第913話群雄割拠の新時代13
俺に大量の神格エネルギーが流れ込んでくる。
その直後だった。
ドクン…
俺の中で一度何かが鼓動するような気がした。
そしてそれは共鳴の概念によって意識を共有しているリーゼにも伝わる。
そして俺の魂に権能の概念が刻まれる。
〜
「くくくっ、やべーなこれ?もう神格エネルギーとかどうでもよくなるわ」
俺は言った。
全身に溢れる全能感…
やろうと思えばできないことは何もない。
俺は神格エネルギーの増加をイメージする…
とりあえず核玉の数値で100万程度に…
俺の神格エネルギーは一瞬でその数値まで増大した。
次は…
俺は適当な場所に宇宙の創造をイメージする。
本来これは最高神の能力だ。
デメリットで俺の魂と宇宙がリンクされてしまい、その宇宙がダメージを受けると俺にそのまま伝わる仕様だ。
だが、権能の概念があれば俺の気分しだいで全てのデメリットは都合のいいように改変できる。
今回作り出したのは味方だけにとんでもないバフがかかる宇宙空間だ。
「………めちゃくちゃな能力だね…こんなの同じ権能持ちじゃなきゃ、勝負にすらならないよ…」
さすがのリーゼも、権能の概念の…このチートを遥かに凌駕した全知全能が服を着て歩いているかのような力には呆れている。
「たしかラピロアの話だと後半の方の形態は、これがデフォルト発動だったか?そりゃあんなに余裕ぶっこいてるわな?勝てるわけねーわ…なんて表現していいかわかんねーけど…」
「存在するだけで全知全能と有機物無機物に関わらず全ての生殺与奪を支配する絶対神…これでもまだ足りない気がするけど、そんな感じかな?パパにわかりやすく言うとマンガとかの主人公が主人公補正で絶対勝てない敵とかに勝つことがあるじゃん?自分の好きなタイミングで主人公補正を勝手に発動させて、オーバーキルできる能力かな?一言で言えば全てに対する強制干渉…まあ、なんでもできる力だね」
「…そんなマンガ一体誰が読むんだよ?さすがに友情、努力、勝利とか化石みてーな事を言う気はねーけどよ?てかリーゼ、解説諦めたよな?お前の頭でも無理か?」
俺は言った。
ちなみに余談だがイグロシアルにもマンガはある。
しかもかなり初期から出回っている。
具体的にはエリローズがハマりだして、ノーマンが食いついて……もうこの話はいいか。
「できないことはないよ?数年間ずっと喋り続けていいなら?」
「やめだ。アホらしい。それより…」
俺はそこで一度言葉を切る。
「俺はミグを殺るべきか?それともラピロアに参戦すべきか?」
俺、ラピロア、ルービスメゾル、ミグの権能の概念持ちの四体の全知全能の化身が混在するカオスと化した宇宙で俺はそう言ったのだった。




