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第918話群雄割拠の新時代18


ミグは硬直する…

それは本来なら致命的な事態になりかねないことだが、幸いというべきか、戦闘自体はアゼルメーテ一人でもお釣りがくる程に完封できている。

そんな事態に発展することはなかった。


「………!?っ、どうゆうことっ!?あたし何もしてないよっ!?そんなおいしいとこだけとるような真似できないよっ!!」


ようやく硬直から回復したミグは叫んだ。


そんなミグに対しアゼルメーテはいつもの無表情のまま答える。


「おそらく向こうは権能の概念をラグアがとる以外に選択肢はないだろう。だが、こちらは選択肢がある。今回の戦いで実感したが、我は特別なプリミティブゴッドとやらが相手でもかなりの余裕がある。…残るプリミティブは少なくとも弱い方は、我が自力で倒せると踏んでいる」


「でも…バカなあたしが言うのもなんだけど…あのクソガキ……リーゼはアゼルメーテがそう選択することをたぶん読んでるよ?アイツの頭の中はわからないけど、アイツは正攻法で押してくるタイプじゃない。うまく言えないけど…」


ミグはそこで口籠る…


「まあ、確実に裏はあるだろうな。神格エネルギーの問題以前に読心の通用しない思考回路を持つ化け物だ。逆に言えばだからこそ、この場でラグアとリーゼとぶつかることを避けて、あえてヤツの提案を呑むことにした」


「…わかんないよ…どうすればいいのか…」


「時間だ。殺れ」


どの選択肢もリーゼに読まれている…

或いはどちらの選択肢をとってもリーゼの手のひらの上…

そんな気がする…

ミグはいままで格下相手には力のゴリ押しでどうにでもなっていた。

でも結果リーゼとぶつかった時に、全てを読み切られて完封された。

切り札で戦えば勝てるのは、わかった。

でも、リーゼはすぐさま逃げを選択した。

引き分けと言えば聞こえはいいが、事実上の負けである。

ミグは疑心暗鬼に陥っていた。


「問題ない。お前が権能を得ればラグアにもその力は通用する。そして我は現状でもリーゼ単体なら敵ではない。今だ」


その言葉が最後の一押しになり、ミグはアゼルメーテに完全に封殺されていたギッシュトートに全神格エネルギーを込めた一撃を叩きこむ。

それと同時にミグには大量の神格エネルギーが流れ込み、さらに…


「これが権能の概念…すごい…」


ミグはその一言しか出てこなかった。

彼女の…いや…大半の者の語彙力ではそれを表現することはできなかった。


こうしてミグもまた権能の概念を手に入れることになる。

ラグアとミグ…アルムス時代から続く因縁を持つ者同士が、互いに権能の概念を得るに至った。


両者の激突の日は近い…

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