第878話迷宮宇宙51
キャッスル・オブ・リーゼ、4階、最奥…
「ギースもなー。なんて言うのかな?叔父さん風に言う義理とか漢気ってヤツ?合理性は皆無だけど作戦に支障はないしいいけど。まあ…ここまでは参謀としての意見だけど、リーゼ個人的にはこうゆうの好きかなー?だいぶリーゼも叔父さんに毒されてるのかな?まあ、せいぜいがパパに復活を頼む数が1人増えるだけだしねー?」
作戦発動のため、待機しているリーゼはそんなこと言った。
〜
ギースとミグの戦いはそもそも戦いなどになるはずがなく、一撃でミグに神格エネルギーを散らされる…
直接戦闘能力はマリアよりもギースの方が上だが、ミグにとっては誤差としか言いようがない。
「まあギースもこれで満足したでしょ」
そう言ったリーゼは、気持ちを切り替えて作戦行動に移る。
「発動、神級スキル、思現の神」
その瞬間、リーゼがいる最奥の一部を除いた4階全域は地球の強力なアンチステータスゾーンに変わる…
だが、本番はこれからだ。
リーゼはさらに思現の神にありったけの神格エネルギーを注ぎこむ…
「ぐっ…さすがにつらいか…」
これまでのキャッスル・オブ・リーゼの悪質な奇襲の結果、リーゼの神格エネルギーは核玉の換算で492にまで至っていた。
ミグには若干及ばないが、それをアンチステータスゾーンの強化に全て注ぎこむ分には問題はない。
「まあ…つらいのは…欲張り過ぎたからも……ある…けど…さ…」
息も絶え絶えなんとかアンチステータスゾーンの強化を維持しながらリーゼは言った。
そう。
リーゼはアンチステータスゾーンと合わせて、ある制約をアンチステータスゾーンに刻んでいた。
それはほんの少しだけ…アンチステータスゾーン内で他の誰かが失った神格エネルギーが術者であるリーゼに吸収されるというもの…
そして、その効力を増幅させるためにラグアからもらった神級装備のほとんどを4階に仕掛けた。
それによりリーゼに入る神格エネルギーはもはやほんの少しどころではなくなっていた。
全ては万が一にでも三島煌一が抜かれた場合、自分1人でもミグと渡り合うためだ。
「叔…父…さん…………た…ぶん…あんま…り…長く…持た…ない…けど…頼ん…だ…よ…」
苦しそうにそう言ったリーゼは少しでも長く、過去最強とも言えるアンチステータスゾーンを少しでも長く維持するため、集中するのだった。




