第919話群雄割拠の新時代19
権能の概念を無事手に入れることに成功した俺はリーゼとこれからどう動くかを話していた。
「とりあえず選択肢は…って…ルービスメゾルは逃げたね」
「形勢不利と見てさっさと逃げたか?以外にビビリ…いや、余裕があるのか?」
「うん、おそらく向こうの次の手はパパを狙ってくるだろうしね?ラピロアとルービスメゾルの権能に優劣があるってことは、パパとルービスメゾルの権能にも優劣があると見るべきだね。そして権能同士の対決ならルービスメゾルの方が上と見るべきだね」
リーゼの話から俺は一つに気になる。
「ってことは俺とミグの権能にも優劣があると見るべきか?」
「まああるとは思うけど、問題は何を基準に権能の優劣が決まるかだよね。獲得時期だけが基準ならパパとミグの権能は互角だけど、他の要素…例えば元々の自力とかが絡んでくるならパパの方が強いと見るかな?まあ仮に権能自体が互角だとしても、その場合今度は元々の自力の対決になるからミグには勝てるはずだよ」
リーゼは言った。
「つまりお前の見立てだと権能の概念は時間と共に成長するプラス何か他の要素が絡んでくるってことか。つまり権能の強化に関してはラピロアから情報を得ることができる俺の方がかなり有利ってことか」
「ミグに対してはそうだけど、ルービスメゾルにはそうとも言えないんだよね。ミグは情報が入ってこないだろうけど、ルービスメゾルが権能の強化方法を知らないはずがない。そして今回ラピロアはルービスメゾルを逃した。つまりラピロアにはまだルービスメゾルを殺せない理由がある。でもルービスメゾルにはそんな足枷はないから倒せないラピロアじゃなくてパパを狙ってくるはず。パパはラピロアから離れられないけど、ルービスメゾルは自由に動ける。けど、ルービスメゾル自身は足枷がないけどルービスメゾルの特別なプリミティブゴッドは足枷がある。これ以上やられたらマズイから自陣に引きこもるか、ルービスメゾルと行動を共にするかの二択しかないからね」
「なんかめんどくせー読み合いだな。つまりはお互い足枷があって膠着状態?今まで通り宇宙を潰しながらルービスメゾルと俺は互いに権能の強化を狙う地味な戦いってことか?」
俺はリーゼの話をそう解釈するとそう聞いたのだった。




