第76話ソドムVSエリローズ
「ふふふっ、トカゲ無勢が私とあわよくば相討ちとは滑稽過ぎて笑えますね。」
エリローズは言った。
「その減らず口ふさいでやるわー。発動、七曜の神。」
ソドムの周りに7つの光が展開する。
7つの光はそれぞれの星の力を持つ。
ラグアの帝級スキル、土星帝や水星帝の万能版である。
尚、神級スキルの中では用途が狭い為、その分威力は少し高めである。
その7つの光の中から赤い光がエリローズに迫るのだが…
光はエリローズに触れた瞬間消滅する。
エリローズは言う。
「バカですか?神をスキルごときで殺せるとでも?」
「殺せるとは思っていなかったが全く効果すらないとはな。」
「どうやら、長生きし過ぎて、頭がボケたみたいですね。いいでしょう、私の神級スキルの1つを見せてあげましょう。発動、全能の神、亜空間創造。」
エリローズとソドムは強制転移した。
〜〜〜
「なんじゃ?何故移動した?」
「ふふっ、死にゆく人になら教えてもいいでしょう。アルムスで私が力を使えば、おそらく相当な被害が出ます。まだ、ラグア様と揉める訳にはいかないのです。ラグア様なら私の夢を分かってくれるかも知れませんが、そんな不確定な事の為に計画を台無しにするつもりはありません。私の悲願、アルムスも含めたこの宇宙の完全消滅。悲願達成の暁には私自身も消えましょう。なぜなら、それだけが私の存在意義なのですから。」
「なっ!?なら、貴様がラグア様を殺した理由は…」
「初代ラグアは最高神、殺害目前で私の計画に気づきました。彼ならわかってくれると思っていたのですがね…。二度と同じ過ちは犯しません。もう気の遠くなる程の時間を待ちました。今度こそ成功させます。その為の邪魔者には全て消えてもらいます。」
「ラグア様………。貴様はラグア様の件がなくても生きていてはいけない存在じゃ。ここで儂の命と引き換えに死ね。」
ソドムの体から神格エネルギーが溢れる。
「なるほど、神格エネルギーを全て使って自爆ですか。それなら私も多少の傷は負うかも知れません。ですが、私ももうこれ以上、力を失うわけにはいかないのですよ。誇りに思って下さい。オリジンゴッドの力を使うのはラグア以来ですよ。発動、概念、消滅。」
「何をしても無駄じゃぁぁぁぁっ、儂と共に死ねぇぇぇぇっ。」
ソドムがエリローズに突進する。
右腕がエリローズの体に触れた。
神格エネルギーの大爆発が起きる………はずだった。
ソドムの右腕の肩から先はエリローズに触れた瞬間、消滅した。
神格エネルギーも右腕の分は消滅している。
「なっ何故っ!?」
「ソドム、あなた達みたいな、まがい物の神とは違い私達、オリジンゴッドは生まれながらの神です。当然司る概念があります。私の概念は消滅。全てを無に帰す力。中級神や上級神程度の格下の神格エネルギーごときを無に帰すのは造作もない事です。まあ、初代ラグアにはこれも通用せずに、私自身の神格エネルギーを使う事になってしまいましたが、トカゲ如きを殺すには十分過ぎますね。」
ソドムの体がエリローズの消滅の概念に包まれる。
「ぐあああぁぁぁ、エリローズぅぅぅぅっ……。」
「まあ、同じ生まれながらの神でも、最高神に生み出された他のアルムスの創造神は最高神の力をほんの少し使える程度で概念のなど……あっ、もう聞こえませんね。」
「さて、ラグア様はまだ戦っているようですね。戦いが終わるまで、ここでのんびりしている事にしますか。まあ、不測の事態でも起きない限り今のラグア様には私の手助けなど不要ですし。」
こうして、ソドムとエリローズの戦いはエリローズの完勝に終わった。
あとに残ったのは、亜空間からラグアの戦いを眺めているエリローズだけだった。




