてか、共鳴の概念を発動している俺にも悟らせないリーゼの言葉に俺は意味がわからずにそう聞いた。
「まあ、もう話してもいいか。わかっていてもどうしようもないしね?リオ姉、パパのサポートは任せてもいい?」
その瞬間、イグロシアルで待っていたはずの姉ちゃんが転移してくる。
「…はあ…まあいいわ。おいしいところを持ってかれるのは癪だけどね…」
「姉ちゃん、どういうことだ?」
俺は姉ちゃんにリーゼにしたのと同じ質問をする。
「鋭治、リーゼちゃんはこれから孤立戦力を叩くつもりよ?いるじゃない?ラピロア、ミグ、ルービスメゾル…神帝の血族同士の三つ巴の争いの中で唯一どこにも属していないヤツが…」
「オルメテウスか…そういえばアイツには借りがあったな…」
万全を期して挑んだはずの戦いで、ラピロアに助けられるという事実上の敗北に追い込まれた苦い思い出を俺は思い出す。
「そうだよ。アレはリーゼの落ち度…はっきり言って汚点だよ…自分の尻は自分で拭く…パパ、ゴッズクローンを数体借りるよ。リーゼ一人でも十分だと思うけど前回の反省もある。念には念をいれる」
「オルメテウスを叩くなら、どっちみち俺は大した動きはできないからゴッズクローンとは言わずに最高戦力から誰か連れていくか?」
ゴッズクローンはたしかに強い…
だがイグロシアル最高戦力と比べるとさすがに見劣りする。
オルメテウスが相手ならエリスやエリローズといったイグロシアル最高戦力の筆頭クラスを出すべきか?
俺は思った。
そんな俺の考えは共鳴の概念で繋がっているリーゼにも伝わったようだ。
「そこまではさすがになー……パパがさっき言ったルービスメゾルとの地味な戦いも負けると後が大変だし…」
リーゼはここで一瞬考える素振りを見せるがすぐに口を開く。
「ならセリーを借して。その他にゴッズクローンが4体もいれば余裕を持ってオルメテウスを潰せるはず…いや、必ず潰すよ」
リーゼは自信たっぷりにそう言い直した。
「セリーか………わかった。お前がそこまで言ってしくじったことは一度もないしな?」
「ふふふっ、ありがとうパパ。もちろん信頼には応えるよ。セリーは久々の表の仕事だけど、セリーなら大丈夫だよ。ウリンの生体改造で、現ゴッズクローン最強とまで言われてるアイツは伊達じゃないよ」
ニヤリと笑みを浮かべるとリーゼはそう言ったのだった。




